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タスキの数だけドラマがある!大阪北港「駅伝」ヨットレース

 12月3日、大阪北港マリーナで「第18回オールドソルトレース・第15回北港駅伝レース(稲森杯)」が開催されました。強風下で例年以上にタスキの受け渡しがむずかしく、最後まで順位が入れ替わる目が離せない展開となりました。(レポート/弘中健史、写真/河野富有、松本和子)

大阪北港で開催された駅伝ヨットレース。第2帆走艇(シカーラ)→第3帆走艇(ILCA6)へのタスキリレー。10号艇チームと3号艇チームの競り合いは10号艇チームが制しました

◎駅伝レースとは?
 陸上競技の駅伝と同じように、チームごとに1本のタスキをつないでフィニッシュをめざします。どの艇も上→サイド→下→フィニッシュと帆走し、フィニッシュ後タスキを次の艇に受け渡します。以下の順で帆走しました。

・第1帆走艇 … レンタルトッパー(ベテランメンバー ※オールドソルトレースを兼ねる)
・第2帆走艇 … レンタルシカーラ
・第3帆走艇 … オーナー艇(ILCA6 or シーホッパーSR)

 レースには、各チーム5名程度で計10チームの総勢49名が参加しました。大阪北港ディンギークラブメンバーだけでなく、大阪公立大学の学生やレーザー芦屋フリートからも参加がありました。

レースにはサンタさんも参加!タスキだけじゃなくて、プレゼントもほしいんだけど?

◎タスキリレーの波乱あり、応援ありで大盛り上がり!
 タスキの受け渡し方法にルールはありません。どんなふうに受け渡しをしているのかというと…

・タスキに重しをつけ、それを次の艇に投げる。
・風上(下)から近づいて互いに帆走しながら受け取る。
・一旦お互いにストップして確実に受け渡し。

 など、みなさん持論があります。

 受け渡しの場所が狭く限定されていたのでタスキリレーの難易度が上がりました。艇が密集してポジション取りがうまくいかず、次に受け渡す艇がいない? と焦るチームあり、はたまたスムーズな受け渡しで順位を上げるチームあり、みんなで大盛り上がり! 応援にも熱が入りました。

着実に順位を上げ、優勝した10号艇チーム。優勝商品はお米です!

◎優勝チームメンバーコメント
手取雅和(第1帆走艇 トッパー)
 私は74歳です。フルハイクアウトの強風でした。乗ったトッパー10号艇のバングのクリートは強風で緩みがちだったので、クリート前でノットして固定しました。なので、ブームエンドの入水のジャイブ沈が怖くて、サイドマークでタック周りをしました。沈した艇が多かったので作戦成功とほくそ笑んでいます。
 私のトッパーフィニッシュは3位だったので、後続の仲間の奮戦に感謝です。

松月洋樹(第2帆走艇 シカーラ)
 われわれ10号艇チームのレース展開としましてはバトンパスのスムーズさが特に際立っており、第1、2走者は帆走ではトップではないものの着実に順位を上げながら最終走者にタスキを託すことができました。最終走者弘中さんの走りは圧巻で見事優勝を飾ることができました。
 そんな内容の駅伝レースでしたが、やはり1番の盛り上がりポイントはバトンパスの部分でした。自チームの船が見え始めた頃にはどのようにバトンパスをするのかどのチームも必死に考え動いていました。その中で上手くいくチームやミスしてしまうチームが生まれ勝敗を分けた1番のポイントだったと思います。聞いたところによるとタスキを受け取るのに必死になって海に落ちたチームもいるとか…
 普段のレースと違い本当のチーム戦のようでまた別の楽しさがありました。また、学生のみで行っている練習やレースと違い様々な年代の方と一緒にヨット競技をできることはわれわれにとっても非常に貴重でいい経験となりました。改めてヨット競技の良さに気づけたレースだったと思っております。

入葉圭亮(第2帆走艇 シカーラ)
 レース中盤、第2走者の私達は他の艇よりもスムーズにタスキをつなぐことができ、この段階で2位か3位くらいにつけることができました。それからの走りは3人での全力ハイクアウトの甲斐あって、サイドマークまでは順調に回航することができました。最後の下マークでは失速してしまい、一瞬順位を落とす結果となりましたが、ラインに戻ってからのタスキリレーもうまく繋がり、第3走者の人に希望をつなげることができました。
 今回の駅伝レースでは、見事優勝を勝ち取ることができ、表彰式では興奮が抑えられませんでした。また、これまでのレースでも何度か上位を取ることはできましたが、駅伝レースの優勝はそれとは違う、5人の思いの結晶のようでとてもうれしかったです。今回のレースを通して、社会人セーラーの皆さんとも交流することができ、貴重な経験をすることができました。主催運営の方々、10号艇チーム、その他皆さんありがとうございました。

石田至乃(第2帆走艇 シカーラ)
 今回優勝できたのは、駅伝レースという普通のヨットレースでは珍しいチームレースであったこと、頼もしい後輩2人と一緒にレースに参加できたおかげだと思います。強風でのレースであったり、初めて一緒に乗る組み合わせだったりと出艇前は心配する気持ちがありましたが、いざ海に出てしまえば、無我夢中でハイクアウトをしていて、全力で楽しむことができました。3人で全力ハイクアウトをしている瞬間はずっと盛り上がっていたと思います。
 マネージャーとして約3年間ヨットという競技を間近で見てきましたが、今回のレースで実際にヨットに乗り、自分がマークを探したりハイクアウトしたりヒールバランスを取ったりするとは思いもよらなかったので、本当に楽しい経験ができたと思います。また駅伝レースの醍醐味だと思いますが、チームとして皆さんを応援できたことも大変盛り上がり楽しかったです。ありがとうございました。

弘中健史(第3帆走艇 ILCA6)
 目の前でチームを応援したり自分が応援されたりするのは、ヨットレースではなかなか難しいと思います。駅伝レースはとても面白いので、ぜひオススメです。
 レセプションのぜんざいやおでん、焼肉でとても温まりました。ヨットレースは準備も何かと大変ですが、関わってくださった方々ありがとうございました。

学生も大ベテランも一緒に盛り上がりました!

◎第18回オールドソルトレース成績(※対象者)
1位 山本芳宣(1号艇チーム)
2位 手取雅和(10号艇チーム)

第15回北港駅伝レース成績(※丸数字は帆走順)
1位 10号艇チーム ①手取雅和/②松月洋樹/入葉圭亮/石田至乃/③弘中健史
2位 3号艇チーム ①横山トオル/②井野翔太/守田優雅/名定玖晃/③押井猛
3位 2号艇チーム ①野崎泰弘/②井上敦央/塚本雅子/③西川隆朗

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