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ナクラ17飯束・西田、FX田中・永松がパリ五輪出場決定!ラストチャンス最終日

 4月26日、フランス・イエールで開催されているパリ五輪出場国選考「ラストチャンスレガッタ」6日目は、iQFOiL、フォーミュラカイト以外のメダルレースがおこなわれました。注目のナクラ17は飯束潮吹/西田カピーリア桜良が、カナダとのポイント差わずか1点で逃げ切り、国枠4カ国目(総合5位)でパリ五輪出場を決めました。(BHM編集部)

最終日におこなわれた決勝メダルレースを10位フィニッシュ。ライバルとなるカナダが9位だったことから国別成績4位でパリ五輪出場国権利を獲得した飯束潮吹/西田カピーリア桜良(SPN)

 大雨となった大会6日目。海上の風は10ノット程度ですが、冷たい雨のため気温が下がり、視界も悪い厳しいコンディションになりました。五輪出場がかかるナクラ17は飯束/西田が、4カ国目を争うカナダと競りながら上マークへ。飯束/西田は最後尾となり、9位のカナダの順位次第で五輪出場が決まるという展開になります。

 しかし、日本との攻防で距離をロスしたカナダは前のスイスを追い抜くことはできず。日本との得点差を逆転できなかったため日本はパリ五輪出場国枠の獲得と同時に、飯束は東京五輪に続いて2度目、西田は初のオリンピック出場を決めました。

「最後ギリギリだったけれど本当によかったです。ハラハラして緊張して、フィニッシュして大丈夫とわかった瞬間、涙がでてきました。緊張していたんだなと思いました」(西田)

「すごくうれしいです。きょうはカナダにプレッシャーをかけながら走るというプラン通りでした。ただ、ダウンウインドで自分がフォイルを落としてしまい(西田が)落水するミスがあって、そこで差が広がってしまった。それでも落ち着いてレースをしようとがんばりました。最後は(最後尾になってしまったので)運頼みでした(笑)。ヨットレースは、なにがあるのかわからないですね。西田は本当にがんばってくれました。ぼくは失敗が多かったので、次に向けてがんばります」(飯束)

 また、前日までの得点差で国枠を確実とした49erFXの田中美紗樹/永松瀬羅は失格の危険をおかすことない安全な走りでメダルレースを走り、国別順位4位でパリ五輪出場、そして日本代表を決めました。早稲田大の先輩(永松)、後輩のふたりは、初のオリンピック出場になります。

「オリンピックに出る実感はまだありません。これから準備していくなかでじわじわ出てくるのかなと思います。きょうのメダルレースはプレッシャーがないので、いいレースをしようと思っていたんですが、思うようにいかなくて残念です。(プリンセスソフィア銅メダル、五輪国枠を獲得して)軽風域の走りには自信が持てるようになりました。ただ強風域には課題が残るのでその部分を改善していきたいです。オリンピックは小さい頃からの夢です。いまできることを存分に発揮できるようにしたいです」(田中)

「昨日はふわふわした感覚でしたが、たくさんの応援メッセージをもらって、それに返事をしてだんだん実感がわいてきました。これまで色々ためしてきたことが成績につながらなかったけれども、去年から少しずつ成績に出せるようになってきました。わたしたちの強みは練習量だと思います。オリンピック本番はまだ想像できませんが、特別な環境を存分に楽しんで、それに自分たちのやるべきことはしっかりやって成績を出したいと思います」(永松)

 ラストチャンスレガッタでで五輪出場を決めた、iQFOiL男子、49erFX、ナクラ17の日本選手は、先に出場を決めた470(岡田奎樹/吉岡美帆)とともに、マルセイユで7月28日にはじまるオリンピックに出場します。

12〜14ノットの風でおこなわれたナクラ17のメダルレース。日本は好スタートを切りましたが、カナダを抑えるために右海面を選択します
フィニッシュ直後は相手艇の順位を確認できず、サポートチームボートから順位を知り、国枠獲得、日本代表を確信しました
470、ナクラで五輪活動をしてきた飯束は東京五輪後に西田とチームを結成。西田の父親の故郷でもあるイタリアで同国のチームと練習を積んできました。昨年から欧州の大会でも好成績を残す成長を見せています。チームはこのあと世界選手権に出場予定です
大雨の中おこなわれた49erFXメダルレース。日本からは田中美紗樹/永松瀬羅(豊田自動織機)、松苗幸希/畑山絵里(建新)が出場しました
日本代表には届きませんでしたが、昨秋のチーム結成から急成長を遂げた松苗/畑山。最終成績9位で大会を終えました
プリンセスソフィア杯で3位を獲得するなど着実に実力をあげている田中/永松。ラストチャンスレガッタでは初日から好成績でメダルレース前日に国枠を確実にしました
初のオリンピック出場を決めた田中美紗樹/永松瀬羅。昨年から今年前半の国際大会で好成績を残し、日本スキフ界の夜明けを感じさせるチームです。しかし、世界のトップまでとはまだ差があります。五輪までの残りの期間でさらなる成長を期待します
パリ五輪のレーススケジュール

◎ラストチャンスレガッタ 最終日成績
ナクラ17(国枠3+1カ国)参加15艇 最終成績
1 DEN
2 TUR
3 BEL …… Developing Nation
4 BEL
5 飯束潮吹・西田カピーリア桜良(一次選考得点 30点) …… 国別4位
6 CAN
7 GRE
8 BEL
9 SGP
10 SUI
13 渡部雄貴・植田 実(44点)

49erFX(国枠3+2カ国)参加17艇 最終成績
1 POL
2 POL
3 GER
4 FIN …… Developing Nation
5 GER
6 田中美紗樹・永松瀬羅(一次選考得点 31点)89p …… 国別4位
7 GER
8 SGP
9 松苗幸希/畑山絵里(44点)
10 CZE
17 市橋愛生・後藤凛子(50点)

iQFOiL男子(国枠5カ国)参加50艇 最終成績
1 富澤 慎(一次選考得点 63点) …… 国別1位
18 池田健星(79点)
40 倉持大也(109点)

49er 参加33艇(国枠3+1カ国) 最終成績
12 古谷信玄・高柳 彬(一次選考得点 48点)
23 嶋倉照晃・上園田心太浪(59点)

iQFOiL女子(国枠5カ国)参加33艇 最終成績
15 須長由季(一次選考得点 60点)
15 新嶋莉奈(53点)
20 大西富士子(65点)

ILCA6(国枠3カ国) 参加33艇 最終成績
11 冨部柚三子(一次選考得点 76点)
24 山本佑莉(94点)
29 ハムリンたりあ(93点)

ILCA7(国枠3カ国)参加61艇 最終成績
17 鈴木義弘(一次選考得点 66点)
21 黒田浩渡(84点)
25 瀬川和正(94点)

フォーミュラカイト男子(国枠5カ国)参加40艇 最終成績
37 岩城拓海

フォーミュラカイト女子(国枠5カ国)参加22艇 最終成績
21 梶原紗希

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