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スナイプ全米選手権でシリアス・セーリング、シリアス・ファン!

 6月26日から7月1日までアメリカ・サンダスキーで「スナイプ級USナショナル」(全米選手権)が開催されました。オハイオ州サンダスキーは、五大湖のひとつであるエリー湖を北に臨む地方都市です。(レポート・長塚正一郎)

アメリカ・サンダスキー(エリー湖)で開催されたスナイプ級USナショナル(全米選手権)。全8レースおこなわれました

 USナショナルは日本の全日本スナイプにあたる大会で、全米から選手が集まってきます。開催地がアメリカの中でアクセスの悪い場所だったこともあり、参加艇数は40艇程度と少なかったものの、元スナイプワールドチャンピオンが参加するなど、トップ選手のレベルが高いレガッタとなりました。日本からは、湘南サニーサイドマリーナから2ペア参加しました。

 レースは6月27日~30日までの4日間、2〜7m/s程度の風で毎日2レースずつ行われました。最終日は風がなかったため4日目までの成績が最終となりました。

 レース海面は、ほぼ四方を陸地に囲まれた湾内で、シフトと風の強弱の非常に激しい海面です。実施された8レースのうち、同じ風向設定で行われたレースがほとんどないくらい頻繁に風が変わりました。

 コースの長さは、0.8〜1.3マイルと日本のレースと比べると非常に長く、ひとつのシフトを逃すだけで、順位が大きく変動するシビアなレース展開となりました。

 優勝は、昨年ワールド3位のErnestoのチーム。2位以降もジュニアワールドなど各大会で活躍する選手が入賞しました。日本チームは、入江/長塚が5位、山田/小島が7位入賞しました。

 優勝したErnestoのチームをはじめ、今大会3位スナイプ界のレジェンド、Augie選手(なんと今年68歳)など、トップ層の選手はタクティクスに非常に長けておりシフトを捉える力が格段に上手であると感じました。

 また、運営のレベルも特筆すべきで、目まぐるしく変わる風に対して常にコミュニケーションをとり適切にコース設定をしていたのが印象的でした。

 日本と比較すると夫婦で参加するチームも多く、中には70歳代の夫婦も参加していました。閉会式の後には、今大会4位のEnrique選手のDJで大盛り上がりし、まさに スナイプ級の精神、“Serious Sailing, Serious Fun”を体現したレガッタでした。

◎2023スナイプ全米選手権 成績
1 Ernesto Rodriguez / Christine di Silva 12p
2 Justin Callahan / Trevor Davis 20p
3 Augie Diaz / Sophia Devling 34p
4 Enrique Quintero / Charlie Bess 48p
5 入江裕太/長塚正一郎 57p
6 Robert Ramirez / Bryan Stout 61p
7 山田剛士/小島正敬 63p

日本からは入江/長塚、山田/小島が出場。ワールドチャンピオンも出場するハイレベルな大会になりました
総合5位の入江裕太/長塚正一郎
総合7位、山田剛士/小島正敬
総合4位のEnrique/Charlieと日本チーム
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