Loading

太平洋上で「太平洋ひとりぼっち」を読む

ベンガル・デリバリーレポート(30)
ハワイ〜ロサンゼルス

6月8日『太平洋横断を繰り返す理由は?』

 昨日のブログアップ後、風が上がって帆走に戻りましたが、またしても落ちて機走中です。エンジンを回す時間が長かったので、冷蔵庫の中のきゅうりが凍った後、溶けてしまいました。3本くらい新鮮な野菜を無駄にしちゃいました。(文/寺尾まゆこ、写真/チーム・ベンガル)

 昨日は、堀江謙一さんの『太平洋ひとりぼっち』を読みました。堀江さんは、23歳の時に19フィート/約6メートルの船で西宮からサンフランシスコまで、94日かけて単独で渡ったセーラーです。それ以外にも何度も太平洋横断と世界一周してます。足漕ぎボートでハワイ〜沖縄渡ったり、ウィスキー樽リサイクルして作った船で太平洋渡ったりしています。

 その中で、「それにしてもヨットは強いと、つくづく感心する。信頼がわく。たのもしいようないじらしいような…。ああ、身の一部だと痛切に感じる。つくさなくてはいかんで。そう自問自答する」という箇所を読んでハッとしました。


こんな格好で本を読んでます

 わたしは、2011年太平洋航海の時に乗った、回航も視野に入れてデザインされた46フィートのベンガル7(Ohashi 46)の快適さに慣れてしまったあまり、新しい54フィート、ベンガル7(Humphreys54)での生活の不便さを46フィートと比較してはよく愚痴をこぼしてます。

 でも、日本〜シドニー〜ウェリントン〜タヒチ〜ハワイと10000マイル以上もの間、激しいピッチングやヒールに耐え、安全にクルーを乗せて運んでくれているので、もっともっと感謝しなきゃなぁ、と。

 考えてみれば、乗っている日数もマイル数も、わたしにとっては、46よりも54と過ごしている時間の方がもう上回ってます。もっとかわいがります。

 堀江さんは何千回と「太平洋を渡った動機は?」という質問を周りの人から繰り返し受けたといいます。その答えは「わたりたいから、わたった」。で、周りの人はこんな漠然とした答えじゃ納得しない、と。でもなんかわかる気がします。「渡ってみたかったから」それだけ。

 船酔いひどい時は最悪だし、ヒマなときはヒマすぎるし、お風呂に何週間も入れないし。2年前に渡って満足したはずなのに、でもまた懲りずに乗ったのはなんでだろう、と考えると、結局わたしも同じかも。「また渡りたかったから」。

 掘り下げれば細かい理由はいくつでもあるかもしれないけども。強いて言えば「陸にいると自分が主役になりがちだけど、海をヨットで渡ってると地球の一部として生きてる感じがするから、自分にとって自然な感じがするから」。なんかかっこいく聞こえますね(笑)。

 それから、いろんな国の人に会ったり文化に触れたりするのが好き、という観点からいうと、海からその土地に入ると、空路で入るよりも、その土地の文化や土地に自然に溶け込める気がする、というのも1つの魅力かなぁ。

 何度も太平洋横断を繰り返す理由は? と堀江さんにも聞いてみたいです。


View Bengal7_5 in a larger map
ベンガルの現在位置です

6月9日『風がないし、鳥もいない。魚もいそうにない』

 風がなぁ〜い。相変わらずプロペラぶん回してます。風向は南から東に回り今は北。明日には20ノット前後に上がるのかな? のんびり料理に時間かけていられるのも今日までかな。

 昨日は、目的地と同緯度通過と1000マイル達成を(強制的に)記念して、昼ごはんはおいなりさんと巻きずし、そして若竹煮、夜ごはんはクリームソースの全粒粉フェットチーネとオイルサーディンホイル焼き、そして赤ワインでお祝いしました。

 艇速的にはケンケン流しに最適なのですが、なんせ魚いそうな気配がまったくありません。鳥もほとんどなし。カツオの冠もみかけず。トビウオもまれ。でもとりあえず流してみようかな。

 髪を洗いたいけど、風が冷たいので迷い中。日差しはぽかぽかなんだけどね。


1000マイル達成を記念して強制パーティーです!

◎ベンガル・デリバリーレポート
(30)太平洋の船の上で天気の勉強しています
(29)ベンガル、ただいまハワイから北上してます
(28)太平洋横断中!ベンガルレポート再開です
(27)知ってる?ハワイのラビットアイランドレース
(26)ベンガル回航チーム任務完了!一旦解散です
(25)ハワイはいいわー。到着した時の写真を紹介
(24)アロ〜ハ!ワイキキヨットクラブに到着!
(23)ハワイ沖、野生の鳥がヨットにぶつかるなんて
(22)到着は16日? ハワイまで1000マイルです!
(21)恐怖! 飛んできたイカが目に突き刺さる?
(20)赤道通過直前、カツオを釣り上げた!
(19)ベンガル、晴れ空の下、水虫の薬を研究する
(18)タヒチ出港。2400マイル先のハワイへGO!
(17)入国手続に手間取り…。パペーテのベンガル
(16)楽園タヒチ、18日ぶりの上陸を満喫します!
(15)ついに到着目前、タヒチが見えてきたぜっ!
(14)ベンガル南太平洋北上。キャビンがムシムシ
(13)バンザイ!タヒチまで1000マイル切りました
(12)南太平洋上、雨水を貯めてシャワーを浴びる
(11)夜空の星座を眺めながら今の自分を考えた
(10)マグロを釣る夢を見て、よだれを垂らす
(9)ヨットの上で、地球って不思議だなぁと思う
(8)イルカの群れと走り、満点の星空を眺める
(7)次はタヒチへ。ベンガル、再び出港準備です
(6)ニュージーランドで温泉を探す旅に出る
(5)ウェリントンのチャファーズマリーナ
(4)1200マイル走破!ウェリントン到着しました
(3)シドニー沖。荒れた海でクジラと接近遭遇
(2)シドニー最後の夕日は、きれいでした
(1)出港直前。ベンガル回航一座、出港準備です
(0)南太平洋デリバリーレポートはじまります!

======================================
わたしたちは走り続けるセーラーを応援します
BULKHEAD magazine supported by
パフォーマンス セイルクラフト ジャパン
SAILFAST
ウルマンセイルスジャパン
丸玉運送
ノースセールジャパン
フッドセイルメイカースジャパン
アビームコンサルティング
トーヨーアサノ
コスモマリン
Gill Japan/フォーチュン
JIB
一点鐘
VELOCITEK
エイ・シー・ティー
ハーケンジャパン
ファクトリーゼロ
CATEGORY:  NEWSOFFSHORESPECIAL

INFORMATION