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福岡全日本インカレ 展望と解説(470級)

 今年も全日本インカレの季節がやってきました。この大会は学生ヨット部生活4年間の集大成であり、現在選手たちは続々と開催地・福岡小戸へ移動を始めています。今回も全日本インカレを占う、外道無量院さんと生ちゃんのコンビによる「展望と解説」をお届けします。が、しょっぱなから外道無量院さんの衝撃発表で始まりました。なんと!(BHM編集部)

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福岡で開催される全日本インカレ。バルクヘッドマガジンは今年も全日程完全取材を敢行します。写真は昨年西宮大会より。お楽しみに

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外道無量院
 学生ヨットの総決算、「第79回全日本学生ヨット選手権」が10月31〜11月3日、福岡県福岡市立小戸ヨットハーバーで開催される。今回も生ちゃんとの対談を通して、優勝を争う有力チームを挙げながら展望と解説をしていこう。

 今年は、約半世紀ぶりに月刊「舵」11月号で全日本インカレの事前特集記事が掲載された。数年前から女子インの記事が復活するとともに、有力大学チームの取材記事が載るようになり、7年前から書いている私の拙文も少しづつではあるがようやくヨット界を動かすことができたようだ。

 生ちゃんという立派な後継者も育ち、これで、充分に私の役目も終えたと判断し、

『今年の投稿を以て引退を決意した』

 それでは、生ちゃん、最後なのでお互いに気合いを入れて書こうじゃないか!

生ちゃん
 えええ!? なんとなくそんな予感はしておりましたが、本当に辞めちゃうのですか?

 私も外道さんにならい、ここ3年近く様々なことに取り組んできた訳ですが、昨年の西宮全日本インカレでの情報量の多さ。今年に入れば、江の島インターハイにおけるあの情報提供は、まさに完璧でした。

 全日本個人戦でも中部学連は着順速報を実施したし、ようやく関東学連も全日本女子インカレ・関東インカレにおいて内容はともかく、情報提供しようとする姿勢には、非常にうれしく思いました。 あとは「ネット中継」や、各マスコミ媒体に対し、いかに取り上げてもらうのか? ですよね。

 ここまでになれば、もう私の出番はありません(笑)外道さん同様、学連レースは最後にしたいと思っております。元々私のブログは、あまり雑誌にも取り上げられない「高校生」を応援する意味で始めました。

 もう一度原点に返って、そちらのコンテンツを充実させることと、「主要大会の記録」をまとめていきたいと思います。そのうち必ず役に立つと思いますので…。

外道無量院
 生ちゃんは私よりひと回り以上も若いんだから、もう少し頑張ってくれ。まだまだ引退には早い!

 これを書き始めた7年前、既に世間では「情報過多」の時代になりながら、なぜか大学ヨット界では「情報が無い」という声を行く先々で良く聞いた。

 全日本に行っても誰が速いのか、誰が自分の敵なのか、自分の力量はどの程度の位置づけなのかなど全く分からないで戦うような前時代的な雰囲気であったのだ。

 強豪に憶することは無い。しかし、敵と自分との力量をある程度把握していれば戦い方も変わって当然なのである。

「敵を知り 己を知れば 百戦危うからず」

 そういう他の競技では当たり前の事が決定的に不足していると感じた。この点についてもかなり改善できた事は間違いないだろう。その証拠に『目標は完全優勝!』という口を揃えて言っていたセリフが、最近はめっきりと減ってしまったような気もする。

 「薬」が効きすぎたかな? さて、それでは読者諸兄、今年も覚悟して読んでくれ!

『全日本インカレ 展望と解説 470級』
外道無量院

 春の時点でランキングトップと評価した同志社大。一昨年来のレギュラー・村田俊彦(3年・福岡第一)、準レギュラー格だった徳重樹(4年・中村三陽)、入学後に即レギュラーとなった渡辺駿(1年・中村三陽)に加え、個選出場や女子インで健闘を見せた平野若菜(2年・長崎工業)が控えるスキッパー陣。

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優勝候補の同志社470チーム

 エースクルー・西野裕太朗(4年・清風)を筆頭に、山下剛(3年・清風)、二井俊次(4年・豊中)ら180㎝級の長身クルーや、原あやみ(4年・同志社女子)や金咲和歌子(4年・小林聖心女子)という充分に戦力となる160㎝級の軽量女子クルーも揃える。今年は風域によって使い分けも出来る豊富なクルー陣を揃えているのも強みだ。

 昨年のクラス王者ながら、個人戦の不調からか「舵」の特集記事では無印扱いに近いが、私は間違いなく有力な優勝候補の一角と見る。

 何と言っても伝統的にインカレでの「試合巧者」ぶりが健在だ。確かにエース格の村田艇やルーキー渡辺艇の個選予選での落選はショックだったろうし、今年の夏は特にホームの琵琶湖の藻の状態が練習もままならぬ程にひどかったようで、学生ヨットとしては最重要な期間である夏休み中のトレーニング内容が気になる不安材料ではある。

 終わったばかりの長崎国体にレギュラークラスが何人か出ていたが、早稲田の岡田が優勝、日経の磯崎が準優勝という派手な活躍をしたのと対照的に、ほぼ全滅。まあ、国体は各々のモチベーションやクルー・艇も違うし、これでさらに人気を落とすようならギャンブルなら面白いのだが…。私は、しかし逆に、順調過ぎた春シーズンの反動と考えている。

 特に470レギュラー格2艇の個人戦落選は、入学早々からレギュラーを手中にし、天狗になりかけた両名のスキッパーにつけるには良い薬になったと想像するのだ。。監督・コーチ陣はもちろん、他にもここは「うるさ型」のOBが多数揃っており、相当にお灸をすえられた事だろう。

 クラス連覇とともに総合3連覇が掛かる今回、例年以上に近北インカレ後の9〜10月の期間にはキッチリと仕上げ、本番へ向けてのコンディショニングからインカレ独自の入り方・戦い方まで含め、抜かりなく準備してくるだろう。

 昨年秋のオリンピックウィークで、江の島に遠征してきた同志社は470もスナイプも散々だった。あれを目の当たりにして評価を下げてだまされた苦い記憶もある。

 不安材料は杞憂に終わらせてくれると思うのだが、生ちゃんはどう見る?

生ちゃん
 はい、昨年もあまり評価は高くなかったですけども、優勝しましたよね。「腐っても鯛」じゃないですが、団体戦になればやはり同志社は強いですよ。DNFが大量に出たレースでもきっちり3艇フィニッシュした所が、さすがだと思いましたし、力的に見ても昨年と遜色ないでしょう?

 今年もそのような戦い方をするでしょうし、十分優勝候補に推せますよね。ただ、レギュラー全員が出場した長崎国体では、散々たる成績だったのは少し心配されるところではありますが…。

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力は優勝候補筆頭。日経大のエース・磯崎/津留

外道無量院
 春は同2位と評価した日経大。エーススキッパー・磯崎哲也(4年・福岡第一)は、不動の九州王者の地位を一度も渡していない。2番艇スキッパー・濱本唯人(3年・長崎鶴洋)は全日本個人戦3位とこの1年で最も伸びた選手の一人だろう。クルー陣も津留健(4年・福岡水産)、中川大河(3年・星林)、畑山絵里(4年・星林)と技術・経験共に不安はない。

 しかし、唯一の心配材料は、3番艇のスキッパー・山本佑莉(2年・邑久)だ。個人戦・女子インでは共に前半には好走したものの、後半に入って急激に失速するという似たような傾向を見せた。今大会、個人戦/女子インより長丁場の4日間、果たして最後まで戦いきれるのか。地元開催でもある日経大に関しての生ちゃんの見解は?

生ちゃん
 はい、確かに3艇で見た場合だと、昨年までの状況とは若干違いますよね。問題は3番艇の山本だと思いますが、磯崎・濱本どちらかが引っ張るレースなら実力を発揮できるかと思います。

 実際女子インカレではシリーズリーダーだった訳ですから、それができれば優勝には一番近いかと…。しかし、昨年も順風域以下ではエース土居以外苦戦してしまったように、今年もその点は不安があります。

外道無量院
 春インカレでは日大に敗れたものの、関東最上位のランキング3位と評価した早稲田。期待通りに秋の関東インカレでは2度の英語に苦しみながらも、1・2・3のパーフェクトを含んで内容的には圧勝であった。

 個人戦チャンプのタイトルを手にした小泉颯作(3年・光)、岡田奎樹(1年・唐津西)、山口優(4年・唐津西)のスキッパー陣は何れもタレント揃い。クルー陣も江畑陽太(4年・浅野)、原海志(3年・早実)、永松瀬羅(2年・別府青山)と良く鍛えられている。風域的にも適応力があり、吹いても吹かなくても3艇とも安定して上位に入る力を有している。

 心配なのは今シーズンは大事な場面で度々出る「英語」か?

 特に、事前の点検・整備不良によるギアトラブルほど馬鹿バカしいものはない。しかし、考えようによってはそれでも勝ちきるのは実力の証明。それが本番前に出たのは逆に幸運かも知れない。コーチ時代に総合3連覇を達成した関口功志氏が今期から監督に就任した。本番にはそのあたりを抜かりなく準備してくるだろう。

 生ちゃんから見て、早稲田の470はどのような評価かな?

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早稲田のエース小泉/江畑ペア、初の470クラス優勝へ導けるのか?

生ちゃん
 早稲田は元々春も力的にみても最上位でしたから、関東インカレでも勝って当たり前だと私は思っておりました。ただ今回の勝ち方はただ強いの一言でしたよね。

 個人戦チャンプ小泉は語るまでもないくらい強い。また特にルーキー岡田は今回はトラブルRETがあったものの、まず英語はつけないレースをします。しかも上位で安定、さらには長崎国体でも最年少優勝の快挙を達成しております。やはりタダ者ではないし、高校時代と比べても大きく成長しているのがわかります。

 また山口優についても女子インカレではリコールしてしまいましたけど、関東インカレでは英語なし。大分余裕のある表情にもなったし、役者は揃ったと言えるのではないでしょうか?

 トータル的にみても十分優勝候補だと思います。

外道無量院
 次に春の勝手ランキングで上位に取り上げた日大、九州大、関西学院については生ちゃんから先にコメントしてくれ。特に、1、2番艇については、早稲田にも勝るとも劣らない走りを見せながら、関東4位と期待を裏切った日大。逆に課題が鮮明になったとも言えるので、残る1か月で劇的な改善策はないのだろうか?

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日大のエース中村/木村ペア。個人成績トップの艇が存在するのだから、まだまだ策はあるはずなのだが…

生ちゃん
 はい、まず日大については関東インカレでは懸念材料だった3番艇が全く機能せず、全日本へ向けて思わぬ不安材料ができてしまった。しかしながらエース中村睦宏(4年・中村学園三陽)は個人成績トップ、2番艇玉山千登(2年・中村学園三陽)は安定した成績であり、3番艇がある程度走れば何にも問題ないはずだと思います。ただその3番艇をどうするのか? さすがに渡邉整市監督も黙ってはいないでしょう。

 何らかの秘策は用意されているとは思います。その3番艇次第では十分優勝候補に浮上するのではないでしょうか。

外道無量院
 私から見ると、エースクルーと思われる木村直矢(1年・霞ヶ浦)を3番艇に配するとか、スキッパー交代以外にも打つ手もあったように思えたのだが…。何れにせよ、名門・日大としては、本番までには何かしらの対策を打ってくるのは間違いないだろうな。

生ちゃん
 その通りですよね。確かにクルーの起用方法にも問題はあるかと思います。しかしながら春以降、色々と計算が狂ってしまったのは事実でしょうね。

 次に九州大ですが、着々と力をつけ、昨年もリコールがなければ、入賞できた位、力はある。今年こそは入賞しなくてはならないだろう。全日本個人戦4位入賞の北詰有人(4年・逗子開成)や、昨年全日本個人戦4位の田中航輝(3年・清風)と実力あるスキッパー陣に加え、田中神風(3年・修猷館)の布陣だと思われるが、ここも3番艇に若干不安があるものの、北詰・田中どちらかが援護していけば入賞はもちろん、優勝まで狙えるのではないでしょうか?

外道無量院
 今回は地元開催という事もあるだろうが、実力と経験、そして実績を有した選手が揃っているので、OB会も相当に盛り上がっているらしい。2年前に指摘した「艇」の問題も解決済みだ。ただ、夏を迎える前に「最後の決め手」としてアドバイスしたことが実践できていないのが少し引っ掛かる。

 それを裏付けるように、水域内では日経大に一度も勝てていない。クラス6位入賞の可能性は高いだろうが、総合でも入賞以上までをと考えると、少なくとも470は優勝争いに加わることが条件だ。半世紀振りのチャンスだと思うので、がんばって優勝争いして欲しいものだが…。

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年々力をつけてきている九州大に注目。写真は北詰艇

生ちゃん
 現在、国立大ナンバー1ですからね。まずは(最低でも)クラス入賞は達成して欲しいものです。

 さて、昨年は個人戦優勝者を出したものの、団体戦では6位入賞に留まった関西学院。関西インカレでは圧勝したものの、全日本個人戦の成績を見る限りでは、昨年より若干劣るのかもしれない。

 しかしながらスキッパー陣をみれば、エース神木 聖(3年・芦屋)、全日本女子インカレチャンピオン松浦朋美(3年・長崎工業)、一昨年インターハイソロ優勝の藤本智貴(2年・関西学院高等部)と若い布陣ではあるが、実績ある選手揃いである。

 全日本個人戦でも目立ちはしなかったが、上位と遜色ない点数で抑えている。インカレ必勝パターンの安定したスコアができたなら優勝できる力はあるのではないでしょうか?

外道無量院
 関学に関しての昨年は、逆に地元開催が裏目に出たようだ。関東での慶應と同様に、部員数、そして高校以前からの経験者が多く、持ち駒の数は多い。付属・系属の高校ヨット部の強化が大学強化につながっているのも共通点。

 だが逆にシーズン後半になっても「焦点」を絞れないまま本番を終わってまう恐れもある。他の多くの大学ヨット部からすれば贅沢な悩みではあるが、部員が多ければ、それなりの今までの小所帯の頃とは違う様々な運営方法も必要なのだろう。

 もちろん他のヨット部には参考例がない。そこで他の部員が多い体育会競技部の運営を参考にしてみたらどうだろうか。20名に満たない少ない部員数だった2007年、30名程の中所帯となった2011年に2度の470クラス優勝を達成している。

 大所帯になった現在に再現できない道理はない。何と言っても、日経大(第一経済大、福岡経済大)が2003年に全日本インカレ・470クラスに参戦以来、彼らを破ってクラス優勝したのは、この関学の2回と、2005年の日大、そして昨年2013年の同志社の各1回だけだ。

 さて、「6位入賞」と同じ数だけはすでに挙ってしまったが、「大穴」の可能性を秘めているのが慶應義塾と明海大だろう。

 台風接近で2日間で10レース実施と、コースは短いながらも強風から軽風まで、ほぼオールラウンドな条件で行われた関東インカレにおいて、慶應は前半戦、明海は中盤から最終レース前まで首位に立つという「見せ場」は作った。

 慶應について言うと、春から個人戦まで厳しい表現をすれば、「アタマ数は揃っているがドングリの背比べ」、というレギュラー3艇のメンバーを固定できないような状態に見受けられたのだが、関東インカレでは第8レースで2回目の英語を出した3番艇のスキッパーを第9、第10レースで代えた以外は固定できた。これだけでも相当な進化だ。

 さらに、第9、第10レースで代わって出たのが、昨年来のレギュラーで、春シーズンまでエース格だった樫本真徳(4年・塾高)というのも、チーム全体が底上げできた証拠だ。

 本番でも、樋口舵(2年・塾高)/成川健一(3年・逗子開成)、長堀友香(3年・青山学院)/鳥羽雄太(2年・塾高)、中嶋颯(2年・塾高)/冨田弘之(4年・塾高)をベースに、前述の樫本をいつでも「ジョーカー」で使えるという布陣で固定して戦えるようなら、台風の目というか、「大穴」の予感がしないではない。

 結果的には2発の英語に沈んだ慶應とは対照的に、明海は春インカレに続いてこの関東インカレも英語なしで終えた。関東3強の早慶日が次々と英語で自滅している中、シリーズ中盤で首位に立つと、最終の第10レース開始前まではそれを守り続ける健闘を見せた。

 國府田監督と親交が深い生ちゃん、慶應、明海についての見解を聞かせてくれ。

生ちゃん
 慶應は関東インカレでは本当に良かったですよね。見せ場は十分にありました。ただ、元々メンバーは揃っていた訳ですから、当然の結果だったのかもしれないですけどね。練習での面白い取り組みも効果が出てきたのだと思います。実際、全日本女子インカレでも長堀/武井が準優勝したように、結果も良いです。レース内容次第では優勝も狙える状況にはなったと思います。

 明海については、風域に応じてクルーを交代させるなど様々な策を講じ、良いレースを見せてくれたと思います。最終レースで逆転されたのは力負け。これは致し方ないでしょう。

 しかし英語をつけないレースを心がけているのは本当に立派。力だって決して劣る訳ではない。実際、関東インカレでもエース・又村あすか(4年・大湊)は個人成績2位ですし、2番艇の林 優季(2年・羽咋工業)も安定してきており、3番艇の鈴木祐哉(2年・海津明誠)も力はある。

 周りに惑わされることなく自分達のレースができれば、昨年のスナイプ優勝みたいなことはあるのかもしれない。チャンスは十分あるかと思います。

外道無量院
 明海大は期待するとダメで、期待していないと走る(笑)。まあ、個人的には、「関東の日経大的存在となる」と、だいぶ前から注目しているチームなので、今年も伝統校や日経大に一泡吹かせる場面を期待したい。

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参考図1・全日本インカレにおける優勝スコアと1レース平均得点

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参考図2・全日本インカレにおける6位入賞と1レース平均得点

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参考図3・470級導入以降の全日本インカレ小戸開催での優勝校

 さて、それでは結論だ。

外道無量院のまとめ
◎・・・・・同志社大
〇・・・・・早稲田大
▲・・・・・日本経済大
△・・・・・関西学院大
△・・・・・九州大
△・・・・・日本大
大穴・・・・慶應義塾大
注・・・・・明海大

 今年は「3番艇に悩みあり」のチームが多く、混戦模様。その中で、レギュラー艇のうちの2艇が水域での個人戦予選敗退で一挙に評価を下げた同志社だが、前述したとおり、私はそれが逆に「良い薬」となったと見て、穴狙いになるが敢えて本命に推す。「力が同じ3艇を揃える」というメリットを伝統のインカレ巧者が最大限に生かしての連覇の可能性は充分だ。

 そして対抗は、早稲田大。こちらも3艇の力が揃っているという事から、2008〜2010年の総合3連覇中でもなかった初の470でのクラス優勝まであり得る力を秘めていると見た。何となく伸び悩んでいるのかと心配していたスーパールーキー岡田も、国体優勝で一皮むけた印象だ。ただ、怖いのは今シーズンに勝負所で度々出てしまう「英語」。トラブルなく3艇が走り切れれば、力的には最上位のものを持っていそうだ。

 日経大は個人戦、女子インの結果から、どうしても3番艇の後半戦の戦い振りに不安ありと見て単穴評価とした。次に春シーズン、遭難騒ぎのアクシデントが尾を引いた練習不足からかパッとしなかった関学大。女子イン優勝で勢いが付けば爆発もあり得るか。さらに日経大と同じく3番艇さえ何とか出来れば優勝争いは必至の力を有する九大と日大、そして春とは見違えるようにレギュラー陣が固定出来た慶應義塾と手堅い戦い方が板に付いて来た明海大までの8チームで優勝争いが展開されるのは間違いない。

生ちゃんは?

生ちゃんのまとめ
◎・・・・・早稲田大
○・・・・・日本経済大
▲・・・・・同志社大
△・・・・・関西学院大
△・・・・・九州大
△・・・・・日本大
△・・・・・明海大
注・・・・・慶應義塾大

 う〜ん、非常に難しいですよね、ちょっと困りました(笑)。外道さんの仰るとおり、8校の争いとなりそう。実際全日本個人戦のデーターからみると(3艇揃っているチームのみ・全レースカウント)

1. 早稲田 262
2. 日経大 267
3. 関学大 351  
4. 日本大 412
5. 慶應 490

 となり、力量は早稲田と日経大が抜けているのが判る。従って私は関東インカレの状況を加味して早稲田を本命。日経大を対抗とさせて頂きました。同志社は評価はしにくいが、エース村田を中心に策のあるレースをみせてくれるとみて単穴。九大・関学・日大・明海は3番艇などの問題が出なければ上位浮上の力があり、優勝まで十分にあり得る。また、DNFなどの英語が付く難しいレースになった場合の条件付きだが、慶應も決して侮れないでしょう。

※スナイプへ続く

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