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東京五輪へ向かう海外サーキット開始。ワールドカップ・マイアミ開幕!

 1月24から29日まで、米マイアミ・ココナッツグローブでワールドカップ・マイアミ大会が開催されます。2017年度ワールドカップ初戦となるマイアミに、44カ国400人以上のセーラーが集まりました。(BHM編集部)

World Sailing's 2017 World Cup Series Miami 2017
マイアミ・ビスケイ湾に五輪10種目が集まりました。最終メダルレースは49er、FX、RS:X、ナクラ17が土曜日に、470、レーザー、フィンは土曜日に行われます

 2017年度のW杯は、マイアミ、イエール(フランス)、サンタンデール(スペイン)の3大会が予定されています(10月の蒲郡大会は2018年度シリーズに組み込まれています)。

 W杯は東京五輪までの流れの中で、世界を転戦しながら全五輪種目が戦う舞台です。このW杯や各クラス協会主催の国際大会の結果は、五輪代表、そしてメダル獲得を占う重要な要素になります。

 エントリーしている日本選手は次のとおり。470級男子には7チームが出場していて、大会初日を終えて1-4位を取った土居一斗/木村直矢(アビームコンサルティング/日本大学、Rev’S Yamaha Sailing Team)が首位に立ちました。

470級男子
 今村 亮/外薗潤平
 市野直毅/長谷川 孝
 土居一斗/木村直矢
 磯崎哲也/高柳 彬
 小泉颯作/野田友哉
 神木 聖/疋田大晟
 高山大智/今村公彦
レーザー級
 瀬川和正
RS:X級男子
 池田健星
 富澤 慎
RS:X級女子
 伊勢田 愛
49erFX級
 波多江慶/板倉広佳
レーザーラジアル級
 土居愛実

World Sailing's 2017 World Cup Series Miami 2017
広々としたココナッツグローブのボートパーク

World Sailing's 2017 World Cup Series Miami 2017
26艇出場する470級男子で初日トップに立った土居一斗/木村直矢

【コラム】ワールドカップの現状を踏まえて観戦する

 セーリング競技の本陣、国際組織のワールドセーリングは、トップセーラーに焦点を当て、W杯をプロサーキット化。少数精鋭(参加資格を持つ選手だけが出場できる)による賞金レースを作り、動画コンテンツを各国へ販売するなどで、セーリングをスポーツイベントとして成立させたい、という希望があります。

 しかし、ロンドンからリオまでは、W杯が混乱を招いたのも事実でした。W杯の開催数が多かったこと、また他の国際大会と連携がとれていなかったことから、選手、ボートの移動、準備がむずかしい状況となりました(アブダビや中国青島で開催されたこと。五輪が南米大陸で開催されたことも理由でした)。

 結局、規定に沿った出場資格を持つ選手は集まらず、さらに出場枠を広げた結果、「だれでも参加可能なW杯」となり、それでもフルエントリーに至らないという残念な結果になりました。

 そのためリオから東京までのW杯を「このようなセーリング・イベントになる」と予想できないあいまいな部分を感じています。実際に一見、華やかに見えるW杯ですが、世界から注目を集めているのかといえば、そうではありません。

 昨年末のメルボルン大会は、参加艇が非常に少なく、おこなわれたメダルレース中継(YOUTUBE)は、ライブで見ていた視聴者数が世界で40人程度しかいなかった、という悲しい現実がありました。当然、こうしたマイナス要素をワールドセーリングは発表しません。

 セーリングのプロスポーツ化を目指すワールドセーリングと、五輪を目指す選手の考えには違いがあります。選手たちは、限られた時間のなかで成長するためにW杯に出ることは必須ですが、W杯のプライオリティをナンバーワンにするのかといえば、そうではありません。

 また、2020年が近くなると参加、不参加も五輪本番を意識した戦略になってきます(リオ五輪前は、トップ選手がW杯に出場せず別行動を取ることが多かった)。

 編集長が、W杯で注目しているのは、ヨットレースの内容(出場選手、レースコンディション、最終成績までの流れ等)です。ただし、1度の大会の結果で答えがだせるほど、シンプルでないことも承知しています。中、長期スパン、また、視野を広げて見なければ、本質が見えてこないかもしれません。

 W杯では、あらたにSAP社によるセーリング解析(https://www.sapsailing.com/)が導入されているので、トラッキングデータと合わせれば、陸上にいながらレースの様子が手に取るように分かります。

 トラッキングや解析等のレース状況を見ながら、そして、ワールドカップの表側と裏側を想像しつつ観戦すると、別の見方ができておもしろいかもしれません。

World Sailing's 2017 World Cup Series Miami 2017
五輪金メダル×2、銀メダル×2、銅メダル×1を持つ世界のトップセーラー、ロバート・シェイド(BRA)は49er級に挑戦です

Olympics Day 11 - Sailing
北京五輪ラジアル級で金メダルを獲得したアンナ・タニクリフ(USA)が本大会から復帰する予定でしたが、世界アンチドーピング機関(WADA)からの正式許可が得られず、出場は見送られました。彼女は五輪活動後、フィットネス競技のクロスフィットで活躍しています。正式な復帰は7月になるとのこと。photo by world sailing

◎セーリングワールドカップ 2017〜2020年 スケジュール
2017年 1月 アメリカ・マイアミ
2017年 4月 フランス・イエール
2017年 6月 【最終戦】スペイン・サンタンデール

2017年 10月15〜22日 蒲郡・豊田自動織機 海陽ヨットハーバー
2018年 1月 アメリカ・マイアミ
2018年 4月 フランス・イエール
2018年 6月or7月 【最終戦】ドイツ・キール

2018年 10月 江の島ヨットハーバー
2019年 1月 アメリカ・マイアミ
2019年 5月or6月 ヨーロッパ戦(時期場所未発表)
2019年 6月or7月 【最終戦】ドイツ・キール

2019年 10月 江の島ヨットハーバー
2020年 1月 アメリカ・マイアミ
2020年 5月or6月 ヨーロッパ戦(時期場所未発表)
2020年 7月 【最終戦】江の島ヨットハーバー

◎World Cup Series Miami
http://miami.ussailing.org/

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