Loading

ヨットレース繁盛記。ガテン系セーリング?

 6月梅雨本番。ジメジメ感全開ながらも台風が来たり、前線が消えたり、突然梅雨明けのような青空が顔を出したり、読めない天気が続いています。6月16日、葉山で開催されたクラブレースはブイまわりレースではなく、葉山から茅ヶ崎沖の烏帽子岩を回航するコースです。わが連載の主役、ホビーホーク号(YAMAHA30SN)と仲間たちはピクニック気分でウキウキ出かけました。(BHM編集部)


梅雨明けのような青空が広がりました!レース終わった後ですけど。photo by HobbyHawk

連載ヨットレース繁盛記!ドタバタ編
「第3回 小田切杯」

 前回の強風レースで吹っ飛んだり、千切れたり、壊れたりしたところもレースの合間になんとか修理完了。今週はクラブレース「小田切杯」です。そして天気は雨。今までチャラチャラしてた梅雨前線もやっとこさ本気を出したようで、雨粒も一生懸命降ってます。そんなあいにくの天気だけど、ちょっと烏帽子岩までピクニックレースに行ってきました!(文/石丸寿美子)

 参加艇は26艇、モデラートクラスも合わせると総勢34艇とにぎやかです。HMYCのクラブレースは当日エントリーなのですが、自分もそうだけど、どうやらお天気と参加艇数には相関関係はないみたいです。そして予報では、雨ベタとか不吉なことを言っていましたが、スタートエリアに行ってみると、そこそこイイ風が吹いています。ヤッホゥ! とりあえず雨ベタは免れました!

 北〜北東の風、烏帽子岩まではスタボーの横っ走りです。大型艇巨大ジェネカーのブランケだけは避けたいので、できるだけ風上寄りでスタートしたいところです。なんとか隙間を見つけて滑り込み、まずまずの位置でスタート。イメージ的には、即ジェネカーアップして、ジャーっと走り出す…、予定でしたが、ハリヤードがあがりきらず、ちょっとモタモタしてしまいました。


今回のクラブレースは通常クラスに加えて、モデラートクラスもおこなわれました。総勢34艇。スタートの位置取りはシビアで大混雑です

気温が高くてムシムシ。スチームサウナみたいでやせるかも!

 AWA(編注:アパレントウインドアングル)はやや前で、スピンでは厳しく、ジェネカーでギリギリの角度です。10ノット程の順風、パツパツのタイトリーチだったのでウェザーがかーなりきつく、なんだかセーリングというよりは、重機を操縦する肉体労働者のような感じ。

 ブローが入るとおっとっと! となるので必死です。気温が高くムシムシなので、カッパの中は、早くもスチームサウナみたいになってます。やせるかも〜!本日、クルーメガ盛りの9名です。ブローが入るとスーパーハイクアウトでガッツリ起こしてくれるので、江の島まで大きいフネをまくりながらグイグイ走ります。

 烏帽子岩が見えてきました。いつもは江の島に差し掛かる頃に風が怪しくなり、ピットストップが常だけど、今日は風がそこそこあったおかげで江の島のブランケもさほど影響なく早い展開です。

 江の島を境に風軸が真北になってきたので、ジェネカーをおろします。ジェネカー貯金ができたので前半はまずまずでした。5〜6艇と絡みながら烏帽子岩を回航。

 帰りは、フィニッシュへ向けるととアビームからクローズちょい落とし位の角度です。ジェネカーは無理なのでジェノアのアウターシーティング(編注:ジェノアのリーチを開かせるためにジブシートの取付位置を変更します)で最短を走ります。

 気づくと雨があがり、風が不安定になってきました。このまま弱くなるのかもしれないので、前半のジェネカー貯金でどこまで逃げ切れるかです。そして、フィニッシュラインが見えてきた頃には、案の定風が少しおちてきました。


茅ヶ崎沖にある烏帽子岩とはこんな場所です。江の島、逗子、葉山のセーラーには手頃な距離にあるのでよくクラブレースで使われています。ゴツゴツしていますが、場所によっては結構近くまで寄れちゃったります。photo by Junichi Hirai

ガテン系セーリング。ティラーがスコップがわりだぜ!

 クルーメガ盛りの〈ホビーホーク〉も少しずつモッチリした走りになってきて、カミへ行ったりシモへ行ったり移動が忙しくなってきました。格上のフネにはこのあたりで次々キャッチアップされます。

 今日は、微妙な角度やスピードを気にかけながらの、センシティブなセーリングではなく、終始ガテン系セーリングでした。ティラーがスコップがわりです! わはは。

 往復とも横っ走りだったこともあり、ほぼレーティング順にフィニッシュとなりました。〈ホビーホーク〉も12時36分に着順17位でフィニッシュです。

 修正秒はかなりの接戦で、ワンアクションのミスや大網をかわしたロス、風の高速レーンに微妙に乗り損ねた差だった感じです。ピクニックレースと言えども結果的にはかなり熱い戦いでした!

 成績は、26艇中、第10位。あとちょっとだったけどシングルならずー。むぅ…。でも、最後まで風落ちずに気持ちよく走れて楽しかったです! 優勝は、〈アルページ〉(Dufour34E)でした。得意な風、得意なコースでポテンシャルを最大限に生かした走りで速かったです!


優勝の〈アルページ〉。おめでとうございます!

 モデラートクラスも、それなりに経験豊富な昔鳴らした方々を中心に、26から41フィートの新艇まで様々な顔ぶれの8艇が参加。こちらも年間優勝を決めるので、勝ったー負けたーと密かに盛り上がりを見せています。

 パーティーでわいわい盛り上がっている最中、ふと空を見上げると、朝の雨がウソのような青空が広がっていました。思わず梅雨明け宣言! したくなるような空です。夏はもうすぐそこですね。これから相模湾はイベントが盛りだくさん。ますますにぎやかな季節を迎えます。

◎ヨットレース繁盛記
(12)「SHUGYOKU CUP」毛根から脂汗が噴出
(11)大島レース・後編
(10)大島レース・前編
(9)「京急カップ」春の珍事なのです
(8)「テーザースプリングレガッタ」春テーザーに久々参戦
(7)「SportsCode CUP」ブローチング祭りだ!
(6)「MUSTO CUP」春っていいよね!
(5)「HMYC会長杯」春の嵐で退散です
(4)「SAILRACING CUP」クラブレースで悲鳴
(3)「Sailors for the Sea Cup Clean Regatta」心臓が剛毛で覆われる
(2)「新春烏帽子岩レガッタ」烏帽子岩へゆく!
(1)新連載「ヨットレース繁盛記」スタート!

======================================
わたしたちは走り続けるセーラーを応援します
BULKHEAD magazine supported by
パフォーマンス セイルクラフト ジャパン
SAILFAST
ウルマンセイルスジャパン
丸玉運送
ノースセールジャパン
フッドセイルメイカースジャパン
アビームコンサルティング
トーヨーアサノ
コスモマリン
Gill Japan/フォーチュン
JIB
一点鐘
エイ・シー・ティー
ハーケンジャパン
ファクトリーゼロ
CATEGORY:  COLUMNINSHORENEWSSPECIAL