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HMYC道場門下生。心臓が剛毛で覆われる?

 冬の晴天に恵まれた日曜日の相模湾。葉山マリーナヨットクラブ(HMYC)では、2013年第3戦となるクラブレースがおこなわれました。コースは上下ブイまわり2本。今回のホビーホーク号は、期せずして「他力本願、漁夫の利」。ヨットレースならではの見事なマジックを見せてくれました。(BHM編集部。photos by O.Yuko


デイビット・ロックフェラー・ジュニアさんも〈O&S〉に乗ってレースに参加しました

ヨットレース繁盛記!ドタバタ編
HMYC Sailors for the Sea Cup -Clean Regatta

 立春おめでとうございます! 前日吹き荒れた南西風はすっかりおさまって、またまた気持ちのイイ晴天です。本日のクラブレースは、海洋環境保護に取り組むNPO法人“Sailors for the Sea”の協賛で、日本で初めてとなる「第1回 Sailors for the Sea Cup -Clean Regatta」です。いつものように〈ホビーホーク〉で参加しました。(文/石丸寿美子)

 今回は、なんと米国Sailors for the Sea代表であり、ロックフェラー財団代表で、ご自身もセーラーであるデイビット・ロックフェラー・ジュニア氏が来日して、一緒にクラブレースに参加するようです!

 そんなわけで、葉山マリーナは朝からカメラマンがいっぱい、プレスボートも出動して、葉山町長も駆けつけたりと、にわかに浮き足立っていますが、平静を装いつつ、いそいそとレース海面へ。


取材ボートも登場してレース海面は大賑わいです。カメラマンもいっぱい!


クラブレースの本部船は持ち回りで変わります。今回は〈プルメリア〉が担当しました

『バウマンの手がグーになってたけど、辛抱できず、はみ出す』

 参加艇は今回も大盛況の27艇。外来艇も、三崎から来てくれた〈ラッキーレディーVIII〉(Farr30)や〈写楽〉(N/M35)をはじめ4艇、マッチレース仕様のY30をチャーターしたチームが2艇と色々です。

 レース海面は、いまの所10ノット前後の順風、葉山の冬特有のフレフレ北東風です。

 第1レース、カミ寄りを狙います。1分前くらいから本部船付近が大混雑になります。バウマンの手がグーになっていたの知っていたけど、フネ止めておく辛抱が足りず…。周囲のフネと一緒にジワジワはみ出しましたたぶん。

 これはゼネリコになりました。引っ張ったかもしれません、ごめんなさい。バウマン曰く「2秒早かった」と。ふー、汗。仕切り直しのスタートはI旗があがります。このスタートも揉まれたけど、何とかシモにルームを作って走り出せました。

 風は徐々に東に振って、しぼんでいくパターンのようです。そして風とは逆の南から長〜い周期でうねりがやって来てお尻を押されます。うーん、コースも走らせ方も難易度高め。ティラーから伝わる感覚を頼りにツボを探りながら走らせます。


今回の〈ホビーホーク〉はスタートに悩まされたのでした

『即タックしたいけど、いろんなヒモが複雑な関係に陥って…』

 すでにかなりのスタボーロングなので、下マーク回航後は即タックしたいところだけど、えーとえーと、ちょっとワケありで、スピンで地引き網漁に出かけてみました。

 そしてその漁の影響で色々なヒモの具合? が悪くなってしまい、タックできずしばらく右海面へ。複雑な関係に陥ったヒモたちが、ようやく関係をきれいに清算できたところで、オーバーセール気味にタック。

 これでもう、失うものなくなりましたー! 先行する艇団が、上マーク付近でビッグヘッダーのビンタを食らっているのが後ろからは丸見えだったので、そのままオーバーセール気味に高さをキープしてアプローチします。

 これが奏功。全てのチョンボが帳消しになるくらいのごぼう抜きでフィニッシュです。27艇中着順10位、修正6位。おおお。レースは最後まで何が起こるかわかりません!

『スタートは、またもや大混戦。あわわわわ』

 続く第2レース、時折、南東が入ってくるようになったので、このまま南に振れ切るかと思ったけれど、結局また振れ戻し、安定するはずのないあやし〜い東っけの風でスタートです。

 小型艇にとってスタートの聖域であるところの本部船ぎわに、右狙いの大きいフネが入り混じり、またまたカミ側は大混戦。スペース足りず、身動き取れなくなったフネがメザシみたいにいっぱい並びました。〈ホビーホーク〉は一時、真ん中の小さいメザシになってしまい、あわわわわ、接触寸前! 髪の毛総立ち、毛根から脂汗ドバーーッと吹き出します。

 でもまあ、なんとかスタートします。きれいな風を求めて即タック。その後、大半のフネが右を伸ばしますが、カミマークに近づくにつれ、左から逗子湾ブローが降りてきているようなので左を伸ばします。これまでの所、まずまずの景色です。

 続くシモマークは団子状態で回航。みんなでキレイに回りたいところだけど、そうはならず、やっぱり修羅場となりました。

 マーク際ではじき出されたフネに、もう少しで、ホントにもう少しで突っ込みそうになったけど、何とか回避。またまた毛根から脂汗です。ふー。


HMYCクラブレースのマーク回航は真剣勝負の大混戦なのです

『皆さんスミマセン、ごぼう抜きアゲイン』

 回航の修羅場で脱落し、負け負けな感じを引きずりながらの2カミレグ。またしても、失うものがなくなってしまいましたー! そして、風が一段と頼りなくなってきました。

 右海面のデッドカームに捕まった艇団が、ずーっと、絵のように浮かんだままになっています。ほんの少しの場所の違いだけど、〈ホビーホーク〉は左のブローのエッジにうまく乗り続け、難なく最終カミマークを回航。

 絵になってた皆さんスミマセン、ごぼう抜きアゲインです。着順8位、修正7位。一時はドベに近かったのに、よくここまで挽回できたものです!

 本日は、7-6の13ポイントで総合4位、3位が外来艇だったため、クラブ成績は繰り上がりの3位です。片手シングルです、やった〜! 色々へっぽこだったけど、スーパーコースで挽回できました。タクティシャン様様、ありがとうございました!

 優勝は、1-1で〈エスプリ〉(Melges24)でした。第2レースは並居る俊足艇を押さえてのトップフィニッシュで、今年早くも2勝目。さすがです!

 きびしい混戦スタートや修羅場のマーク回航と、本当に毎回もみくちゃにされてかなり鍛えられます。HMYCクラブレース道場の門下生って感じでしょうか。まだまだチキンだけど、そのうち心臓が剛毛で覆われる日が来るかもしれません。


やった、3位だぜ! 写真はロックフェラーさんと〈ホビーホーク〉のおれたち。photo by Hobbyhawk

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