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チーム〈シエスタ〉がJ/70全米コリンシアンで準優勝

 我々シエスタチームは、9月16日〜19日にアメリカのマサチューセッツ州マーブルヘッドにあるイースタンヨットクラブで開催された『2021 J/70 Mustang Survival コリンシアン全米選手権』に出場しました。(レポート/今井信行 シエスタ)

普段はJ/24を中心にキールボートで活動するシエスタ。今回の遠征では、J/24全米、J/70コリンシアン全米を連続で出場しました

 今大会はコリンシアン・ナショナルとなっていて、出場するためには選手全員がISAFセーラー・クラシフィケーションでグループ1(アマチュア)に属していなければなりません。つまりノンプロの全米選手権となりますが、大会には先月行われたJ/70の世界選手権に出場し、更にはトップ10に入ったチームも何チームか出場しているため、ノンプロといえどもフリートのレベルとしてはとても高く、一瞬たりとも気の抜けないレースとなりました。

 コリンシアンの大会という事もあって、レース前日には各セールメーカーのコーチスタッフが参加してクリニックが開催されたり、朝とレース後のブリーフィングでもアドバイスを貰ったりすることができ、J/70のレースが今回初めてとなる我々にとってはとても有意義な内容となりました。

 レース海面の特徴としては潮の流れが速いため、風向によってチョッピーな波が立ちやすくボートスピードを維持して走らせる事が難しい海面でした。またレースでは陸風となったため、左右のどちらからブローが優勢なのかを見極める事が勝負の分かれ目となりました。

出場はアマチュアセーラーに限られるJ/70コリンシアン全米選手権。ISAFのセーラー・クラシフィケーションで管理されるシステムで、プロセーラーを制限する大会などでよく使われます

【初日 手堅いレース運びで首位発進】

 初日は平均10ノットで35~55度の振れ幅がある中で、3レースが実施され4-5-2の総合1位でのスタートとなりました。

 第1レースは本部船よりからグッドスタートを決めて、自分達が良いと判断する右海面へ向けてタックするポイントを探りながら展開をします。トップ集団が左エンドから返してきているのを確認してリーバウタックをしますが、バッドウェーブに叩かれて大きく失速してしまいました。

 そのため、自分達がトップ集団から落ちてしまい苦しいポジションとなりますが、なんとか食らい付いて1上マークを10位で回航します。その後ダウンウインドで、シフトとブローを上手く掴み5位で回航。2上では順位をキープして、最終のダウンウインドで1艇抜いて4位でフィニッシュとなりました。

 第2レースは左海面を選択し、混雑したアウターからのスタートを試みますがスタートで出遅れてしまいました。しかし、そこから上手く走れるポイントを見つけて苦しい位置ながらも自分達が予想していた左の風を掴みながら15位くらいで上マークを回航。

 その後、得意のダウンウインドで順位を上げる展開で前の集団を抜いて10位くらいで下マークを回航。2上では更に前の集団に追いつき、フィニッシュでは前の集団を抜き去り5位フィニッシュとなりました。

 第3レースは少し風が落ちて8ノット平均となりスタートをしました。スタート時には左に風が振り切っていたため、我々は次の風を掴むため右展開へ。予想通り右に振れ戻り右の良い風を受けて上マークへアプローチし3位で回航します。

 1下ではトップ艇に追いつきゲートマークをセパレートする形で左展開をします。2上では左から入るブローを掴みトップで回航しますが、フィニッシュでは抜き返されてしまい僅差で2位フィニッシュ。

 初日としては出来過ぎと感じるほどの内容となりました。手探りではありますが、ボートスピードもレースを追う毎に良くなり走り負けをする事はありませんでした。

【2日目 風が安定せずノーレース】

 2日目は曇天の空で終日風が弱い予報となっており、海上にて風待ちをしました。時折北東からそよそよと風が入ってきますが。20度程のシフトが続き安定した風が入らないためノーレースとなりました。レースが1日キャンセルになったため、最終日はレースの開始時間を早めて4レースを実施される事となりました。

和歌山を拠点とするシエスタチーム。2018年J/24世界選手権2位の実力チームです。本大会にはチャーター艇(J/70)で出場しました

【最終日 手堅く走りきり総合2位】

 最終日は北東から16〜5ノットに風が落ちていく中で4レースが実施され、2-6-6-14となり総合2位でレガッタを終えました。

 第4レースは苦しい位置からのスタートとなり、走れるポジションを探りながらの展開となりました。スタート後は少しずつ遅れていましたが、途中から左から入るブローをフレッシュで掴めるポジションに位置して上マークを10位で回航。その後はダウンウインドで5位に上げて、2上では左のブローを掴み切り3位まで順位を上げます。その後前の1艇を抜いて2位フィニッシュとなりました。

 第5レースはグッドスタートを決めて、左から入る風を掴み、4位で上マークを回航します。その後、ダウンウインドで2位に順位を上げて1上と同様に左の風を掴みに左展開をしますが、ここで右に20度以上シフトたため、2上を8位で回航。その後はフィニッシュライン手前でなんとか2艇を抜いて6位フィニッシュとなりました。

 第6レースは右展開をするため本部船からスタートをしますが、混戦に揉まれてしまいます。遅れながらもスタート後になんとか抜け出して予定通り右展開をして6位で上マークを回航。その後のダウンウインドでは、後続艇に行く手を阻まれてしまい順位を落としますが、再度2上で6位に順位を上げてそのままフィニッシュとなりました。

 第7レースは風が落ちて5ノット程の風となりスタートしました。グッドスタートを決めて艇団に対してどんどんバウを出す形で展開をしていきます。

 右海面に伸ばした船が風なく止まっていたため、左に残っている風をつかんで走りますが、右から20度振れた風がおりてきたため我々はかなり厳しいポジションになりました。挽回を試みますが、その後も風の振れは止まらず、1下と、2上のコースチェンジとなり前のフリートに追いつけずに14位でのフィニッシュとなりました。

 今回、初めてJ/70のレースに出場しましたが、ノンプロの大会といえど高いレベルのフリートでレースができ、その中でも手応えを感じる事ができたのは大きな収穫となりました。

 先週のJ/24の大会に続き2つのレガッタを通して入賞した事、チームの課題についてフォーカスしレース中に修正できた事も我々として良い経験となりました。

 次回は11月開催予定のJ/24全日本選手権を経て、来年アメリカテキサス(コーパスクリスティ)にて開催されるJ/24世界選手権に出場予定です。

2021 J/70 Mustang Survival コリンシアン全米選手権成績
2位を獲得したシエスタチーム。全員インカレでも活躍した選手たちです。右から中川大河(日本経済大卒)、和田大地(同志社大卒)、加藤文弥(早稲田大卒)、今井信行(同志社大卒)
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