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チーム〈シエスタ〉、J/24全米選手権で総合5位を獲得!

 我々シエスタチームは、9月9〜12日にアメリカのバーモント州コルチェスターにあるマレッツベイ・ボートクラブで開催された「2021 J/24全米選手権」に出場しました。(レポート/今井信行 シエスタ)

2018年世界選手権で2位を獲得したシエスタチームがアメリカへ遠征しています。先週はJ/24全米選手権、今週末はボストンのJ/70コリンシアン全米選手権に出場します

 今回、コロナ禍の中での遠征となり様々な障害がありましたが、感染対策を徹底した上で出場する事を決めました。

 大会の参加受付艇数は40艇までとなっていましたが、アメリカ39艇、メキシコ1艇、そして日本から1艇の合計41艇が出場する、日本では経験のできないフリートでのレースとなりました。

 レースエリアは山々に囲まれた湖のため、どこから吹いても風の強弱と振れ幅が大きいトリッキーなコンディションとなり、順位の入れ替わりが激しい難しいレース展開となりました。

 今大会は3日間で10レースを予定していたため、初日に4レース、2日目に4レース、3日目に2レースが実施されました。

【初日】第1レースでリコールするも順位をあげて総合8位へ

 初日は12〜16ノットで290〜320度の30度の振れ幅がある風の中、4レースおこなわれ23-4-2-16位の総合8位となりました。

 第1レースではリコールをしてしまい、解消した時には後ろに2艇しかいない苦しい状況となりましたが、各レグで目の前の船を1艇ずつ捉えていき23番まで挽回してフィニッシュとなりました。

 この1レース目のスタートの反省を活かして2レース目と3レース目はグッドスタートを決め、シフトを掴みながら自分達が良いと判断した海面に展開をして上位で1上マークを回航します。その後は風のシフトに対応しながら手堅いレース展開をしてフィニッシュ。

 4レース目は艇団に揉まれながら自分達が良いと判断した右海面を選択してがまんの展開でしたが、逆サイドの左に20度風が振り切ってしまい20番台後半で1上マークを回航。その後は冷静に風をとりつつボートスピードを発揮して、なんとか16位まで順位を上げてフィニッシュしました。

新型コロナの影響で世界選手権が開催できない中、アメリカでは上限40艇にして全米選手権が開催されました

【2日目】シフトの入る軽風コンディションで総合7位へ

 2日目は10〜14ノットで190度を軸に30度の振れ幅があるコンディションの中4レースおこなわれ、6-13-13-1位となり総合7位と1つ順位を上げる結果となりました。

 第5レースはグッドスタートを決め、右展開して大きくシフトするエッジの風をとりにいきますが、左の風が予想していたよりも残ったため10番で1上マークを回航。そこから1艇ずつ抜き去り6位でフィニッシュとなりました。

 第6レースと第7レースもグッドスタートを決めますが、ファーストタック後にトップ争いをしているチームに厳しい位置でのリーバウをされたり、ケースを起こしたりした事で自分達のポジションを大きく落としてしまいました。

 その結果、第1上マークを25〜30番で回航し追い上げるレース展開が続きました。厳しい状況の中でもシフトとブローを掴み、前の艇団に食らいつきなんとか13位まで順位を上げてフィニッシュしました。

 第8レースはファーストタックのポジションを改善し、風のシフトを読み切り1位で上マークを回航します。その後は得意のダウンウインドでさらに後続艇を引き離し、手堅く1位でフィニッシュしました。各レースで出た課題をレース中に克服し、やっと自分達らしいレースをする事ができました。

10レース中、2回のトップフィニッシュを決めたシエスタは総合5位を獲得しました

【最終日】トップフィニッシュを決めて総合5位へアップ!

 最終日は前日と同じく190度を軸に40度の振れ幅と12〜25ノットの強弱があるハードなコンディションとなりましたが、2レースを1-2位とまとめ総合5位にジャンプアップする事ができました。

 第9レースは20ノットオーバーのコンディションの中、グッドスタートから自分たちの行きたい海面へのファーストタックを決めて1上マークを1位で回航します。その後は手堅く順位をキープして1位でフィニッシュ。

 第10レースでは風が落ちてジェノア・コンディションでのスタートとなりました。レース展開は第9レースと同様にグッドスタートとファーストタックを決めて自分達の選択した海面を使って上マークへ向かいますが、僅差で2番回航となります。

 その後、2上レグで風が大きく吹き上がると共にトップ艇と我々のいる逆サイドが大きく伸びてしまい順位を落とします。しかし、その後のダウンウインドのレグと最終アップウィンドのレグで順位を上げて2位フィニッシュとなり今レガッタを終えました。

和歌山を拠点に活動するシエスタチーム。高校生、大学生のみなさんも会ったことがあるでしょう。和歌山で開催されるインターハイやインカレをはじめとする主要選手権で、海上運営を担当してくれています。マーク設定がビシッと決まるのは、世界で活動する彼らの経験・知識が大いに役立っているのです

◎J/24世界選手権優勝を目標にチーム一丸で挑む

 シエスタチームとしては2019年ぶりのレースとなったため、レースを通して多くの課題が出ましたが、レガッタ中に改善する事で日を追う毎に順位を上げられた事は良い収穫となりました。

 また、今遠征はコロナ禍という事で従来とは違った遠征ではありましたが、その中でも国内では経験のできないフリートで自分達の実力を出すことが出来た事と、来年度のJ/24世界選手権を見据えた遠征として経験を積めた事も大きな収穫となりました。

 今後も活動をしていく中でコロナの影響で様々な障害が発生することが考えられますが、2022年のJ/24の世界選手権に向けてチーム一丸となって取り組んでいきたいと思います。

2021年J/24全米選手権 最終成績
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