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オークランドでアメリカズカップ開幕。17日からワールドシリーズ開始

 12月17日、アメリカズカップ・ワールドシリーズ・オークランド大会が開幕します。今年4月から予定されていたワールドシリーズ(イタリア、イギリス)が新型コロナウイルスの影響で中止になったため、第36回アメリカズカップ関連のイベントではじめてとなるヨットレースイベントです。(BHM編集部)

オークランドではじまるワールドシリーズ・オークランド大会(プラダ・クリスマスレース)

 15日、ワールドシリーズに先駆けて開催地ニュージーランド・オークランドではアメリカズカップビレッジがオープンして開会式がおこなわれました。本大会に出場するのは、ニュージーランド、イタリア、イギリス、アメリカの4カ国/4チームです。

 また、16日にはプラクティスレースがおこなわれ、第36回アメリカズカップで採用されたモノハル75フィート・フォイリング艇が全艇揃って初めてのセーリングがおこなわれました。

オークランドのビレッジでおこなわれたアメリカズカップ開会式
プレスカンファレンスで並んだ各チームの首脳陣。左からベン・エインズリー(GBR)、ピーター・バーリング(NZL)、マックス・シレナ(ITA)、テリー・ハッチンソン(USA)
◎エミレーツ・チーム・ニュージーランド
(ロイヤル・ニュージーランド・ヨットスコードロン)
 2017年大会でアメリカズカップ奪還に成功したニュージーランドは、カップ奪還の立役者で49er級の金メダリスト、ピーター・バーリング(29歳)が引き続きヘルムを担当。長年コンビを組んでいるブレア・チューク、フォイリング艇の達人グレン・アシュビーらが脇を固める大本命チーム。ニュージーランド政府(国)のバックアップで成り立ってきたチームだが、近年の財政難でアメリカズカップの活動は常にあやうさを伴う。
◎ルナロッサ・プラダ・ピレリ・チーム
(シルコロ・デラ・ベラ・シシリア)
 前回アメリカズカップは出場せず、ニュージーランドの援護にまわったルナロッサが満を持して2013年以来の出場を果たす。オーナーであるパトリッツィオ・ベルテッリ(プラダCEO)の懐刀マックス・シレナがチームリーダーをつとめ、ヘルムスマンは、ジミー・スピットヒル(41歳)とフランチェスコ・ブルーニ(47歳。OP出身、レーザー五輪イタリア代表、マッチレース2011年ランキング1位、2019年モスワールド5位)が担当。2人はスターボード、ポート側でそれぞれが舵を取るという話もあり、大会の冠スポンサーである華やかさも伴い興味はつきない。
◎イネオス・チームUK
(ロイヤル・ヨットスコードロン)
 アメリカズカップ奪取を目的に2014年に設立された英国チーム。シドニー五輪から5連続(レーザー、フィン)で金メダルを獲得したセーリング界の天才、ベン・エインズリー(43歳)がスキッパー/ヘルスムマンを務める。チームメンバーで核となるのは、タクティシャンを担当するジルズ・スコット(リオ五輪金メダル)。イアン・ジャンセン(AUS、49er金メダリスト、元日本SailGP)の選手離脱は残念だが、名だたるチームメンバーが揃う。ポイントはベン・エインズリーのヘルム力。フォイル艇で結果を残せていなかったが、2020年2月に初参戦したSailGPシドニー大会では圧勝する貫禄を見せた。
◎アメリカンマジック
(ニューヨークヨットクラブ)
  近年のアメリカズカップには興味がないという立場をとっていた名門ニューヨークヨットクラブが満を持して復活。チーム・プリンシパルのダグ・デイビスはTP52〈クァンタムレーシング〉のオーナーをつとめ、キールボートレースで活躍するプロセーラー、テリー・ハッチンソンが中心となるチーム構成。ヘルムスマンは前大会でソフトバンク・チームジャパンのスキッパーを努めたディーン・バーカー(47歳)が担当する。ニュージーランド・オークランドには海外艇として一番乗りで練習を積んできた。注目は前回と違ってヘルムスマンだけに専念できるベテラン、ディーン・バーカーの舵さばき。
アメリカズカップ・ワールドシリーズ・オークランド大会(プラダクリスマスレース)のレースフォーマット
オークランドにオープンしたビレッジでオープニングセレモニーがおこなわれました
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