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470大逆転優勝。早稲田大が大学日本一に輝く!

 11月3日、和歌山セーリングセンターで3日間に渡って開催された「全日本学生ヨット選手権」。最終日は前日に降り続いた雨雲が去り、鮮やかな青空が戻りました。風も十分あり、朝の大会会場は全日本選手権らしいピリッとした緊張感が漂います。(BHM編集部)

今年の早稲田は強かった!第85回全日本学生ヨット選手権で470、スナイプ、総合優勝を果たし、完全優勝を達成しました

 しかし、この風は長く続きません。16ノット近くの北北西風は落ちる傾向で風軸が定まらず、スタートを試みるも延期を繰り返します。刻々と終了時刻が迫るなか(最終日の最終レース予告信号は12時30分と決められています)、選手たちは風を待つしかありません。

 最終日のレース数が少なくなると逆転のチャンスがなくなります。470級は11時11分にようやくスタートしました。最終日に注目されたのは470級の優勝争いです。前日まで首位立つ慶応大の逃げ切り、逆転を狙う早稲田大の追撃なるか。

 第1上マークの順位は慶応大の11-12-18位に対して、早稲田大は16-33-49位。慶応大が大きくリードしてレースが進んでいくように見えましたが。。。

 風の女神は早稲田大に微笑みました。風は徐々に落ていきフルトラピーズからオンデッキへ。二度目のアップウインドで左海面へ向かった慶応大は集団にもまれ、するすると抜け出した早稲田大が上位グループに位置するようになります。

 第6レースの結果は慶応大の12-13-27位に対し、早稲田大は5-7-18位。早稲田が慶応大に(+42点→+20点差)と迫りました。早稲田大が慶応大を追いつめます。

 最終レースはスタートで風が左に振れて全艇が即タック。出遅れる慶応大に対し、早稲田大は(2-4-42位)で上マークを回航します。慶応(13-19-38位)も踏ん張りを見せ、20点のアドバンテージを守りながらレースが展開します。

 しかし、早稲田470の勢いは留まるところを知りません。フィニッシュは1-4-24位(合計29点)に順位を上げ、慶応大は10-13-53位(76点)。前日の42点差、最終レース直前の20点差をくつがえし、早稲田大の逆転優勝が決まりました。

 先にフィニッシュしていた早稲田スナイプのメンバー(スナイプは1レースだけ実施されました)はクラス優勝、総合優勝をほぼ確信。フィニッシュライン付近で早稲田470を見守り、逆転優勝を知ると歓喜の声があがりました。

 早稲田大は、2014年福岡大会以来となる470級、スナイプ級優勝、総合優勝を決めました。

◎第85回全日本学生ヨット選手権 最終上位成績
470級 7R終了
1 早稲田大 381p
2 慶応大408p
3 同志社大 418p
4 関西学院大 482p
5 日本大 489p
6 福岡大 524p

スナイプ級 6R終了
1 早稲田大 172p
2 日本大 287p
3 鹿屋体育大 454p
4 東京工業大 464p
5 同志社大 494p
6 慶応大 515p

総合
1 早稲田大 553p
2 日本大 776p
3 同志社大 914p
4 慶応大 923p
5 関西学院大 1096p
6 福岡大 1105p

全日本インカレが一般のヨットレースと違うのは世界でも数少ない72艇の大フリートでレースがおこなわれること1つのミスで順位を大きく落とします
1、2位で上マークへ向かう福岡大。総合6位に入り名門復活を予感させる威勢のよい走りを見せました
慶応470にとってキツイ戦いとなった最終日。今年は選手として初めて全日本インカレを経験するメンバーが多かったという慶応大。写真スキッパーは470リーダーをつとめた高宮豪太
全日本インカレで大暴れ、まさに台風の目となった東工大スナイプ。関東予選をギリギリの8位で通過し33年ぶりの全日本出場を果たしただけでなく、スナイプ4位の快挙を遂げました。東工大は全員大学からセーリングをはじめた選手です
先にフィニッシュし、470の動きを見守る早稲田大・主将の松尾虎太郎(4年)

早稲田大 松尾虎太郎主将
「関東水域では日大470の力が圧倒的で、どれだけ日大に食らいつけるかが鍵だと考えていました。レースがはじまると他校が崩していったという印象で、早稲田470は後ろでまわっても上がってくることができました。スナイプはスタートからいい走りで上位を狙うという形がうまくはまった。それが完全優勝に繋がりました。
 スナイプは誰かが常に前を走ってくれていた。自分はトップを狙うのではなく、中位置でも集団を意識した走りを心がけました。たとえば、ワンツースリーを取った第1レースでも2艇が風上側からスタートするなら、自分はリスクを避けて下側から下集団をケアしながら走るというような戦略です。
 この1年主将をやってきて、実は大変だなと思った所はないんです。みんなヨットが好きで考え方がポジティブ。早稲田は練習量が日本一だと自負しています。部内のレベルも高く1日1日の練習がきつい。その中でもみなが真剣に取り組んでくれた。1年を振り返ると、大変さよりもみんなと過ごせて楽しかったな、という気持ちです。
 でも、コロナ時期は大変でした。3月末から6月半ばまで2カ月半活動できない時期がありました。完全に練習はストップ。そこでも何をしないのではなく、オンラインでトレーニングやミーティングしたり、バーチャルレガッタ(オンラインゲーム)を取り入れて、部員同士で戦ったり、ルールやタクティクスの勉強をしたり、ヨットのことを考えて生活できるようにしていました。
 全日本インカレで自分たちの力を発揮できてよかった。今年の早稲田は笑顔の多いチームです!」

早稲田大の監督をつめて7年。そのうち5回目の総合優勝を成し遂げた関口監督。総合優勝をチーム全員で勝ち取るという同校のスタンスに変わりありません

◎早稲田大 関口功志監督
「470はこの2カ月ぐらいで大きく伸びました。秋のはじめまでは日大にかなりのビハインドがあって、走り負けする状況が続いていました。そこからセールのセットやトリムの基本を見直し、10月はじめぐらいで勝負できるまでになりました。
 スナイプはもともと去年から実績のある選手が多かったので内部での競争に力を入れました。今回4人のヘルムスマンがいて、全員がトップを取ることができました。
 早稲田の第一の目標は総合優勝です。成績はどうであれ、あせることなく粛々とやるべきことをやる、というスタンスは変わりません。
 470が逆転できたのもそうですが、この海面の不安定なところや特長は事前にいくつか注意点を書き出していて、それを全員で共有できたのがよかった。(完全優勝を達成して)これほどうまくいくとは思っていませんでしたけれど。
 よく人から、力を継続するのが大事ですか、と言われるのですが、やってみるとそうでもなく、毎年イチからスタートしているというのが実際のところです。選手個々の実力はあるけれど、チーム作りは毎年同じことをやっています。これからあらたに土台をかため、来年のインカレで勝つための準備に入ります」

新型コロナの影響で大きく変更、規制する内容でおこなわれた全日本インカレが無事終了しました。表彰式は大学ごとに5名に限定され、表彰対象校だけがあつまり小規模でおこなわれました。来年の開催地は江の島が予定されていましたが、東京五輪が延期されたことから未定となっています
第85回全日本学生ヨット選手権 470最終成績
第85回全日本学生ヨット選手権 スナイプ最終成績
第85回全日本学生ヨット選手権 総合成績
全日本インカレ 470級乗員リスト
全日本インカレ スナイプ級乗員リスト
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