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コロナ時代のヨットレース。全日本インカレは無観客試合に

 秋の気配が一気に強まり、海上も冷えるようになりました。もう夏じゃないんだな、と寂しい気持ちになりますが、セーリングはこれからが本番。実際に、秋になってセーリングイベントが一気に増えてきました。春先は、新型コロナで今年は開催できないのでは? と考えられていただけに嬉しいことです。(BHM編集部)

規模の縮小と無観客大会が発表された2020年度の全日本インカレ。今年の開催は難しく、直前まで中止せざるをえない流れで進んでいましたが、さまざまな対策を講じることで実現が可能になったとのこと。写真は昨年西宮で開催された全日本インカレより

 ヨットレースも夏から徐々に開催されるようになりました。バルクヘッドマガジン編集長が、いくつかの大会を取材してみた感想は、どの大会も前と同じようにおこなわれていないということ。それぞれコロナ対策を考えながら手探りで実施していて、いちばんベストの対策方法を模索しているように思えます。

◎密を避け時間短縮のメリットも。オンライン審問の可能性

 先月、バルクヘッドマガジンでは、コロナ対策ヨットレースについて記事にしました。日本のヨットレースは、日本セーリング連盟によるガイドラインに基づいておこなわれていて、編集長が取材した現場では具体的に次のような対策をしていました。

◎事前の健康チェック表(体温、体調等)の提出
◎大会当日の検温(オンライン報告有)
◎開会式、表彰式、艇長会議をオンライン等で簡素化
◎案内、公式掲示板、出艇申告をLINEやSNSで代用
◎陸上でのマスク着用
◎サポートボートの乗員制限

 さらにいくつかの大会では「オンライン審問」もおこなわれるようになりました。オンライン審問の利点は、審問に関わる人(選手、ジュリー、証人など)が一同に集まらなくて良いことが挙げられます。

 泊地の異なるクルーザーレースにはもってこいの方法だし、審問の数が多く深夜0時を超えてしまうような世界選手権、五輪代表選考、全日本学生ヨット選手権などでも、無駄な時間を割愛できそうです。

 選手たちは、まだ慣れていないので、審問の時間に現れなかったり(これはオンライン以前の問題ですが)、ホワイトボードや模型等でケースを説明する際の準備が足りず、説明に苦労するという場面もあったようです。しかし、こうした問題はオンライン審問の回数を多く経験すれば、解決していくでしょう。

 それと同時に、『開会式・表彰式・艇長会議の簡素化』『公式掲示板、出艇申告をLINEやSNSで代用』などは、コロナ対策でなくても使えるもので、「効率の良い(無駄を省いた)ヨットレース」につながり、これから一般化されるかもしれません。

◎全日本インカレでは『無観客』でヨットレースを開催

 また、今年最大級のセーリングイベントとなる第85回全日本学生ヨット選手権(11月和歌山セーリングセンター開催)は、全日本学生ヨット連盟の評議会で『無観客大会』として開催することが決定し、大会規模を縮小し、応援艇の自粛協力がアナウンスされています。

 全日本インカレを知らない方は「?」な話かもしれません。海上でおこなわれるヨットレースの観戦は、観客席のある陸上スポーツと異なり、レース観戦することはできません。

 しかし、日本のヨットレースの中でも全日本インカレだけは特別で、たくさんの観客(多くはヨット部卒業生です)が、レース海面のまわりで観戦・応援します。ヨットレースの無観客試合とは、自前で船を出してレース海面へ来て応援できない、またはヨットハーバーに来て応援できない、という意味です(本大会では応援艇の自粛協力のお願いがアナウンスされています)。

第85回全日本学生ヨット選手権の変更点
◎日程短縮
4日間→3日間(2020年11月1〜3日)
最大11レース→最大8レース
◎登録人数制限
選手は1クラス/10名まで
部長、監督、コーチ、マネージャーのサポートは5名まで(両クラス出場校は最大25名)
◎施設内の立ち入り制限
施設内の艇置きブース、支援艇用の桟橋への立ち入りは、事前に登録した選手、サポートメンバーのみ
◎予備艇、支援艇の制限
予備艇はなしとする
支援艇は各クラス1艇まで(両クラス出場校は最大2艇)
支援艇は密を避けるために、乗員は定員の半分以下

 コロナ禍のヨットレースとして、今どんな方法を取るのが正解なのか分かりません。特に大学スポーツのコロナ感染拡大は、部活動の活動停止だけでなく、大学の他スポーツにも影響を及ぼす可能性があります。

 対策をやりすぎてしまえば、ヨットレースの楽しさを犠牲にするし、参加できない選手も出てきてしまいます。だからといって、コロナ以前と同じにできないことは、みなが承知していることです。

 いまは、コロナ対策の大会をおこない、修正を繰り返して、「いまの時代に合った、より良いヨットレースのやり方」を見つけていく過渡期なのだろうと思います。

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