ヨットレース繁盛記・悪夢!熱海往復DNF
初島ダブルハンドヨットレースに続いて、葉山マリーナヨットクラブ主催の熱海レースに出場した〈ホビーホーク〉御一行。このレースは往路、復路の2レースで構成されていますが、なんと行きも帰りも、全艇ディド・ノット・フィニッシュという残念な結果に。でも、イルカをみたし、バッテリーのチャージもできたし、ヨシとしましょうか?(BHM編集部)
葉山〜熱海、熱海〜葉山の往復レースに19艇が参加しました。photo by O.Yuko
第4回ティンバーランドレガッタ・熱海レース
梅雨が明けて夏がやって来ました! 連日35度越えのうだるような猛暑ですね。通勤の満員電車は死にそうでも、海に向かう足取りはフワフワに軽やかです。三連休の前半2日間は、レジャーモード全開で「ティンバーランドレガッタ・熱海レース」に参加しました。(文/石丸寿美子)
このレースは、葉山マリーナヨットクラブの夏の恒例イベントで、2日間で葉山〜熱海間の片道ずつレースをおこないます。初日は葉山から熱海までの往路レースで、熱海に一泊したのち、翌日は復路のレースです。参加艇は19艇。クーラーボックスの中にビールとか、ビールとか、ビールとかをザクザク突っ込んで、ジリジリの太陽のもと、いざ、熱海へ!
ヘッドセールの陰に縮こまって体育座り
葉山から熱海まで25マイル。つい先々週、マッキーと初島ダブルハンドに出たばかりだけど、またまた同じような方面へ向かいます。南寄りの風、8ノットほど。今のところ片のぼりですが、この後風は徐々に前に回っていきそうです。
レジャーモード全開で19艇が一斉にスタート!…しましたが、X旗が揚がります。レジャーモードと言いながらも、結局ガチンコ勝負のスタートになってしまい、勢い余ってついはみ出しちゃったりするのはいつもの性なので仕方ないです。
しばらくは、ハイクアウトに程よい風で、ゴキゲンなセーリング。少し落としてダイレクトに熱海へ向ける数艇を除き、ほとんどは高さを取りながらラムラインの南側を走る艇団です。
そして、ゴキゲンな風はそう長くは続かず、だんだんまったりとしてきました。各艇、カミ側にずらっと並んでいたハイクアウト部隊も、1人、2人とシモへ移動し、最後は全員ヘッドセールの陰に縮こまって体育座りとなりました。残念。
あたり一面霞んでいてまだ初島も見えません。このままだとタイムリミット内のフィニッシュがかなりあやしいけれど、失速に注意しながら(一部、早くも禁断のしゅわしゅわドリンクの誘惑に負けてしまった人たちを見ないようにしながら)じーっと我慢のセーリングです。風は西南西にまで振れていき、ついに行きたい方向から吹いてくるようになってしまいました。微風の真上り。残念。
お昼過ぎ、突然イルカの群れが現れました! 〈ホビーホーク〉からは5〜6匹しか確認できなかったけれど、しばらく一緒に走りました! 後で聞くと、30匹以上の群れに囲まれた艇もいたとか。でも、いつものことながら写真におさめるのはとても難しくて、パシパシ撮ったけど、どれもなんだかよくわからない写真でした。残念。
14時過ぎ、残航を考えるとフィニッシュ絶望的との結論に至り、まことに遺憾ながらエンジンスタートとなりました。ふー、これより、ビールと温泉が待っている熱海へとフルスロットルで向かいます!
結局、このあとも風は全く吹かず、全艇DNFとなってしまいました。まぁこんな事もありますね。残念な一日、終了。
爽やかハイクアウト女子、たのしそう!photo by O.Yuko
ホビーホーク・オンボード。…なんという下品な写真でしょう。photo by HobbyHawk
おれたち、風の神様に見放されたみたい
翌日。少々飲み疲れた朝です。今日も暑くなりそうです。そして、スタートの直前になっても、風が…、ありません…。さらに言うと、今日も行きたい方向から風が吹いてきています。罰ゲームか何かですかね? 定刻どおりにスタートするも、スタートラインを切るのにも苦労し、早くも根競べの様相です。
ヒソヒソ声で30分走って(漂って?)いると、南西の風の第一陣が届きました。早速スピンアップ。風弱くとても葉山へは向けられないので暫くは横っ走りです。〈ホビーホーク〉もジェネカーあげたり、スピンあげたりと近くを走っている〈KAIJIN〉(First34.7)とかなり熱いバトルを繰り返します。
こんなひょろひょろ風じゃ、今日もダメかもなーってウスウス感じながらも、往生際悪く、意地の張り合いみたいになってデットヒートを楽しみます。頼りなーい風だったけど、少しレースっぽいことをして遊べたのでヨシとします。
はーっ。12時30分、またもやフィニッシュ絶望的な時刻となり、エンジンスタート。風の神様に完全に見放されてしまったようで、なんと、今年の熱海は往路・復路共に全艇DNFという悲しい結果となってしまいました。
レースは不完全燃焼だったけれど、真夏の海を満喫し、夏休みの予行演習のような週末でした。そして、往路はイルカの大群、復路はキハダマグロとカツオを釣り上げた艇もいたりして、いつもの海だけど、相模湾っていい所だなーと再認識。あと、もう1つ良かったことと言えば、往復の機走でバッテリーがフル充電できたことですかね。
毎年夏はとっても短いけれど、今年は梅雨明けが早かったので、いつもより長く楽しめそうです。弾丸ヨットレースイベントラリーはまだまだ続きます! 前のめりでてバウ沈しないよう、クールなふりして涼しい顔で駆け抜けたいと思います。
◎ヨットレース繁盛記
(15)初島ダブルハンドヨットレース・後編
(14)初島ダブルハンドヨットレース・前編
(13)「小田切杯」ガテン系セーリング?
(12)「SHUGYOKU CUP」毛根から脂汗が噴出
(11)大島レース・後編
(10)大島レース・前編
(9)「京急カップ」春の珍事なのです
(8)「テーザースプリングレガッタ」春テーザーに久々参戦
(7)「SportsCode CUP」ブローチング祭りだ!
(6)「MUSTO CUP」春っていいよね!
(5)「HMYC会長杯」春の嵐で退散です
(4)「SAILRACING CUP」クラブレースで悲鳴
(3)「Sailors for the Sea Cup Clean Regatta」心臓が剛毛で覆われる
(2)「新春烏帽子岩レガッタ」烏帽子岩へゆく!
(1)新連載「ヨットレース繁盛記」スタート!
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