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チームニュージーランド勝利。ニューヨーク・ACワールドシリーズ

 5月8日、第35回アメリカズカップ予選「ルイ・ヴィトン・アメリカズカップ・ワールドシリーズ(以下「ACWS」)」の第5戦ニューヨーク大会が、最終日を迎えました。最終日は晴天に恵まれ、10万人(主催者発表)の観客が見守る中で3レースが実施されました。(レポート/ソフトバンク・チームジャパン)

優勝のエミレーツ・チームニュージーランド。49er級のピーター・バーリング、ブラー・チュークは、先週、編集長が取材していたワールドカップ・イエール終了後、ニューヨークへ飛んで出場しました。photo by Sam Greenfield

 安定しない風と非常に速い潮流、そしてハドソン川の流れという非常に難しい条件下でのレースとなり、3レースを3位、3位、1位と上位でまとめたニュージーランドが優勝。ソフトバンク・チーム・ジャパンは、3レースを5位、4位、3位と少しずつ調子を上げ、6チーム中4位でニューヨーク大会を終えました。

 3位に入賞したフランスとはわずか2ポイント差で、3レースのうちどれかのレースで1つでも順位を上げてフィニッシュすれば初入賞となっていただけに、くやしさの残る幕切れとなりました。

 これで、ニューヨーク大会までの5戦のワールドシリーズの通算成績で4位。3強状態を形成するニュージーランド、アメリカ、イギリスとの差を詰めることはできませんでしたが、入賞の常連であるイギリスを今大会で初めて上回ったことや、前日に行われた予備レースでトップフィニッシュを飾ったことは、これまでにない成果と言えます。

 今大会で勝敗を分けたのは、速い潮流の中でのボートコントロール技術でした。前日から予想された強風は吹かず、陸近くではむしろ弱い風。風速は5〜20ノットの間で短時間に変化し、そこに強い潮の流れが加わり、各チーム、ボートを思い通りに動かすことに悪戦苦闘していました。

 また、観客が迫力のあるレースシーンを間近に見られるようにと、陸地からほんの20〜30mほどの距離に風下の回航マークやフィニッシュラインが設置されたことで、マンハッタンのビル風がレースコンディションに大きく影響し、風向が30〜40度の幅で頻繁に振れ、選手たちを悩ませました。この非常に難しい環境のコースを完全に攻略できたチームはなく、方向転換後に失速して完全に止まってしまう場面が全チームに見られました。

 ソフトバンク・チーム・ジャパンとフランス、イギリスの3チームは、潮に流されて規定のコースエリア外を帆走してしまい、スピードダウンのペナルティーを科されて大きく順位を落とすなどの場面もありました。

 今回は、3位入賞まであと一歩に迫ったソフトバンク・チーム・ジャパン。次の戦いの舞台は、6月10日から12日に行われるシカゴ大会。今度は潮流のほとんどない、シリーズ初の淡水湖でのレースとなります。

ハドソン川の流れと風を屈折させるビル群に翻弄されたソフトバンク・チームジャパンは、総合4位でニューヨーク大会を終えました。本大会は2日間で実質半日、極端にヨットレースに向かないコンディションでおこなわれたこともあり、セーリングファンには物足りない内容となりました。いえ、これまでのワールドシリーズで満足できる内容はほとんどなく、迷走する「アメリカズカップ」をそのままあらわしているといえます。photo by ACEA 2016 / Ricardo Pinto

Louis Vuitton America’s Cup World Series New York Final Standings
1. Emirates Team New Zealand – 52 points
2. ORACLE TEAM USA – 50 points
3. Groupama Team France – 44 points
4. SoftBank Team Japan – 42 points
5. Land Rover BAR – 42 points
6. Artemis Racing – 40 points

Louis Vuitton America’s Cup World Series Overall Standings
(After six events)
1. Emirates Team New Zealand – 244 points
2. ORACLE TEAM USA – 236 points
3. Land Rover BAR – 227 points
4. SoftBank Team Japan – 203 points
5. Artemis Racing – 201 points
6. Groupama Team France – 194 points

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