連載第10回 空飛ぶ日記「スターボードタックで飛び続けたら江の島に着いた」

  • 31
  • Dec

 押忍、みなさん、飛んでますか? ほほを刺すような冷たい風に海へ行く足取りが鈍くなるこの季節。世間と逆行するようですが、編集長のセーリングシーズンが幕を開けました。ヨット馬鹿カレンダーも終わり、ヨット馬鹿オブザイヤーの選考も終わり、編集長の仕事は一段落。よーし、ブンブン飛んでくるぜ!(BHM編集部)

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待ちに待った編集長の季節がやってきましたよ。毎日、いい風吹かないかな。photo by Junichi Hirai

 モスに乗るのはひさびさです。12月30日、入念な天気予報チェックにより、午前中「おれの風」(北東風・10〜14ノット)が吹くのを確認。前日の予習復習(YOUTUBE)も万全に興奮気味に就寝。翌朝、寝ている家族を起こさず、コソコソどろぼう足で自宅を後にしたのでした。

 ハーバーに到着すると、おや、すでに4艇が艤装を終えているじゃないですか。モス乗りの考える事はみんな同じですね。風が良ければ、待ち合わせするでもなく誰かがハーバーに来ています。まるでコンビニの街灯に集まる蛾そのもの。これはモス乗りの習性かもしれません。

 遅ればせながら編集長もあたふたと艤装を済ませ、いそいそと海へ。本日の目標はジャイブです。セーリングの基本動作、方向転換であるところのタック、ジャイブは、フォイルボートでは浮いたままおこなう凄技であり、上級テクニックです。特にフォイルタックは悶絶するほどむずかしいとされています。

 みなさん、オラクル・チームUSAがはじめてフォイルタックしたときの動画を観たことありますか? 屈強な奴らでさえ、成功した瞬間「うひゃーっ!やったぜー!」と大歓喜するほどの事件なのです。

 さて、葉山沖に出た編集長は、逗子・鎌倉から吹き出す北東風を受け、スターボードタックで軽やかに飛び始めました。お、結構、フォイリングできちゃってますよ? しかし、いつものように、走って沈、走っては沈を繰り返します。

 ひさびさなので、ダガーボードのエレベータ(フラップ)とラダーフォイルでピッチ(前後バランス)を調整しつつ、時々、ジャイブに挑戦しては投げ飛ばされる、を繰り返していたら…。

 あれ、なぜか江の島が目の前にあります。スターボードタックのまま走っていたら、逗子、鎌倉を過ぎて江の島へ到着してしまいました。一度もジャイブしていないんですから、あたりまえです。

 結構、遠くまで来てしまいました。でも、葉山とは風景が変わって新鮮な気持ちになります。年の暮れ。国道134号線は大渋滞しているようですが、こっちは渋滞なんてありません。

 葉山から江の島まで、モスでまっすぐ飛べば10分ぐらいで到着できるのではないでしょうか。編集長は1時間掛かりましたけど。沖でコース練習しているレーザーやOPを眺めながら「おまえたち、がんばれヨ。おれもがんばるわ」とつぶやき、江の島を後にしたのでした。

 当然、帰りはポート一本です。何度かジャイブにトライしましたが、派手にすっとんで成功に至らず。編集長は、もっと練習しなければ。よし、この冬は、気合いを入れて乗り込むぜ!

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江の島まで行った証拠写真をモスから撮ろうと思いましたが、そんな上等な技、できるわけありません。こちらiPhoneから抜き出したトラッキング


オラクルチームUSAのフォイリングタック(AC45S)。タック成功はこれぐらい喜ぶ画期的なことなんです。編集長はできる気しませんけど。そういえば、AC福岡大会でジミー・スピットヒルにフォイルタックのコツを聞いたところ「タックはクルーもスピードもボートコントロールも全てが完璧に揃わないと成功しないんだ。AC本番はすべての場面でフォイリングするよ。一度も水面にタッチしないチームがカップを取るだろうね」と言っていました。そりゃそうだ

連載 バルクヘッドマガジン編集長の空飛ぶ日記
第1回「編集長の空飛ぶ日記、はじまります」
第2回「神様ありがとう、編集長は空を飛んだよ」
第3回「海に出たいのに出られない」
第4回「ものすごいスピードでドカーンと飛ばされる」
第5回「肩の靭帯が切れて凹む」
第6回「編集長、沼から地獄に流される」
第7回「海外のモス野郎にパーツを奪われる」
第8回「ペットボトルがつかめない」
第9回「飛べばハッピー。フォイリング幸福論」

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