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これぞ大人のキールボートレース!江の島ドラゴン級全日本選手権

 10月8〜10日、江の島ヨットハーバーで「第49回ドラゴン級全日本選手権」が開催されました。大会は軽風から20ノットを超える強風まで5レースおこなわれ、関西ヨットクラブ所属の〈LOTUS〉(安田/森田/伊藤/関根/櫛田)が優勝を飾りました。(BHM編集部)

江の島で開催されたドラゴン全日本。関西、江の島のドラゴン6艇が集まり、ハードなコンディションの中レースを楽しみました。選手の年齢層は高いながらもヨットレース経験豊富なベテランが揃います

 1929年にスウェーデンで誕生したドラゴン級は、1948年から1972年までオリンピック種目に採用されました。当時は木造が主流で現在はFRP製になりましたが、そのキールボート特有の美しいフォルムは変わらず、欧州を中心に高い人気を誇っています。

 ドラゴン級は世界の皇室とも深い関係があり、1960年大会ではギリシア最後の国王、コンスタンティノス2世(現国際ドラゴン協会会長)が金メダルを獲得。また、デンマークのフレデリック皇太子もドラゴン愛好家として知られています。

 日本では1961年に第1回全日本選手権が開催されました。東京五輪をピークに大会が中断される時代もありましたが、国内のベテラン選手により復活。全日本選手権は今年で49回目を迎えます。

 大会初日は風の振れが激しい北東風で2レース実施。国内グランプリレース/HPRと並行して活動する〈MART SPIRIT〉(玉江/堤/太田/荒川)がトップに立ちます。

 大会2日目は風が吹き上がり20ノットの北東風が安定して入り、クルーワークに定評ある〈FALCO〉(澤田/有馬/川瀬/畑山)と〈LOTUS〉が交互に勝ち星を重ね、〈LOTUS〉が1点リードで最終日へ。

 最終レース対決に注目が集まりましたが、最終日は前線通過が予定され、早朝の艇長会議で中止が決定。〈LOTUS〉の二度目となる優勝が決まりました。

「初日の軽風は苦労しました。2日目の強風で安定して走れたのがよかった。マストセッティングとコース選択、クルーのハイクアウトが勝因です。特にクルーワークはノーミスでした。優勝はクルーががんばってくれたおかげです。次の目標は来年の50回大会の優勝です。がんばります!」(安田大助・LOTUSオーナー/ヘルムスマン)

優勝の〈LOTUS〉。新西宮ヨットハーバーを拠点とするチームです
一般的なディンギーよりもカムやシート類が多く複雑に見えるドラゴンのデッキまわり。4人で乗るとかなり狭い
ドラゴンのコースは上下レグ。全日本選手権では4レグもしくはアップウインドフィニッシュの5レグでおこなわれました。ドラゴン級ではフットバンドを使ったハイクアウトは禁止されています
2位の〈FALCO〉。トップと1点差だっただけに最終レースのキャンセルは残念でした
3位〈MART SPIRIT〉。ドラゴンのクルーウエイトは285kg。日本では4人で乗るのがスタンダードです
4位〈WIND WAR〉(諏訪/枡田/岡田/三谷)
5位〈GUYFOO II〉(田中/瀧口/柴田/椎野)。江の島
6位〈GUYFOO I〉(名取/吉川/池田/春木)。江の島
大会2日目の52番〈LOTUS〉と50番〈FALCO〉は近距離で互角の戦いを演じました
ジャケット、ネクタイ着用がドレスコードのドラゴン全日本の晩餐会。まさに大人のヨットレースです。鎌倉プリンスホテルでおこなわれました
優勝のLOTUSチーム。左から櫛田、伊藤、安田、森田
第49回ドラゴン級全日本選手権 最終成績
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