オーストラリアSailGP初日。日本がイギリスと大クラッシュ
12月17日、オーストラリア・ニューサウスウェールズ州の好天のもと、SailGPシーズン2第7戦シドニー大会が幕を開けました。初日は最後まで好調な走りを見せたスペインがリーダーボードのトップに立ちました。一方、日本とイギリスは接触事故による艇の破損でレース続行が危ぶまれています。(レポート/日本SailGP)
今シーズン最もタイトなレースとなった第1レースを制したのはスペインチームでした。スタートダッシュを決めたスペインにイギリスが追いつき、フィニッシュ目前に勝利を確信したかに見えましたが、最後はフィル・ロバートソン率いるスペインが僅差で接戦を制しました。
第2レースでは絶妙なタイミングでスタートを決めた日本が終始安定した走りを見せ、追従するスペインに隙を見せる事なく1位でフィニッシュ。この時点で暫定3位まで浮上しました。
衝撃のドラマが待ち受けていたのは第3レースでした。スタート前、有利なポジションを確保していた日本でしたが、イギリスの進路妨害を受け激しく接触。日本艇は右舷船首を失う大惨事となりました。幸い、この事故で怪我をした選手はいませんでした。
進路妨害の反則により日本艇に大きなダメージを与えたイギリスは6点のペナルティーが与えられ、総合7位と順位を落としました。
初日をトップで折り返したフィル・ロバートソン率いるスペインは好調な走りで2位のオーストラリアに5点差をつけています。ローカルヒーロー、トム・スリングスビー率いるオーストラリアは、第2レースで順位を大きく落としましたが、第3レースは力強いパフォーマンスで総合2位に浮上。虎視眈々と決勝進出を狙うアメリカは3位となり2日目を迎えます。
◎日本とイギリスの接触事故について
第3レースで日本とイギリスがスタート前に衝突した事故について、日本は艇は大きな損傷を受けたため、明日のレースへの欠場を一旦決定しました。
チーフアンパイアは、ネイサン・アウタリッジがドライバーを務める日本に過失はないと判断し、ペナルティポイントを課さないこととしました。一方イギリスは重大な損傷を与えたとして6点のペナルティを受け、さらにシーズン総合ポイントから2点のペナルティポイントが差し引かれることになります。
SailGPのコンタクト&ダメージ・ポリシーでは、日本が翌日のレースに出られない場合、ベン・エインズリー率いるイギリスチームは(重大な損害を与えた艇として )主催者側よりレースへの出場を取り消されることになっています。
SailGPの規則では、イベント・オーソリティは相手の過失によりダメージを受けたチームがレースに出場できるよう、同程度の装備を代用または割り当てることができることになっています。
イベント・オーソリティは現在、イギリス艇の損傷状況を調査し、日本がレースに出場するためにイギリスの装備の一部を代用することが可能かどうかを確認しています。ベン・エインズリーとイギリス・SailGPチームは、明日のレースで日本がレースに復帰できるよう、艇を含む必要なサポートを提供する予定です。
さらなる情報は、イギリス艇の完全な査定が終わり次第発表されます。
◎オーストラリアSailGP 暫定結果 (初日3レース終了時点)
1 Spain 21 points
2 Australia 16 points
3 USA 16 points
4 Denmark 14 points
5 Japan 10 points
6 New Zealand 9 points
7 Great Britain 6 points (incl. 6 point penalty)
8 France 5 points (incl. 2 point penalty)
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