デンマーク大会迫る。ジャパンSailGPチーム近況報告
7月イギリス・プリマス大会を終えた各選手は、別のレースへ出場したり、引き続き海上やジムでトレーニングに励んだり、家族との時間を過ごしたり、東京五輪を終えて一息ついている選手など、マイペースでデンマーク・オーフス大会に向け調整しています。(レポート・写真提供/日本SailGP)
◎ネイサン・アウタリッジ(ヘルムスマン)
欧州大会が続くSailGPに集中するため、プリマス大会からニュージーランドの家族とともにヨーロッパに拠点を移しました。感染対策が徐々に緩和されている、ヨーロッパ各地のセーリングイベントへ果敢に参加しています。
先週はポルトガルのラゴス地方で開催された「GC32レーシングツアー」に、レッドブルチームのドライバーとして参戦しました。他国のSailGP選手も多く参加するレベルの高いレースで、オフタイムでも常に感覚を研ぎ澄ませ、パフォーマンス向上に余念がありません。
◎フランチェスコ・ブルーニ(フライトコントローラー)
熱心なサイクリストとしても知られるフランチェスコ。セーリング競技でも欠かせないトップレベルの体力を維持する目的もあり、大会の合間はロードバイクのトレーニングが日課となっています。
また、海上でのトレーニングも怠りません。先週、スペイン・マヨルカ島で開催されたスペインの王様も参加するキングス・カップに参加しています。
この大会には、プロセーラーをはじめ、オリンピックメダリスト、アメリカズカップに参加する一流のセーラーとともに、一般のアマチュアセーラーも参加する、地中海を代表する一大イベントです。
◎クリス・ドレイパー(ウィングトリマー)
クリスは、プリマス大会直後、偶然にも次の開催地であるデンマーク・オーフスで開催された「M32ヨーロピアン・シリーズ」に参加しました。
M32は、統一規格のカタマラン艇で、全長15メートルのF50に対し、M32は10メートル弱とサイズは小さいですが、カタマラン艇という事で多くの共通点があります。
良いトレーニングになったことはもちろん、デンマーク大会を目前に、全く同じ海面でのレースは、気象や海面のコンディションを知る上で最高の事前調査にもなりました。
◎森嶋ティモシー/笠谷勇希(グラインダー)
プリマス大会終了後、イギリス残ったティモシーは、滞在中、毎日ジムに通い、体作りとコンディショニングに余念がありません。
グラインダーのポジションは常に高いパフォーマンスを出し続けなかればならず、ティモシーも大会の合間もプロのアスリートとして体調管理を怠らず、デンマークに向け最終調整を行っています。
一方、日本一のグラインダーと自称する笠谷は、今年の9月末にポルトガルで開催されるボート競技の「ローイング・コースタル世界選手権」に出場する目的もあり、日々ローイングマシンでのトレーニングを中心に体作りに励んでいます。
イギリスからの帰国後、休む間もなくマシンを隔離中のホテルに持ち込みストイックにトレーニングを積みました。さらにパワーアップし、第4戦に挑みます。
◎高橋レオ(グラインダー)
2019年暮れに東京2020オリンピック出場を決めてから、1年の延期を踏まえ最後の最後まで努力し続けた高橋レオ&小泉維吹ペア。
出場チーム中で最年少のヘルムスマンとして日本の代表をつとめた高橋は、江の島で思う存分世界に挑みました。
そして、この種目では日本歴代最高順位となる11位という素晴らしい成績を獲得。上位10位が出場する決勝戦 / メダルレース進出は惜しくも逃しましたが、予選レースでは上位を取る場面もあり、今後の可能性を世界にアピールできたことは間違いありません。
高橋はデンマークで2大会ぶりにチームに合流します。オリンピックの経験でさらに成長した彼の活躍に期待しましょう!
◎SailGP シーズン2スケジュール
1 4月24、25日 バミューダ
2 6月5、6日 ターラント・イタリア
3 7月17、18日 プリマス・イギリス
4★8月20、21日 オーフス・デンマーク
5 9月11、12日 サントロペ・フランス
6 10月9、10日 カディス・スペイン
7 12月17、18日 オーストラリア・シドニー
8 2022年1月29、30日 クライストチャーチ・ニュージーランド
9 2022年3月26、27日 サンフランシスコ・アメリカ