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ヴァンデは人生そのもの。白石康次郎フラッシュインタビュー

 2月11日、帰着後、桟橋でおこなわれた白石康次郎選手のフラッシュインタビューです。白石選手は港の干満差のため2時間ほど海上で待機し、15位のアルノー・ボワシエール選手と並んでハーバーへ戻りました。(BHM編集部)

日本人、アジア人で初めてヴァンデ・グローブを完走した白石康次郎〈DMG Mori Global One〉

◎自分の目標を達成していまの気分は?
白石:最高です!

◎言葉にするのは難しいですか?
白石:そうですね。この感覚はヴァンデ・グローブに出た選手でなければ分からない。ぼくもはじめての体験。

◎ヴァンデ・グローブのきっかけになった多田雄幸さんへの気持ちはありますか?
白石:ありますね。多田さんのおかげでこの大会を知ったので。世界一周できて多田さんも安心してくれていると思う。

◎フィニッシュまでの数日間はどのように過ごしていましたか?
白石:ぼくたちのフリートは長かった。ずいぶん遠回りして、みんな結構フラストレーション溜まっていたと思う。1日前ぐらいからフィニッシュの感覚が出てきた。それまで全然たどり着かなくて、大変でした。

◎最後はどんな気持ちになりましたか?
白石:フィニッシュを切るまでは漁船が多かったのですごく緊張していました。フィニッシュしてみんなの顔を見た時がうれしかった。

◎日本人初、アジア人初。日本の外洋レースの大会規模はそれほど大きくないが、これから日本、アジアで外洋レースは発展すると思いますか?
白石:日本の人たちはヴァンデ・グローブというものを知らなかったんです。それにぼくが参加することによって知るようになった。いちばん大きいのは、白石康次郎と検索するとヴァンデ・グローブと出てくるようになった。これから広がると思います。

◎ヴァンデ・グローブを一言で例えるなら
白石:人生そのものです。

◎セールが破れるトラブルがありました。自分が思っていたヴァンデ・グローブでしたか?
白石:こんなヴァンデ・グローブになるとは思わなかった。セールを破いた時はリタイアも考えた。あんな状態で世界一周しちゃけないんだろうと思った。チームのみんなが支えてくれて、それから新しいセールを作り上げて完走できたのは奇跡だと思います。

◎リタイアしないと決めた時、どこから力がわいてきましたか?
白石:応援してくれる方、チームのみんなからです。ひとりじゃ無理でした。

【白石康次郎 〈DMG Mori Global One〉世界一周データ】
理論上の走行距離:24,365マイル、平均10.70ノット
実際の走行距離:29,067.67マイル、平均12.76ノット

キーポイント
赤道通過・往路
2020年11月27日5分43秒
スタート後18日16時間23分後、トップのアレックス・トムソン〈HugoBoss〉から遅れて8日16時間24分後。31位。

喜望峰通過
2020年12月11日10分53秒
スタート後32日21時間33分後、トップのチャーリー・ダリン〈Apivia〉から遅れて10日11時間42分後。25位。

オーストラリア・ルーイン岬通過
2020年12月24日4分43秒
スタート後45日15時間23分後、トップのチャーリー・ダリン〈Apivia〉から遅れて10日17時間17分後。22位。

ケープホーン通過
2021年1月13日17分3秒
スタート後66日3時間43分後、トップのヤニック・ベスタベン〈Maître CoQ IV〉から遅れて11日3時間20分後。21位。

赤道通過・復路
2021年1月27日21分48秒
スタート後80日8時間28分後、トップのルイス・バートン〈Bureau Vallée 2〉から遅れて11日2時間36分後。18位。

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