激走、日経大!全日本インカレ大会2日目
11月2日、琵琶湖で開催中の全日本学生ヨット選手権2日目。前日の低気圧は過ぎ去ったものの、低い雲におおわれた湖畔には、まるで冬のような寒さがおとづれました。背景に従える山肌から雨を降らせる雲が迫り、雲の切れ目から日が差したと思えば、その5分後には雨が降る、といった局地的で不安定な天気です。(BHM編集部)
右、左からブローが入り乱れる琵琶湖。前日はマスト15本が折れる強風、大会2日目は軽風のなかで3レースおこなわれました。photo by Junichi Hirai
風はまばらで、ブローの強弱が激しく、雨雲の通過と同時に風が一気に吹き上がったり、風がなくなったり…。山の合間の吹き出し口からは、右寄り、左寄りのブローが入り乱れ、いかにも琵琶湖らしいコンディションとなりました。
このような不安定な風のなかでうまく走らせていたのは、関西学院大です。前年度470級優勝、総合準優勝の関西学院としては、初日は悔いの残る結果だったことでしょう。470級、スナイプ級ともに、セールに描かれた関西学院大の三日月エンブレムが、まとまって上位にあらわる場面が目に止まりました。
そのほかの大学はほぼ凹凸のある成績に。このようなコンディションで成績をまとめるのはむずかしいものです。しかし、両クラスの本命校はミスを犯しません。特に470級の日経大は第1レースをワン・ツー・スリー・フィニッシュを決めて勢いに乗り、圧倒的なセーリング力でグングンと後続に差を広げます。
「今年のチームは歴代最高です。今村、土居、岩下のスキッパー陣はナショナルチームにも劣らない。それにクルーの外薗(主将)は海外レースでも通用する技術があります。ヨットレースの考え方は、どこのレースに行っても変わりません。基本を忠実に。最高のボートスピードで走ること。風を読んでコースを考えること。琵琶湖だからといって特別なことはしていません。不安があるとすれば、風がなくなってもレースがおこなわれることです」
こう言い切るのは、名伯楽として知られる日経大・三船和馬監督。この言葉が間違いでないことは、レースを観戦している人なら疑わないでしょう。ボートスピード、クルーワーク、あらゆるテクニックが他大学と異なっています。スピンアップ、ダウンだけを見ても、他大学に1艇身以上の差を広げ、これが得意とする強風だけでなく、きょうのようなトリッキーな軽風でも同様の結果となってあらわれています。
平成15年大会で日経大が「初出場・初優勝」というセンセーショナルなデビューを飾って以来、過去9回の出場で6回の優勝を飾っています。恐ろしいことに日経大は全日本インカレで連敗した記録がありません。
スナイプ級の活動をおこなっていないため、総合優勝に絡むことはありませんが、「年間合宿寮、専属コーチ、毎日のトレーニング」という強化環境と、世界を目標に設定する選手たちの意識は、インカレ至上主義の壁をあっさりと打ち崩しました。
さあ、明日以降の予想天気図は、日本列島が高気圧に覆われてくるため風が弱くなる傾向です。このまま本命校が逃げ切るのか。それとも伏兵が待っているのでしょうか? 折り返し地点を過ぎた琵琶湖全日本インカレに注目です。
第2レースで1、2、3フィニッシュを決めた日経大。3艇が連なってフィニッシュラインへ向かいます。photo by Junichi Hirai
大会2日目ダイジェスト映像。Daily sailing.com
大会2日目470級成績。(スナイプ級の成績はまだ発表されていません)
◎全日本インカレ特設サイト
http://alljapancollegesailing.com
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