豪遠征、ハードなハイクアウトを!
オーストラリアレーザー選手権5日目(1月3日)。いよいよ決勝ラウンドが始まりました。日本チームの2艇はそろってスピード練習をおこないながらレース海面に向かいます。ブリスベンに来てから強風中心のレースでしたが、今日は風の入りが遅く、軽風のレースがひとつできました。(レポート・写真/佐々木共之 JSAFジュニア・ユース育成強化委員会委員長)
◎第9レース
スタートラインチェック時に吹いていた風が20秒前に風下に振り、あわせて風速が落ちてきました。レース海面は風の強弱がはっきりして、ブローに乗れない艇からどんどん離れていきます。多田は上側からのスタートで出遅れ、タックして振れに合わせますが、ブローが十分に届かない位置で苦戦しました。
土居は中央アウター寄りからスタートしましたが、スタート後、即タックしてきた艇団を受けることができず、艇団の後ろを通りブローを取りに行きます。この間のヘダ―を走る距離が長すぎました。土居21位、多田30位で第1マークを回航。風は3mまで落ち、さらに左に振りました。下マークではC旗が揚がりコース変更。
ここまでで2人は共に4艇を抜き、「ブローをつないでリフトをより長く走る」丁寧な走りで土居11位、多田20位に浮上。さらに土居はフィニッシュまでの上りで、タクティクスをしっかり実行し、直前の艇を僅差で抑え充実したレースとなりました。
◎第10レース
海風がしっかり入るまでレースは延期され、スタンダードクラスから再開です。やはりゴールドフリートになるとスタートの攻防が激しくなります。自艇の風下にスペースを取り過ぎていれば、他艇が割り込んできます。このスタートでも土居は15秒前に風下に割り込まれ、スタート失敗。タックして挽回を図ります。
第1マーク付近での風向は、岸に近づくにつれ右にベンドする傾向です。その位置までブローとリフトをつないで集団に負けない位置関係で行けるかがポイントです。帆走している姿からトップ集団と日本チームの2人のハイクアウトの差が感じられます。集団と共に良い位置で走りだしても、数分後にはタックして逃げなければならない状況は、タック回数を増やし、競い合うステージから徐々に下がってしまいます。日本チームに必要なものはスペシャルテクニックでなく「ハードなハイクアウトを続ける帆走能力」という地味ともいえる取り組みであると痛感しました。
土居14位、多田21位でフィニッシュです。両艇との最後の上りは、アプローチを考え順位を守りながら攻めるという走りを実行できてきました。明日は大会最終日。最後の最後まで実りあるレースになるよう準備したいと思います。
レース前には2人揃ってスピードチェックをおこないます
オージー流?の洗艇マシンです
◎AUSTRALIAN LASER CHAMPIONSHIPS成績
16位 土居愛実 8-17-11-8-12-11-13-11-16-14 98p (女子4位)
24位 多田桃子 13-9-8-14-10-15-18-12-24-21 126p(女子6位)
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