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土居愛実10位へ上昇。メキシコ・レーザーラジアル級世界選手権3日目

 4月14〜20日まで「レーザーラジアル級女子世界選手権」が、メキシコ・プエルトバヤルタで開催されます。この大会にリオ五輪日本代表の土居愛実が出場します。昨年のオマーン世界選手権では日本過去最高となる総合8位、今年2月にグラン・カナリア島でおこなわれたヨーロッパ選手権で7位を獲得。この成績はこれまでの日本では考えられなかった結果であり、土居愛実は世界のなかでも現在進行形で急成長している選手です。(BHM編集部)

14日から始まっているレーザーラジアル女子世界選手権。大会3日目は昼過ぎから入ったシーブリーズで3レース実施しました。photo by Junichi Hirai

 バルクヘッドマガジン編集長は、この世界選手権の取材撮影のためプエルトバヤルタへやってきました。開催場所はホテル一体型巨大リゾート施設内にあるバヤルタヨットクラブ。編集長がプエルトバヤルタに来るのは二度目で、以前は2007年J/24世界選手権の時に来ました。

 約10年前になりますが、当時を思い出してみると…。海から川に入った場所にはワニがいる。沖には黒いイルカの大群がいる。施設内でトラが飼われた。町に出て偶然に木を見たらそこにイグアナがいた、ぐらいでしょうか。肝心のヨットレースは「毎日いい風が吹いていた」程度しか覚えていませんが、野性味あふれる土地柄に間違いありません。

 レーザーラジアル世界選手権は3日目に入り、引き続き2グループに分かれて予選シリーズがおこなわれています。土居が「ダウンウインドがよくなってきている」と言うように、後位置からでもグングンと追い抜く印象的な展開で、総合10位へ上がってきました。

「メキシコに来る前は、リオで合宿していました。オランダのマリット(マリット・ボウミスタ。ロンドン五輪銀メダル、2度の世界チャンピオン)と毎日練習して、自分が速くなっているのを感じています。ボートスピードは自信があります。逆にスタートがうまく出られないようになっている。この大会では、レースで学べることを掴んでいきたいです」(土居)

 現在、世界のラジアル女子の動きは、ヨーロッパ組とワールド組、リオ合宿組にわかれて、大会を選んで出場しています。これは、ほかのクラスでも同じような現象が起きていて、選手たちは無理のないように出場する大会を調整しています。

 たとえば、この世界選手権にはプリンセスソフィア杯で優勝したフィンランド、2位のベルギーは出場していません。また、この大会後、すぐにフランスでISAFワールドカップが開催されます。昨今ワールドセーリングが批判されている五輪レガッタが多くなり、バランスが崩れている状況が分かるでしょう。

 もどかしく連続開催される国際大会は、今後もワールドセーリングとクラス協会にとって大きな問題になるでしょう(3月に重複日程で開催された国内ユースワールド選考を踏まえると、この問題はJSAFと日本のクラス協会や高校組織にもあてはめられるかもしれません)。ただし、こと2016年に限って言えば、トップセーラー全員の視点がリオ五輪に向いているため、レガッタよりも各自のオリジナルプランが優先されるためさして問題はない、といえるかもしれません。

 大会は明日17日までが予選となり、18日より上位下位グループに分かれる決勝フリートに進みます。※レーザー級世界選手権では、メダルレースはおこなわれません。

慶応大4年の土居愛実。リオ本番まで海外遠征漬けのハードスケジュールですが元気にやってます。日本食好きで「マイ炊飯器を世界中持ち運んでます」とのこと。photo by Junichi Hirai
アメリカ資本を強く感じるプエルトバヤルタ・ヨットクラブ。本大会のレース本部です。photo by Junichi Hirai
スロープは1つですが、参加71艇が2グループに分けられているので混乱少なく出艇できます。プエルトバヤルタ・ヨットクラブでは、ラジアルのほかにスタンダード、マスターズワールドも時期をずらして開催されます。photo by Junichi Hirai
ラジアル界の女王、オランダのマリット・ボウミスタ(27歳)。3日目を終えてトップに立ちました。photo by Junichi Hirai
優雅に空を舞うペリカン。日本ではなかなか見る鳥ではありませんが、海上を飛びまくっていました。photo by Junichi Hirai
昨年から選手へ復帰したロンドン五輪金メダリストのリーシャ・シュー。photo by Junichi Hirai
天気は曇りから快晴へ。夕方近くになるとどんよりした雲が海上にあらわれました。photo by Junichi Hirai
美しく立てかけられた船台。世界選手権は全艇(新艇)チャーターボートでおこなわれます。photo by Junichi Hirai
レーザーラジアルのバース。宿(パラダイスビレッジ)が併設されているので、部屋から数分でアクセスできます。photo by Junichi Hirai
デモンストレーション用に展示(実際に海にも出るようです)されているフォイリング・レーザー。センターボードとラダーにウイングがあり、センターに(飛ぶ量を調整する)ウォンドが取り付けられています。photo by Junichi Hirai


ラジアルワールド3日目ダイジェスト映像

◎レーザーラジアル級女子世界選手権 大会3日目成績 参加71艇
1. Marit Bouwmeester NED 7.0p
2. Paige Railey USA 12.0p
3. Erika Reineke USA 18.0p
4. Alison Young GBR 20.0p
5. Anne-Marie Rindom DEN 20.0p
6. Gintare Volungeviciute Scheidt LTU 22.0p
7. Luca Falasca ARG 25.0p
8. Dolores Moreira Fraschini URU 31.0p
9. Brenda Bowskill CAN 31.0p
10. 土居愛実 JPN 34.0p

◎Laser Radial Women’s World Championship 2016
http://laserworlds2016.org/

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