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テーザー全日本レポート。伊藤・本吉組が後続を振り返らず完全優勝を果たす

 2011年以来、久々に葉山に戻ってきたテーザークラスの全日本選手権。10月20、21日の2日間に渡り開催され、大阪北港・芦屋・蒲郡・浜名湖・葉山・稲毛・江の島・北海道の各地から33艇が集まりました。(レポート/日本テーザー協会)


全レーストップの成績で優勝した伊藤・本吉組。photo by Junichi Hirai

 今大会は、葉山らしい広々とした海を満喫しようという運営側の心意気がありました。選択されたレースエリアは日本初のテーザーワールドが繰り広げられたエリア。地元葉山の運営チームの思いも熱くなります。

 手弁当で運営する葉山フリートの運営メンバーにはGPSなどの機器はなく、マークの視認が困難でしたが、運営に参加してくれた成城大学のヨット部員の若い視力を頼りにベストコースを設営、舞台を整えました。

 思い起こせば、昨年の蒲郡ワールドでチャンピオンとなったテーザーレジェンド、ジョナサン&リビー・マッキ―もここで開催された葉山ワールドがテーザーワールドが初参戦でした。


葉山で開催された全日本は2日間18ノット前後の北風に恵まれました。photo by Junichi Hirai

 全日本らしい舞台は整い、数度のゼネラルリコールの後、第1レースがスタート。伊藤・本吉組がリードして1上を回航するものの、これがまさかのマーク誤認。後続艇もこれに続いてしまったため、第1レースは中止されます。

 第2レースは、昨年のチャンピオンである山村・吉田組、続いて軽部夫妻組がリード。しかし、2上の展開で、有利な左海面に展開した伊藤・本吉組と山本・鈴木組が上がり、そのまま、1位、2位でフィニッシュとなります。

 第3レースは、伊藤・本吉組が他の追随を許さないクローズのボートスピードと堅実なコース選択で、他を圧倒し、初日オールトップでリードします。

 結果、初日の暫定順位は、1位に伊藤・本吉組、2位に軽部夫妻組、3位に地元葉山の小松・西原組となりました。


総合2位の軽部夫妻組。photo by Junichi Hirai

 夜はレセプションパーティーに盛り上がりますが、ハイクアウトとプレーニングで葉山の海を満喫した選手たちにはセーリングでお腹一杯の様子もチラホラと見受けられます。

 明けて2日目。第4レースも、前日同様、伊藤・本吉組がフリートをリードします。小松・西原組が続くものの、残念ながらUFD。また、山村・吉田組はこのレースがDNSと上位グループにトラブル発生。そんな中、堅実に軽部夫妻組がスコアを伸ばし、このレースで2位フィニッシュとなった田中夫妻組が追い上げるきっ掛けをつかみます。

 さらに、今大会唯一の女性ペア、松苗・齋藤組が好順位に。女性の活躍は、テーザークラスの特長のひとつでもあります。齋藤選手のハイクアウトフォームは実に美しく、2人のコンビネーションは今後を期待させるものがありました。

 第5レース、もはや誰も手を付けられない伊藤・本吉組が自分たちのボートスピードとコース選択を信じて、後ろを振り返らないままトップフィニッシュし、優勝を決めます。

 残るは、2位以下の入賞争い。田中夫妻組が2位につけ、スコアをさらに挽回、小松・西原組、軽部夫妻組と続きます。結果、2位争いは、稲毛の軽部夫妻組と葉山の小松・西原組の争いになりますが、ここで風が東の風に変わり、やや風が落ちていきます。

 最終第6レースは、東寄りの風が入る中、上寄りのスタートが大混雑。大量のUFDを出した混乱スタートをうまく抜け出した伊藤・本吉組と軽部夫妻組が1位、2位となり、伊藤・本吉組が完全優勝を達成。苦手な風域をなくし、着実なスコアメイクを身につけた軽部夫妻組が総合2位になり、テーザーマスターとしてベテランの域を極めつつあるところをみせます。

 伊藤・本吉組は、蒲郡ワールドの後も着実なステップを踏み、この全日本に向けては最後の1週間をしっかり乗り込んで、絶対的なボートスピードを身につけて、全日本初優勝に臨みました。確固たる自信を感じさせるスピードとレース展開が見事でした。


地元葉山の小松・西原組は総合3位。photo by Junichi Hirai

 次の公式戦は 2019年3月10日 に江の島で開催されるウィンターレガッタです。2018年度スケジュールはホームページに掲載しています。(http://tasarjapan.org/index.php/events/208-2018schedule

 テーザークラスは、従来のボートからハイパフォーマンスディンギーへの橋渡しをしたようなボートで、49erなどでも有名なオーストラリアにあるベスウェイトデザインによるボート。

 従来のボートでは物足りない方、過激なボートに踏み込めない方、男女問わず、年齢問わず、マルチなニーズに応えるクラスです。「ちょっと乗ってみたい感じだったんだよなぁ」という学生さんの試乗なども歓迎です。


圧倒的なスピードで優勝を果たした伊藤・本吉組。photo by 日本テーザー協会


選手一同、風に恵まれ大満足の2日間でした。photo by 日本テーザー協会


2018テーザー全日本選手権 最終成績

◎バルクヘッドマガジン・フォトギャラリー
テーザー全日本 10月21日 大会2日目
◎日本テーザー協会
http://tasarjapan.org/

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