【スナイプ】11年ぶり学生チャンピオン誕生!スナイプ全日本選手権最終日
11月19日、「全日本スナイプ選手権」最終日は、3レースおこなわれました。前日トップの近藤康史/鈴木恵詞、2位の大井祐一/酒井則彰が失速するなかで、早稲田大の永松 礼/神宮泰祐(4年/3年)がトップ2回を取って大躍進。社会人チームを退け、11年ぶりとなる学生チャンピオンが誕生しました。(BHM編集部)
最終日に逆転優勝を決めた永松/神宮。photo by Junichi Hirai
早朝、富士山がくっきりと見えた相模湾は徐々に低い雲が広がり、冷たい北東風が吹いています。風は葉山の陸風らしく振れ幅が大きく、タイティクスが重視されるレース海面です。
スナイプ全日本最終日は、ヨットレースとしてこれ以上のないドラマチックな展開が待っていました。
第1レース前に大井/酒井が他艇との接触による艇トラブル、近藤/鈴木がUFD(リコールによる失格)、さらに2レース分の得点カットが成績に加わったことで、優勝ダービーは全く予想できなくなりました。
優勝候補の近藤/鈴木は第2レースも順位を落として(57位)、連続でカットレースを作り、大井/酒井は接触部分から艇体に浸水してきたことでリタイア。ここで上位にあがってきたのは、永松/神宮と神谷航路/高曽陽平です。
2レースを終えた時点で永松/神宮、神谷/高曽は、同点首位に立ちました。最終レースはゼネリコを繰り返し、レース終了が頭をよぎりますが、規定ギリギリの11時59分に予告信号があがってレーススタート。
風は8ノット程度、左海面に時折入るブローと、徐々に右にまわるレース海面全体のシフトが重要視されるコンディションです。「スタート後、右海面を攻めるべきだった」とは、レース後の神谷/高曽のコメント。神谷/高曽は、順位をあげることができずに15位に。
永松/神宮は1上マークこそ20番程度でしたが、ダウンウインドレグで上位グループに追いつき、2上マークで2位へ。さらにシフトをうまくつかみ、1位を走っていた近藤/鈴木をかわしてトップフィニッシュ。劇的な大逆転ドラマを見せて優勝を勝ち取りました。
「勝てると思っていない(前日までの)点差だったので、陸に戻って得点計算して「勝ってる」とわかりました。かなり驚いています。陸風は得意な方。スタートでミスしても焦らず、優先することを守って挽回できました。もっと吹いたらチームの合計体重が足りずキツかったので、風にも恵まれたと思います」(永松)
「去年の全日本スナイプで(永松と)チームを組ませてもらったんですが、20位で振るわず。今年はそのリベンジで出場しました。去年は自分のミスがあったので、リベンジを果たせたかなと思っています。このレースで素晴らしい経験ができたので、ヨット部の活動につなげられるようにしていきます」(神宮)
第70回大会は、大学生チームが最終日に逆転優勝を遂げるという、これ以上ないドラマチックな展開になりました。本大会は、風にも恵まれて10レースを実施。永松/神宮は、文句なし、実力で勝ち取った優勝といえます。
また、本大会では、優勝チームをはじめ、早稲田大現役・卒業生の活躍が印象に残りました。2位の鈴木、3位の神谷は同校の卒業生で、さらに1年/2年コンビの松尾虎太郎/原 潤太郎が7位に入る健闘をみせました。3レースで終わってしまった全日本インカレのフラストレーションを爆発させたかのようです。
レースが終わり、爽やかな青空が広がるなか、第70回記念大会が閉幕しました。来年のスナイプ全日本選手権は8月後半に福岡小戸で開催されます。
◎第70回全日本スナイプ選手権
http://www.kanagawa-sailing.org/snipe-jpn-nationals2017
葉山沖はブローの強弱があるシフティな海面。最終日は大きな順位変動がありました。photo by Junichi Hirai
最終日は1-21-1位。シリーズを通して安定スコアが際立った永松/神宮。photo by Junichi Hirai
最終日3レースは全て大学生がトップフィニッシュ。写真は第9レース1位の小澤/畠(慶応大4年/4年)。photo by Junichi Hirai
閉会式後、永松/神宮が海に投げ込まれるセレモニー。photo by Junichi Hirai
第70回大会もスナイプらしくアットホームでシビアなヨットレースがおこなわれました。photo by Junichi Hirai
バルクヘッドマガジン・フォトギャラリー
前日・開会式
レース初日
レース2日目
レース3日目
最終日・閉会式
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