改革が迫られる世界一周ボルボ・オーシャンレース、今秋スタート
世界一周レース「ボルボ・オーシャンレース」スタートまで200日を切りました。現在のエントリーは4チームで今秋のスタートに向けて準備が進められています。その流れの中で、はやくも次回(2020-21年)大会で採用される新艇のデザインが、5月18日に発表されます。(BHM編集部)
【2017-18年 ボルボ・オーシャンレース概要】
第1レグスタート:2017年10月22日 スペイン・アリカンテ
エントリーチーム:4/11現在
・Team AkzoNobel (NED)
・Dongfeng Race Team(CHN)
・MAPFRE(ESP)
・Vestas 11th Hour Racing(USA / DEN)
乗員規定:複数パターン有
男性7名、男性7名+女性1or2名、女性7名+男性1or2名、女性5名+男性5名、女性11名
寄港地:11レグ
アリカンテ(ESP)〜リスボン(POR)〜ケープタウン(RSA)〜メルボルン(AUS)〜香港・広州(CHN)〜オークランド(NZL)〜イタジャイ(BRA)〜ニューポート(USA)〜カーディフ(GBR)〜ヨーテボリ(SWE)〜アーグ(FRA)
得点方式
レグごとの得点に加え、ロングレグやホーン岬、最短時間等によるボーナス得点。インポートレースの得点は総合成績に加味されない。
ボルボ・オーシャンレースの魅力は削がれてしまったのか?
現在、世界で注目される世界一周ヨットレースは、ボルボ・オーシャンレースとヴァンデ・グローブです。しかし、その内容は大きく異なり、ひとり乗り無寄港無補給世界一周のヴァンデに対し、ボルボはフルクルー(男性の場合7名)、世界一周を11レグに分けてポイント制で競います。
ボルボ・オーシャンレースでは、前大会からワンデザインボートが採用されました。70から65フィートに縮小され、全チームが同じデザイン、同じ造船所でつくられたボルボオーシャン65で世界一周を競います。
ワンデザイン採用の背景には、ボート性能を均一化(セールはもちろん、使用するナビゲーションアプリ、電子海図も限定されます)して安全性とゲーム性を高め、チーム費用を削減することで参加チーム増加を期待しましたが、その反応はいまひとつです。
ボルボ・オーシャンレースの歴史(旧ウィットブレッドレース)。第3回(1981-82年)では29艇の参加を集めましたが、前大会(7艇)、今大会(4艇)と減少傾向にあります
編集部の印象では展開が早くなりゲーム性の魅力は増したものの、得点方式が複雑になったり、クルーが乗り替わるのでチームに感情移入しにくく、(世界一周なのに)短距離走を競っているようにみえてなりません。エキサイティングでドラマティックなシーンはもちろんありますが、過去大会の大迫力には及ばず。中途半端なイメージはぬぐえません。
この理由は、わたしたちファンが、ほぼリアルタイムで視聴できる刺激的な映像に慣れてしまったせいもあるでしょう。今秋スタートの同大会に現在4チーム(前大会は7チーム出場)しかエントリーしていないことが、現状をあらわしているように思えます。
そこで、ボルボ・オーシャンレースでは、ボルボオーシャン65に変わる新デザインが検討されています。設計チームに、AC艇(チームニュージーランド)やマキシ・トライマラン〈Edmond De Rothschild〉(GITANA)、IMOCA60の〈HUGO BOSS〉、〈Banque Populaire VIII〉の設計プロジェクトに参加してきた、ギヨーム・ヴェルディエ氏(FRA)が加わったことで、ハイパフォーマンス化が推められると予想されます。
次期ボルボ・オーシャンレース艇は、マルチハルになるのか? フォイリング艇になるのか? それともモノハルで新たな魅力のボートになるのか? 5月18日の発表を楽しみにしたいと思います。とはいえ、秋スタートのボルボ・オーシャンレースは、ワンデザイン・ボルボオーシャン65で戦うのですが。
新デザイナー、ギヨーム・ヴェルディエの参加で新ボルボ艇はどう変わるのでしょうか?新艇は5月18日に発表されます
いち早く出場を発表したDongfeng Race Team(東風レースチーム)は男女混合チームになります。オランダのベテラン女性セーラー、キャロリン・ブラウワーとナクラ17級のワールドチャンプでリオ五輪代表、ビリー・ベッソンのクルーをつとめたマリエ・リオウ(写真)がチームに加わります。photo by Eoi Sticheibaut
◎Volvo Ocean Race
http://www.volvooceanrace.com/
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