11月21日、世界一周ヴァンデ・グローブがスタートして二週間が経ち、さまざまなドラマ、トラブルが起きています。トップを快走している〈HUGO BOSS〉Alex Thomson （GBR）にフォイルトラブル。水面下で何かに衝突し、スターボード側のフォイルボードを破損。使用困難な状況となっています。しかし、Alex Thomsonは、スピードダウンを強いられながらもレースを続行するようです。（BHM編集部）

スターボード側のフォイルの破損でスピードダウン。反対側（ポート）のフォイルは正常なので、ポートタックではハイスピードを保てているようです。photo by Jean Marie Liot / DPPI / Vendee Glove

　ただいまレース艇は大西洋レグを南下。赤道を越えてリオ・デ・ジャネイロ沖をさらに南へ進み、南氷洋レグへと向かっています。トップ５のうち４艇が快速フォイル艇、Vincent Riou（FRA）だけがノーフォイル艇という図式は変わっていません。トップのAlex Thomsonのダメージ、そして、スピードダウンの影響が気になるところです。

　また、Tanguy de Lamotte（FRA）はマストトップの破損により、出港地のレ・サーブル＝ドロンヌへ戻り修理する意向。Bertrand de Brocはハル（キールの付け根）にダメージを受けてレース続行が不可能となりリタイアしました。

　白石康次郎選手は現在18位につけています。赤道付近ではスコールと振れまわる風に翻弄されたようですが、19日に無事に赤道を通過。八海山（日本酒）で祝杯をあげました。

　世界一周まで残り２万マイル（3万70000キロ）。全走行距離の約20パーセントを終えました。

スタート地へ引き返すことになったTanguy de Lamotte（FRA）。マストトップのダメージでセールを十分に上げることができません。しかしリタイアしておらず、修理をして再出発を試みます。photo by Tanguy de Lamotte

出港時のAlex Thomson。スタートから後続にリードを保ち昨年の世界記録を上まわるハイスピードで走っていただけにフォイルトラブルは残念です。photo by Mark Lloyd / DPPI / Vendee Globe

11月18日、大西洋赤道付近の美しい夕焼け。「昨日から上りいっぱいで走っている。パンチングが激しく、頭と腹に響く。赤道無風帯は抜けたようである。今回は何日も止まることがなかった。風の神様に感謝！ 風の弱いときに、両舷のラダーのヒューズをダブルにとった。 今までラダーがキックアプすることが多かったので、この方が安全だろう。 ただし、ラダーに何かが衝突した場合被害が大きくなる。今回は完走を大切に考えているので、予備ラダーを積んでいる。 いざとなったらラダーを交換するつもりだ。 それよりも、余計な心配はせずに成功を信じることが大切である。 報道ステーションとの生中継もできた。とてもラッキーなことである。 来週は南半球からの中継になるでしょう。今日の夜に赤道を通過する。 明日は八海山でお祝いをしよう」（白石康次郎フェイスブック・コメントより）。photo by Kojiro Shiraishi

11月19日、赤道を通過しました！photo by Kojiro Shiraishi

ヴァンデ・グローブ15日目ハイライト。Bertrand de Broc〈MACSF〉のキールトラブル、Alex Thomsonのダメージレポート

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