470級女子予選終盤へ。吉田／吉岡6位、リオ五輪セーリング7 日目

2016.08.15

　8月14日、リオ五輪セーリングは決勝メダルレースがはじまりた。大会７日目はRS:X級男女のメダルレースがおこなわれ、男子はオランダがロンドンに続いて連覇、女子はフランスが逆転金メダルを獲得しました。（BHM編集部）

吉田愛／吉岡美帆。順位を落としましたが、上位との得点差はわずかです。photo by Junichi Hirai

　北京五輪からはじまったメダルレースは、上位10艇による決勝レースです。得点が２倍、オンザウォータージャッジでフィニッシュ後に順位が確定することから、メダル獲得のドラマを演出する役割があります。

　RS:X級女子のフランス金メダル、中国の銀メダル獲得は、まさにメダルレースが作り出した逆転劇でした。しかし、RS:X級男子のように前日までに金銀のメダルが確定してまったり、本日の予選が終了した段階で金メダルが確定してしまったフィン級（イギリスが金メダル確実）を見ると、最終日の意味やメダルレースの価値が薄まってしまうのも確か。メダルを決める決勝レースが、単なる「凱旋セーリング」になってしまいます。

　それで良い、という意見もありますが。勝ち負けの興味がそがれるのは当然で、ここに現行ヨットレースの得点方式の限界があるように思えます。ワールドセーリング（国際セーリング連盟）は、五輪セーリングを魅力的にするためとして、たびたび艇種変更のアイデアを出しますが、ヨットレースの魅力は艇種ではなく、レース（コース）方式や得点方式にあるように思えてなりません。

　さて、大会７日目も予選シリーズは続いています。前日まで２位の470級女子は２レースおこなわれました。風は弱く、風の振れ幅の大きいコンディション、さらにショートコースです。吉田愛／吉岡美帆は、第６レースを本部船寄りからスタート。右海面のクリアな風をつかみグループを先導しますが、上マーク周辺のシフトで左グループに先行を許していしまいます。このレースは９位でフィニッシュしました。

　続く第７レースでは大混戦のなかをポートアプローチでうまく入り込んで、上マークを２位回航。しかし、ダウンウインドレグで42条違反（パンピング他）により、ジュリーから720度回転のペナルティーを与えられてしまいます。このロスにより大きく順位を下げて12位フィニッシュ。総合順位を６位に落としてしまいました。

　470女子は首位イギリスは変わらずに、２位に本日好調だったアメリカ、３位オーストリアが上昇してきました。しかし、吉田／吉岡の上位との得点差はわずかです。明日の予選最終日は３レース予定されているため、順位が変動する可能性は高いといえます。

　15日大会８日目は、レーザー級、ラジアル級のメダルレース。日本は470級男女、49er級、49erFX級の予選レースがおこなわれます。

◎バルクヘッドマガジン・フォトギャラリー
◎World Sailing Rio 2016
http://www.sailing.org/olympics/rio2016

470級男女は、うねりのあるグアナバラ湾外でおこなわれました。photo by Junichi Hirai

どうしても定位置から抜け出せない土居一斗／今村公彦。明日予選最終日です。photo by Junichi Hirai

RS:X級女子金メダルのフランス。photo by Sailing Energy

RS:X級男子のメダリスト。photo by Sailing Energy

記者会見に出席する、RS:X級女子で銀メダルを取った中国。本大会アジア初のメダルになりました。隣りにいるのは通訳ですが、選手自身は流暢な英語で質問に答えていました。photo by Junichi Hirai

470級女子暫定成績。8月14日7レース終了時、吉田愛／吉岡美帆6位

470級男子暫定成績。8月14日7レース終了時、土居一斗／今村公彦21位

RS:X級男子最終成績
1. NED Dorian Van Rysselberghe 25p
2. GBR Nick Dempsey 52p
3. FRA Pierre Le Coq 86p
15. 富澤慎

RS:X級女子最終成績
1. FRA Charline Picon 64p
2. CHN Peina Chen 66p
3. RUS Stefania Elfutina 69p
20. 伊勢田愛

49er級暫定成績。8月13日5レース終了時、牧野幸雄／高橋賢次5位

49erFX級暫定成績。8月13日5レース終了時、宮川恵子／高野芹奈20位

ラジアル級暫定成績。8月13日10レース終了時、土居愛実20位

====================================
わたしたちは走り続けるセーラーを応援します
BULKHEAD magazine supported by
セイコー
ポール・スチュアート
ジャストヨット運送
日本レジャーチャンネル
ベイトリップセーリング
パフォーマンスセイルクラフトジャパン
SAILFAST
ウルマンセイルスジャパン
ノースセールジャパン
フッドセイルメイカースジャパン
アビームコンサルティング
トーヨーアサノ
リビエラリゾート
Velocitek
コスモマリン
Gill Japan／フォーチュン
JIB
一点鐘
エイ・シー・ティー
ファクトリーゼロ