吹き上がる蒲郡沖、全日本ミドル2日目
7月15日、蒲郡・全日本ミドルボート選手権2日目。朝から曇天の三河湾は、早朝9時のスタート予定でしたが、風が安定せずに約1時間の海上待機。その後、低い雲が流れ去ると同時に南西風がしっかり入り、4レースを消化しました。(BHM編集部)
この連休の三河湾はOP級東日本大会がおこなわれ、また、今秋に海陽ヨットハーバーで開催される岐阜国体の練習をする選手がいたり、たくさんのジュニア、ユースセーラーが海に出ています。全日本ミドルがおこなわれているのは、ディンギー海面のさらに沖。三河大島の南方になります。周辺の水深は浅いため、波は小刻みですが、地形の影響か不規則な波も立ち、パンチングされやすいイヤな海面です。選手たちからは、スターボードで波に叩かれ、上マークへのアプローチがむずかしいということを聞きました。
風はコンスタントにあがり、15ノットオーバーの選手権の舞台には申し分ないコンディションに。大会2日目に頭角をあらわしたのは、駿河湾・沼津から出場する〈ミワ〉(SYDNEY36)です。マッチレース、スナイプ、ビッグボートで活躍してきた中村 匠が舵を取り、抜群のスタートを決めて艇団を抜け出すと、上位で上マークへ向かってきます。船の性能から上位レーティング艇に遅れをとってもよさそうですが、しぶとい走りが印象的でした。
しかし、〈ミワ〉のさらに上を行くのは昨日からコンスタントに成績を重ねる〈ワイレア〉(X35)。ワイレアチームは、濱口 仁オーナー/ヘルムスマンを中心に、ボートキャプテンの赤井昌之(バウ)、本田敏郎(トリマー)、星野啓示(メイン)、吉田工作(タクティシャン)といった布陣です。バウの赤井の大きな掛け声がプレスボートに届くほど、シャキっとしたクルーワークを見せてくれています。
明日最終日のスタート最終予告14時。このまま〈ワイレア〉が二連覇を遂げるのか? それとも逆転劇が待っているのか? 最高潮に盛りあがりを見せる三河湾、全日本ミドルボート選手権最終日に注目です。
◎全日本ミドルボート選手権 2日目暫定成績
1. ワイレア 4-1-3-(7)-1-1 10p
2. ミワ (9)-2-1-3-2-7 15p
3. ホライゾン 5-(15)-4-6-6-4 25p
4.シュビシュバ 7-4-(29)-2-4-10 27p
5. アケア (11)-6-10-4-3-6 29p
6. デッセ 1-9-6-8-9-(12) 33p
7. アグネス (18)-3-8-5-5-14 35
8. ラッキーレディ8 12-5-5-(15)-8-5 35p
※成績は大会公式のものを参照してください。
◎2012全日本ミドルボート選手権(各レースの成績、航跡が公開されています)
http://www.tosc.jp/mb/
暫定首位の〈ワイレア〉。堅実なスタートとミスのないクルーアクションで隙をみせません。photo by Junichi Hirai
3位につけた〈ホライゾン〉。レーティングは最も低いもののボート性能を引き出し3位へ浮上。photo by Junichi Hirai
YAMAHA33S同型艇ライバル〈デッセ〉と接戦を見せる〈アグネス〉。photo by Junichi Hirai
軽風を得意とする〈デッセ〉は、吹き上がったなかでも走り切って現在5位。photo by Junichi Hirai
ハイスピードボートの性格上、どれだけ他艇を離してトップフィニッシュするかが課題となるGP33〈センチュリーファーストGP〉。第4レースで念願の修正トップを取りました。photo by Junichi Hirai
「弱い風よりこれぐらい吹いたほうが、いい走りができる」と〈ミワ〉の中村ヘルムスマン。〈ワイレア〉との勝負は最終日へ持ち越されます。photo by Junichi Hirai
4レースをおこない選手たちは一気に疲労度マックスに。また、ゼネラルリコールのため5回もやりなおしたスタートシークエンスも疲労を増長させました。粗のあるスタートは改善の余地ありです。photo by Junichi Hirai
ラグナマリーナはテーマパークとショッピングモール、レストランと併設されたヨットハーバー。ライトアップされる夜もきれいです。photo by Junichi Hirai
テーマパーク・ラグナシアでおこなわれた夜のパーティーでは、選手たちが出席して親睦を深めました。普段は地元で活動しているチームも、全日本という同じ目標を持つ仲間=ライバルに刺激を受けています。写真は清水から参戦したマイルストーンチーム。ミドルボートのチームは若いセーラーが多く、熱気あふれています。全日本のようにハイレベルの選手権を経験することは、チームの成長に大きく役立つことでしょう。photo by Junichi Hirai
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