Loading

2015年420イヤーを締めくくる、葉山420級全日本選手権最終日

 3日間、葉山で開催された420級全日本選手権。12月28日、最終日は気温がぐっと下がり、真冬の寒さが待っていました。海上は曇天。選手たちは頬に突き刺さるような風の中を出艇していきましたが、期待された風は徐々に落ちていき、微風の戦いとなりました。(BHM編集部)

15.12.28_313A4085
寒空の下、3レースおこなわれた葉山420全日本最終日。photo by Junichi Hirai

 北風ではじまったレースは、気温の上昇とともに南へ方向転換。一時、風がなくなる場面もありましたが、タイムリミットの午後2時までに3レースを実施しました。

 優勝は微風の最終日も崩さなかった高山大智/市野直毅(和歌山セーリングセンター)。高山は全日本初タイトルを獲得しました。2位には最終日の3レースで浮上した尾道佳諭/冨永理貴(山口県光高)、3位には宇田川真乃/大橋未奈(霞ヶ浦高)が入賞。女子優勝は同じく宇田川/大橋、また新設されたアンダー17クラス優勝は、蜂須賀晋之介/岩田慧吾(霞ヶ浦高)が獲得しました。

 微風から中風までの風に恵まれ全8レースを終えた本大会。420級の新時代到来となる2015年を締めくくる大会となりました。

 高校ヨット部の目標は、ご存知のように毎夏開催されるインターハイです。インターハイの流れとは別の全日本選手権の意味合いは、出場選手たちの考え方や目標設定によって違っているといえます。実際にこの全日本は、夏のインターハイで3年生が引退し、来年へ向けて作られた新チームによるトレーニングの一環として出場しているチームも多かったようです。

 その一方では、世界選手権を目標に、よりハイレベルな戦いを求める高校生セーラーもいます。420全日本は、世界選手権へ続くクオリファイレガッタであり、反対にインターハイは、ワンステージ上の国際大会へつながる大会ではありません。

 本大会は、新展開を迎えた420級の発展を期待できる内容でした。出場選手や各ヨット部の考え方に違いはありますが、願わくはユースセーリングの環境が整い、それにあわせて選手の実力も向上していってほしいと思います。

 また、本大会の上位入賞スキッパーはOP経験者が占めました。高校からセーリングをはじめた選手には、今回の成績を見て(もしかしたら)経験の壁を感じているかもしれません。しかし、海上で3日間観戦したバルクヘッドマガジンの意見は、まったく逆で、練習と考え方次第では、比較的に早い段階で経験者との差を埋められる、と感じました。

 420級全日本を観戦した感想は「まだまだ練習不足!」という厳しい現状です。来年は、ひとまわり成長した選手たちの戦いに期待します。

◎フェイスブックで420全日本の一部写真を公開しています
https://www.facebook.com/bulkheader
◎葉山420全日本選手権2015
http://www.alljpn420.org/

15.12.28_313A4131
吹いてもよし、風が弱くてもハズさなかった高山大智/市野直毅。市野はインターハイ、インカレ個人戦、国体、470全日本に加え、420級でもタイトルを獲得しました。「来年は海外大会でも結果を出したい」と市野。photo by Junichi Hirai

15.12.28_313A4226
微風から中風までコンディションに恵まれた葉山420全日本。最終日は弱い風に翻弄されましたが、上位を走る顔ぶれはほぼ決まっていました。photo by Junichi Hirai

15.12.28_313A4392
U17クラスは蜂須賀晋之介/岩田慧吾(霞ヶ浦高、総合5位)が優勝しました。photo by Junichi Hirai

15.12.28_7Z7A8983
優勝の高山大智/市野直毅。世界選手権で金メダルを獲得した高山(写真左、星林高3年)は、全日本初制覇。高校卒業後は、東京五輪を目標に活動したいという日本のホープ。470級ナショナルチームの市野は春からの欧州遠征を含めて(クルー・長谷川孝との)チーム力を高め、キャンペーン環境を充実させるのが目標。photo by Junichi Hirai

15.12.28_7Z7A8998
総合2位の尾道佳諭/冨永理貴。蒲郡OP全日本2位の尾道(写真左、長崎時津ジュニア出身。高校1年)が山口県光高へセーリング留学。冨永(2年)はウインドサーフィンを経験してヨット部へ。「目標に向かって練習して、勝った時はたのしいです」(冨永)。photo by Junichi Hirai

15.12.28_7Z7A8987
女子優勝の宇田川真乃/大橋未奈(霞ヶ浦高、総合3位)。バレーボールと和太鼓経験者の大橋(1年。写真右)は高校でセーリングを開始。インターハイ、国体制覇の宇田川(2年)とは秋から組んだ新チームです。「毎日乗っているので練習量は負けない自信があります。今はもっと体力をつけたい!」と宇田川。photo by Junichi Hirai

15.12.28_01
2015年420級全日本選手権成績

====================================
わたしたちは走り続けるセーラーを応援します
BULKHEAD magazine supported by
ジャストヨット運送
日本レジャーチャンネル
ベイトリップ セーリング
パフォーマンス セイルクラフト ジャパン
SAILFAST
ウルマンセイルスジャパン
ノースセールジャパン
フッドセイルメイカースジャパン
アビームコンサルティング
トーヨーアサノ
Velocitek
コスモマリン
Gill Japan/フォーチュン
JIB
一点鐘
エイ・シー・ティー
ファクトリーゼロ

CATEGORY:  DINGHYINSHORENEWS