念願の初優勝を手に江の島全日本へ!全日本インカレ個人戦最終日
9月6日、全日本インカレ個人戦最終日。蒲郡沖は前日までとは反対方向の東風が吹いています。空には雨雲の塊があり、雲の流れとともに土砂降り、小雨を繰り返す悪天候となりました。風はブローで最大20ノット。全日本インカレ個人戦最終日は、強弱あるシフト幅も大きいタクティカルな風で3レースおこなわれました。(BHM編集部)
雨の中おこなわれた全日本インカレ最終日。沈艇、リタイア艇も出るハードなレースになりました。photo by Junichi Hirai
注目の470級は、リードを持って最終日へ望んだ神木 聖/甲斐晋平(関西学院大)へ九州大の田中航輝/高濱 良が追い込みます。田中/高濱は第6、7レースで2-2位を取って得点差を一気に詰めました。神木は、第6レースからクルーを体格のある光森慎之助に変更して強風仕様で挑みますが、1点差にまで詰め寄られてしまいます。
最終レースは劇的な展開となりました。スタートから前に出たのは田中/高濱。逆転しなければ優勝できない神木/光森は追い抜く策を探しますが、強風の走りに定評ある田中/高濱を射程圏内に捉えられません。第3マークをまわった時点では田中/高濱がリードしていました。
しかし、2上のアップウインドレグで風がやや不安定になり、「風をよく見た」という神木/光森がシフトに合わせたタックでその差を詰めました。2艇は2上マークをほぼ同時に回航し、さらに風が弱くなった隙をついて神木/光森が前に出ました。最終レグでも1艇抜き、一瞬こぼれ落ちかけた勝利を守りきり、優勝を手にしました。
「蒲郡の風はよくシフトしていました。だから相手を意識せず、風に対するコース取りを意識していました。吹いたら(田中/高濱の方が)速いのは分かっています。最後に逆転できて最高にうれしいです。全日本インカレに向けてチームも勢いづきます。特に今回470チームは好感触で、2日目の最終レースで3艇がシングルで走ったことは、全日本でも通用する力がある、と自信につながりました」(神木・関西学院大)
また、スナイプ級は前日トップの島本拓哉/堀田芽ノ世(早稲田大)を山田剛士/北原 洋(同志社大)が逆転。最終レースでダントツのトップを走った島本/堀田が一時再逆転する場面もありましたが、山田/北原が首位を守り初優勝を決めました。
「大学に入ってからずっと個人戦で勝ちたいと思っていました。願いがかなって最高にうれしいです。最終レースは途中まで(島本/堀田に)負けていたので、そこから追い上げて優勝できたのもよかった。大会を振り返ると2日目の微軽風戦が重要だったと思います。ここで大きく崩さず最終日の優勝争いに残れたことが大きかった。心がけていたのは、コースの端に出るようなリスキーな走りをしないことでした。ただ、チームとしては最終日に早稲田、慶応の好調な走りを見て、自分たちはまだまだ詰めるところが多いなと感じています」(山田・同志社大)
全日本インカレ個人戦は予定していた全8レースを実施しました。微風から強風の風が吹き、江の島全日本インカレの前哨として各校の総合力を見る絶好の機会になりました。結果を見ると、前評判の高い早稲田大、慶応大、同志社大、関西学院大が総合力で抜け出ているように見えます。しかし、各校で得意、不得意の風域があり、風次第では(江の島に吹く風が弱かった場合)、他大学を含め混戦になるでしょう。バルクヘッドマガジン編集長は、この時期の江の島は「風が弱い」と予想しています。
すでに全日本インカレの出場予選を終えた水域もありますが、これから全国大会の切符を掛けた予選が各水域でおこなわれます。11月のインカレ本番まで残り2カ月。どの大学が舞台に上がってくるでしょうか。今年の全日本インカレも楽しみになってきました。
470級優勝の神木 聖/甲斐晋平/光森慎之助。シリーズ最小得点の選手へ与えられる最優秀選手賞(関山旗)も受賞しました。photo by Junichi Hirai
スナイプ級優勝、山田剛士/北原 洋(同志社大)。両クラスのスキッパーはヨット部主将をつとめています。photo by Junichi Hirai
シングルハンドレガッタ優勝の吉田慎一郎。現在、専修大2年の吉田は小5から横浜ジュニアでセーリングをはじめ、神奈川ユースでもシングルハンドの経験があります。「優勝できれうれしいです。船はヨット部の監督に借りて出場しました。レーザーの練習は部のトレーニングとして2、3回。最終日の風はオーバーパワーで走らせるのが厳しかったです。今年はインカレ全日本が江の島で開催されるので猛練習しています。秋の関東インカレで予選突破を目標にしています」(吉田)。photo by Junichi Hirai
※初日、2日目、最終日の写真(バルクヘッドマガジン・フェイスブック)
https://www.facebook.com/bulkheader
※愛知県ヨット連盟・中部学生ヨット連盟(成績速報)
http://www.ayf.jp/
※中部学生ヨット連盟フェイスブック(実況等)
https://www.facebook.com/pages/中部学生ヨット連盟/534506369935069
======================================
わたしたちは走り続けるセーラーを応援します
BULKHEAD magazine supported by
ジャストヨット運送
ポールスチュアート
日本レジャーチャンネル
リスクマネジメント・アルファ
ベイトリップ セーリング
ベストウインド
パフォーマンス セイルクラフト ジャパン
SAILFAST
ウルマンセイルスジャパン
ノースセールジャパン
フッドセイルメイカースジャパン
アビームコンサルティング
トーヨーアサノ
日本ORC協会
Velocitek
コスモマリン
Gill Japan/フォーチュン
JIB
一点鐘
エイ・シー・ティー
ファクトリーゼロ