ヨットレース繁盛記。復活したニッポンカップでフルスロットル!
3月21、22日に葉山で開催された「アウディ・ニッポンカップ スプリングシリーズ」(Audi NIPPON CUP)は、葉山マリーナヨットクラブの国際マッチレースの名称を引き継いで、11年ぶりに開催されたクルーザーレースです。相模湾でおこなわれる久々の華やかなヨットレースに31艇がエントリー。さてさて繁盛記の主役、ホビーホーク号もAudi NIPPON CUPに出場し、クラス2位の好成績をおさめたのでありました。うん、がんばった!(BHM編集部)
Audi NIPPON CUPは春と秋の2回開催されます。ホビーホーク号も気合入れて参戦しました!photo by Junichi Hirai
Audi NIPPON CUP 葉山スプリングシリーズ
いよいよセーリングシーズンに突入しました! 正統派?クラブレーサーのホビーホークは、シーズンインのビッグイベントとして、この春から新しく始まったガチンコのシリーズレース「Audi NIPPON CUP」に挑戦です。(文/石丸寿美子)
一年中クラブレースで盛り上がっている葉山マリーナヨットクラブだけど、「なんかこう、目標になるような1ランク上のシリーズレースでも企画したいよね」そんな夢見がちなメールをきっかけに、数人のヨット馬鹿がモゾモゾと動き出したのが昨年の夏の終わりのことでした。
新しいことを始めるのは何かとパワーを要しますが、実行委員会はそれぞれの持ち場で驚異的な調整力を発揮し、ヨット馬鹿ならではのスーパーポジティブ思考で楽しく乗り切りました。そして、まわりを巻き込んで大きなストリームができあがり、グイグイ前に進んでいきました。わたしもそのストリームの中を必死に泳きました。犬かきで。みんなで大事にあたためてきたレガッタがいよいよ始まります。相模湾に華やかなレースシーンが久々に帰って来ました。
今回の参加艇は31艇。うち25艇集まったIRCはA〜Cの3つのクラスで競います。わかっていたことだけど、ホビーホークはCクラスの中で一番下のTCCです。つまり、一番遅いということ。ひゃー。今回のポジションは、メイントリマー。更にひゃー! ティラーを持っていないと何とも落ち着きませんが、代わりにヒモを握りしめてガンバリマス!
激戦のミドルクラス。このままでは終われません
第1レース、北寄りの軽風域でレースがスタートしました。Aクラスは相模湾を代表するようなレーシングボートが集まっていて大迫力! 巨大な黒いセールをつい口を開けてしげしげと見上げてしまいます。
短いコースが設定されているワンデザインのAudi Melges20が最初にスタートし、続いて大型艇A、そして最後に激戦のミドルボートクラスのBとC合わせて18艇が同時スタートです。ホビーホークにとってこの同時スタートは厳しいけれど、でもゾクゾク・ワクワクしますよ。変な汗と一緒にアドレナリンがどばーっと出ます!
そんな逸る気持ちとは裏腹に、序盤のレースはスタートで頭を出せずに苦しい展開になりました。風は振れまくりで、つい集中力をそがれてしまいます。回航順位はほぼサイズ順。特にミスがあったわけではないけれど、色々な場面で精度が足りず、なかなか勝負させてもらえません。なんとなく空回りのまま2レースを終えて4-4。うーん、このままでは終われない。もう一度気合を入れ直します!
第3レースは、予報通りに風がおちてきました。ゼネリコの後、U旗ルールでリスタートです。風は大きく振れたり戻したりを繰り返しながら、だんだんしぼんでいくパターンのようだけど、最初のレグでコースを大きく外してしまい、一時はもう、死んだふり、もしくはコッソリ帰りたくなるようなトホホな景色に。
でもこういう風の時は何が起こるかわからないもので、その後、起死回生のブローの花道にうまく乗ることができました。滑りも良く、とんとん拍子に出世した感じで先頭集団をキャッチアップ。このレースで修正1位となり、初日終わって同点1位の2艇と1ポイント差の3位につけました。
ようやくエンジンかかりましたよ。波乱の第3レースのために各艇スコアが乱れているので、まだまだチャンスがあります。明日はフルスロットルで行きまーす!
2日間のシリーズは、普段のクラブレースとちょっと違った緊張感があるのです。photo by Junichi Hirai
スプリングシリーズ、クラス2位を獲得!
2日目。この日は朝から良い天気になりました。当初は風弱く、しばしAP待機となりましたが、ほどなくして爽やかな南風が入ってきました。第4レース、スタート決まりました! フネの上は、初日とは明らかに違う何とも言えない緊張感が漂っています。
現在トップの〈CAVOK〉(First35)とはサイズの差からなかなか同じところは走れないので、常に後ろからコースを見極め追いかけていくことになります。前との差を詰めて行くためにも同サイズのフネをカバーしながら走りたいのですが、なかなかこれが難しい〜。
有利なサイドを使おうにも思ったとおりのコースを引けず、悪い風を受けながらも差を詰めて行かなければならない最少艇の苦しみを味わいます。まぁ、四の五の言わずに追いかければいいのだからわかりやすいといえばわかりやすいのですが。
スクラッチシートを見て、このレースは上位に入ったのは間違いないけれど、トップ艇とのタイム差がはっきりせず。うまくすれば1位、やられてたら2位。ということで、優勝の望みを残したまま最終レースへ。
第5レース、しっかりした風が入るようになりセールチェンジして臨みます。いよいよ最終レース、上位との得点計算をするなんて久しぶりです。
このレースは序盤からかなり熱を帯びていて、クラス関係なくタイトカバーをしたりされたりバチバチと厳しいせめぎ合いでした。1秒でも詰めようと走っているのに、絡んでしまい無駄なタックに追い込まれたりと、思うように勝負ができずストレスが募ります。何とか一矢報いたかったけれど届かず、最終レースは修正3位。
スプリングシリーズの最終成績はクラス第2位でした! 〈CAVOK〉とは5ポイント差なのでまったく及ばずです。でも本気レース楽しかったー。最終日になってフネの上でも一体感が生まれてきて、チームの結束もグッと深まってきたところなのに、これで終わりなんて残念です。
でも色々な意味で鍛えられました。楽には走らせてもらえなかったけれど、久々に最終レースのフィニッシュの瞬間まで気を抜けない素晴らしいシリーズでした。大満足! 〈CAVOK〉の皆さん優勝おめでとうございます!
その後、Audiみなとみらいに移動して表彰式です。題して「アウディ・プレミアムナイト」。勝っても負けても盛り上がりました!
ホビーホークはサンデーセーラーが集う普通のチームだけど、こうやって相模湾のレーシングチームと一緒に同じレースに出て、この空気を共有し、パーティーで楽しく盛り上がることができるのはサイコーですね。オータムシリーズが今から楽しみです。
今回のわたし(筆者)はメインシートトリマーで出場しました。photo by Junichi Hirai
Audiの特別協賛を得たことで、急遽門戸を広げて募集したAudi Melges20クラスには、若いセーラーもたくさん参加してくれました。photo by Junichi Hirai
表彰セレモニーは葉山から横浜みなとみらいのショールームに移動しておこなわれた。photo by Junichi Hirai
IRC Bクラス2位を獲得したホビーホークチームです!photo by Junichi Hirai
◎Audi NIPPON CUP
http://www.hmyc.or.jp/nc2015/
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