プリンセスソフィア4日目。1つ上のステージで戦う470女子、吉田 愛/吉岡美帆
4月2日、スペイン・マヨルカ島で開催されている「プリンセスソフィア杯」4日目。決勝フリートになり、レース進行はゴールドフリート中心におこなわれるようになっています。注目の470級男子は、土居一斗/今村公彦が総合10位にジャンプアップ。4位の松永鉄也/吉田雄悟に後方からプレッシャーをかけます。(BHM編集部)
吹き上がる風の中、フリートを従えて走るベネッセ(吉田/吉岡)。前方で日本のスピンがあがると観戦している方が興奮します。誇らしい気持ちになります。photo by Junichi Hirai
また、470級女子の吉田 愛/吉岡美帆は、安定感抜群の3-3位を取って4位をキープ。首位のニュージーランドとの得点を詰めて4点差に迫りました。470級女子の代表選考は、吉田/吉岡と山口祥世/畑山絵里の一騎打ち。海外レース初参戦となる山口/畑山のゴールドフリート進出、現在18位という結果は「合格点」をあげて良い内容です。しかし、日本代表選考となった場合、経験値の豊富な吉田/吉岡に見劣りするのは仕方ありません。
「上位を走る顔ぶれは、どの大会に行ってもほとんど同じです。このなかにオーストリア(昨年のワールドチャンプ)が入れば、世界選手権と変わりありません。最近は、失敗がなくなっているし、吉岡が成長してコンビネーションもよくなっている。(1月ISAFワールドカップ)マイアミで3位になったあとぐらいから、こういう上位選手と戦う場面が普通というか、当たり前のように感じられるようになって、余裕が出てきたように思います。毎レース、おもしろいです。ヨットレースしていて、いま一番たのしいかもしれません」(吉田 愛)
かつてISAFランキング1位まで登りつめた吉田は、ロンドン五輪後に新チームを結成して、ベネッセホールディングスに所属を移し、キャンペーンをゼロから開始。活動を始めた2013年は吉田が積み重ねてきた経験だけを武器に戦ってきました。2013年世界選手権で10位、2014年世界選手権では8位に。しかし、吉田だけのチカラでは限界があります。ここでクルーの吉岡美帆が、がんばりました。
立命館大ヨット部から一転、いきなり世界トップレベルのセーリングの舞台へ連れて来られた吉岡の不安は相当のものだったでしょう。それが、いまや世界のトップセーラーの中にいても、違和感がなくなりつつあります。これまで彼女がおこなってきた練習量ははかりしれません。
みなさん、想像してみてください。突然、吉田愛と組んでオリンピックを目指す。世界ランキング1位になったスキッパーと乗る。それまで話したこともなかった憧れの選手とチームを組む。チャンスではありますが、本当にそうなったら腰が引けてしまいませんか? このプレッシャーに耐えられるからこそ、いま成長した彼女の姿があるのでしょう。
さあ、明日は、決勝フリート最終日で2レースおこなわれる予定です。そして、最終日となる土曜日は上位10チームによるメダルレースがおこなわれます。日本代表第一次選考も終盤となりました。470級男子の戦いの行方は? みなさん、明日のマヨルカ島の戦いにご注目ください。
◎46 TROFEO S.A.R. PRINCESA SOFÍA
http://www.trofeoprincesasofia.org/
恵まれた体格を活かしてトップセーラーの道を駆け登る吉岡美帆。長い遠征で疲れたり、落ち込んだりした時は「寝る」そうです。photo by Junichi Hirai
リードするスリーボンドはメダル圏内。後方から狙い撃つチームアビームはメダルレース出場が必須条件です。photo by Junichi Hirai
総合4位。第8レースの21位が痛かったスリーボンド、松永鉄也/吉田雄悟。photo by Junichi Hirai
吹き上がった第8レースで2位フィニッシュ。総合10位へ急浮上したチームアビーム。強風域のスピードは文句なし。photo by Junichi Hirai
ひしめく強豪が出場するRS:X級ゴールドフリートのスタート。35艇中、5艇が中国。チャイナパワー全開です。photo by Junichi Hirai
ゴールドフリートを走る須長由季。現在27位。目標は今年オマーンで開催される世界選手権(国枠獲得+日本代表選考)。微風、軽風対策で減量が始まっています。photo by Junichi Hirai
シルバーフリートで奮闘する冨部柚三子。ラジアル級の代表選考は世界選手権。出場国枠を取り、日本で最も順位の良かった選手が選ばれます。photo by Junichi Hirai
今春より愛媛県に所属して活動を続ける小嶺恵美。強風セーリングが課題です。photo by Junichi Hirai
「わたしは強風じゃないほうがいいけど、お兄ちゃん(土居一斗)は強風が得意だし、勝ってほしいから吹いて欲しい」と土居愛実。photo by Junichi Hirai
大会4日目ダイジェスト。ナクラ17田畑選手のインタビューあります。映像提供:デイリーセーリング
◎プリンセスソフィア杯 4日目成績
RS:X級男子 82艇参加
13. 富澤 慎(トヨタ自動車東日本) 85p
52. 板庇雄馬(立命館大学) 115p
470級男子 79艇参加
1. GBR Luke PATIENCE / Elliot WILLIS 32p
2. ARG Lucas CALABRESE / Juan DE LA FUENTE 36p
3. SWE Johan MOLUND / Sebastian ÖSTLING 42p
4. 松永鉄也/吉田雄悟(スリーボンド) 51p
5. ESP Onán BARREIROS RODRÍGUEZ / Juan CURBELO CABRERA 52p
6. SWE Anton DAHLBERG / Fredrik BERGSTRÖM 56p
7. GRE Panagiotis MANTIS / Pavlos KAGIALIS 59p
8. USA Stu MCNAY / Dave HUGHES 64p
9. FRA Guillaume PIROUELLE / Valentin SIPAN 68p
10. 土居一斗/今村公彦(チームアビーム) 70p
36. 飯束潮吹/八山慎司(エス・ピー・ネットワーク) 155p
57. 市野直毅/長谷川孝(和歌山セーリングクラブ・横浜ゴムMBジャパン) 153p
470級女子 62艇参加
1. NZL Jo ALEH / Polly POWRIE 21p
2. GBR Sophie WEGUELIN / Eilidh MCINTYRE 23p
3. FRA Camille LECOINTRE / Helene DEFRANCE 24p
4. 吉田 愛/吉岡美帆(ベネッセホールディングス) 25p
5. GBR Hannah MILLS / Saskia CLARK 27p
6. BRA Fernanda OLIVEIRA / Ana BARBACHAN 28p
18. 山口祥世/畑山絵里(ノエビア) 101p
レーザーラジアル級 117艇参加
25. 土居愛実(慶応義塾大学) 124p
69. 冨部柚三子(レーザー江の島フリート) 161p
レーザー級 164艇参加
88. 安田真之助(宮津高等学校・教員) 185p
154. 瀬川和正(鳥取県セーリング連盟) 275p
RS:X級女子 66艇参加
27. 須長由季(ミキハウス) 126p
47. 小嶺恵美 112p
49er級 74艇参加
21. 牧野幸雄/高橋賢次(トヨタ自動車東日本) 128p
ナクラ17級 56艇
42. 後藤 浩紀/田畑 和歌子(SAILFAST・チームアビーム)143p
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