470級女子、ワールドカップ銅メダル獲得!
1月31日、米マイアミ・ISAFセーリングワールドカップ最終日は、五輪10種目によるメダルレースがおこなわれました。メダルレースは北京五輪から採用された上位10艇による決勝レースで、ショートコース、得点2倍、オン・ザ・ウォータージャッジが適用され、フィニッシュ後すぐに成績が確定する最終レースです。日本からは、470級男子に松永鉄也/吉田雄悟(スリーボンド)、女子に吉田 愛/吉岡美帆(ベネッセ)が出場しました。(BHM編集部)
銅メダルを獲得した吉田 愛/吉岡美穂。吉田は過去2大会のオリンピアン、吉岡は立命館大ヨット部から五輪の道に入りました。2年前は「学連乗り」だった吉岡ですが、世界のクルーに追いつけとばかりに猛練習しています。photo by Junichi Hirai
本日の注目は、銅メダルの期待が掛かった470級女子です。風は12ノット前後。メダルレースはスタートラインも10艇用に短く、レース時間は25分を目標にコースが設定されます。接近戦の駆け引き、ブロー・シフトのつかみ方などメダルレース特有の戦術が必要とされます。
3位でメダルレースへ進んだ吉田/吉岡ですが、4位スロベニアとの差は1点。先にフィニッシュされれば日本が逆転負け。2位のGBRと14点差あるため、逆転を狙うよりもスロベニアを抑えるほうが賢明です。しかし、吉田/吉岡はスタートで風をつかめず、一旦逃げてスロベニアの風下でタックバック。スタートでかなり遅れをとってしまい、このままレースが展開していくように見えましたが…。
コースの中盤でフリートの左側に出たところで、彼女たちに待望のブローが入ります。この風が日本だけに入り続けグングン頭をだして上マークへ。右海面へ向かった集団がマイナスを走ってくれたこともあり、トップで上マークを回航しました。その後は、後続に追いつかれることなく、危なげないトップフィニッシュ。吉田/吉岡の銅メダルが確定しました。
「スタート前からものすごく緊張していました。後ろと1点差、その後ろとも近かった。3位になって本当にうれしいです。(大会を振り返って)いままではミスも多かったし、風が上がったらどうしようと思うことがあった。でも、落ち着いて動作できるようになってきたし、クルーワークも成長していると思います。これから、もっと動ける身体づくりをして、コースやタクティクスの部分も成長していきたい」(吉岡美穂)
「きょうは自分のプランで戦えて、結果につながったことが収穫でした。ふたりで組んで2年。いままで課題にして取り組んできたことが少しずつカタチになってきているんだと思います。はじめてから目標を立てていて、最初の年は10位以内、今年は5位以内を目標にしています。3位になれたのは、自分が得意なシフトの激しい海面だったから。苦手なコンディションだったり、順位を落として這い上がるような展開でも、トータルで5位以内に入っているようになるのが今年の目標です」(吉田 愛)
初日から4位につけ、シリーズ中、順位を下げることなくメダルレースへ進んだ流れは理想的といえるでしょう。1レースごとを見ると、上マークを中盤の位置でまわることもあり、ここからジワジワと追い上げてシングルフィニッシュというパターンが見られました。
吉田/吉岡が、ワールドカップでメダルを取るのは昨年12月アブダビ大会(3位)につづいて2度目。しかし、アブダビ戦は遠方という土地柄、選手が揃わず、内容は今回のマイアミ大会とは大きく違います。手応えを感じたはじめてのメダル獲得といえるでしょう。銅メダル獲得おめでとう!
ワールドカップ最終日は上位10艇によるメダルレースがおこなわれました。470級女子に出場した吉田 愛/吉岡美穂は順位を守り銅メダル獲得です。photo by Junichi Hirai
フリートを従えて走る吉田/吉岡。メダルレース1上トップ回航から会心のトップフィニッシュを決めました。photo by Junichi Hirai
メダルレースに進出した松永鉄也/吉田雄悟は着順6位、総合10位でワールドカップを終えました。photo by Junichi Hirai
コーラル・リーフヨットクラブの屋外でおこなわれた表彰セレモニー。偉い方のスピーチのようなものはなく、メダリストを讃えるシンプルで素晴らしい表彰式でした。photo by Junichi Hirai
ISAF SAILING WORLD CUP MIAMI 2015 最終日ダイジェスト映像・1
ISAF SAILING WORLD CUP MIAMI 2015 最終日ダイジェスト映像・2
470級女子 30艇 最終成績
1. NZL Jo Aleh / Polly Powrie 15.00p
2. GBR Hannah Mills / Saskia Clark 42.00p
3. JPN Ai Kondo Yoshida / Miho Yoshioka 46.00p
4. SLO Tina Mrak / Veronika Macarol 51.00p
5. BRA Fernanda Oliveira / Ana Luiza Barbachan 61.00p
6. NED Afrodite Kyranakou / Anneloes van Veen 62.00p
470級男子 42艇 最終成績
1. GBR Luke Patience / Elliot Willis 31.00p
2. AUS Mathew Belcher / William Ryan 38.00p
3. ESP Onan Barreiros / Juan Curbelo Cabrera 63.00p
4. SWE Anton Dahlberg / Fredrik Bergström 66.00p
5. NZL Paul Snow-Hansen / Daniel Willcox 67.00p
6. GRE Panagiotis Mantis / Pavlos Kagialis 78.00p
7. FRA Sofian Bouvet / Jeremie Mion 86.00p
8. RSA Jim Asenathi / Roger Hudson 86.00p
9. RUS Pavel Sozykin / Denis Gribanov 92.00p
10. JPN Tetsuya Matsunaga / Yugo Yoshida 96.00p
19. JPN Kazuto Doi / Kimihiko Imamura
34. JPN Shibuki Iitsuka / Shinji Hachiyama
ISAF SAILING WORLD CUP MIAMI 2015
http://mocr.ussailing.org/
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