光ゴアテックスニューイヤーレガッタ最終日
1月10〜12日、山口県光市で開催された「GORE-TEX New Year Regatta(ゴアテックス・ニューイヤーレガッタ)」。12日大会最終日は、強風の前日と変わってふれまわる風に翻弄される1日となりました。(BHM編集部)
講習を含めて1月10〜12日まで開催されたゴアテックス・ニューイヤーレガッタ。子どもたちはみんな元気いっぱいです!
晴れわたる光沖は北東の風が吹き、南西強風となったレース初日よりも気温がぐっと下がりました。風は弱く、一旦スタートしますが、風がまわってマークチェンジ、ノーレースを繰り返します。風向が安定せず、さらに時々ワンプッシュの強いブローが入るトリッキーなレースとなりました。
大会前から「シビアで公平なレース」をしたいと話していたレース委員会にとってむずかしいコンディションになりましたが、最終スタート時刻を1時間遅らせたことことも良い方向に手伝って、各クラスとも2レースを実施できました。
ダブルハンドクラスは2レース実施。突然のブローに沈艇が出る場面もありましたが、通してみると風の弱い1日でした
大会初日に2レースできたOP級Aクラスだけが4レース完了。選手たちは時間ギリギリまでレースして満足顔でした
2015 ゴアテックス・ニューイヤーレガッタ 上位成績
OP級Aクラス
1. 玉山義規 丸玉セーリングクラブ
2. 小柳倫太郎 B&G福岡ジュニアヨット海洋クラブ
3. 前田海陽 広島セーリングスクール
OP級Bクラス
1. 苗床隆之介 北九州ジュニアヨットクラブ
2. 向井真太郎 広島セーリングスクール
3. 縄田拓琉 北九州ジュニアヨットクラブ
女子優勝:松尾 華 広島セーリングスクール
小学生男子1位:豊島有壮 techono293広島ジュニア
小学生女子1位:須河内陽夏 藤沢市青少年セーリングスクール
ダブルハンドクラス
1. 田中美紗樹/高野芹奈 B&G兵庫ジュニア海洋クラブ
2. 藤井 渚/内冨佳恵 光高等学校
3. 松尾虎太郎/花田将義 光高等学校
バルクヘッドマガジンは、この「ゴアテックス・ニューイヤーレガッタ」をはじめて現地取材しました。選手権大会とは違うアットホームな雰囲気で、子どもたちと保護者のみなさんがヨットレースをたのしんでいる様子がよく伝わってきました。
この大会にはレースやアフターレースで独特のアイデアが散りばめられています。クラス別に色分けされる特製ビブスを全選手に配布したり、レース後、各クラストップ3の選手に黄・青・赤のマイヨジョーヌ(自転車ロードレースのツール・ド・フランスで、個人総合成績1位の選手に与えられる黄色のリーダージャージ)をパーティーの場で手渡すのも特長のひとつ。当然、ちびっこセーラーはマイヨジョーヌを着ることにあこがれ、がぜんやる気を出します。
また、レース中、サポートボートがレース海面に入ってもOK、OP級Bクラスはレース中の応援・指導もOKというのも、この大会の特長です。さらに、スタート1分前には、スタートラインを運営艇が一直線に走り、スタートラインの位置を選手へ指示します。
「これはイギリスのOPの大会でやっている方法です。ジュニアセーラーはスタートラインを見極めるのはとてもむずかしい。ボートが直線を走ることで、スタートラインがはっきり分かる、というわけです。それに無駄なゼネリコをしないですむので、効率よくレース進行できます」
と話すのは、中村健一レース委員長。470級の北京五輪キャンペーン後、現在、JSAFオリンピック強化委員会に所属する中村さんは、2010〜11年まで日本オリンピック委員会(JOC)の海外研修制度で、イギリスへセーリング・コーチ留学していた経歴があります(覚えていますか? 当時バルクヘッドマガジンの連載「ケンイチ通信」で留学の様子を紹介していました)。その時に学んだり感じたことが大会に生かされています。
「今年は、レース運営を五輪で採用されているインナー・アウターコースを採用するなど、運営面の変化もありました。選手と同様に運営のやり方も成長していきたいと考えています。2日間ともレース運営にはきびしいコンディションになりましたが、なんとか目標にしていた「シビアで公平なレース」ができたと思います。この大会は、選手だけでなく、いつもサポート役にまわってくれている保護者の方にも楽しんでもらおうという企画もあり好評いただいています。ジュニア、ユース、そして講師役で来てもらっているトップセーラーと一緒に走り、ハーバーで交流してもらうのも、この大会ならでは。これからも進化していきますのでお楽しみに」(中村レース委員長)
ほかの大会とはひと味違った「ゴアテックス・ニューイヤーレガッタ」。次回もまた参加したくなる魅力のヨットレースであることは間違いありません。来年の開催も楽しみです。
大学ヨットのトップ選手、OP級、420・FJ級を乗り継いできた小泉颯作(早稲田大・上写真)、田中航輝(九州大)、磯崎哲也・中川大河(日本経済大)がゲスト出場し、1艇を乗り換えて走りました。ダブルハンドの高校生は身近な先輩である彼らを目標にレースできます。大学生チームの成績はトップでしたが、ゲスト出場のため賞はありません
OP級Aクラス優勝の玉山義規選手(中2・丸玉セーリングクラブ)「ヨットは4年生から始めました。きょうは2-2位。初日の結果が良かったので優勝を狙っていました。最近、ヨットのスランプだったけどようやく抜け出せた、かな? 今年はOPワールドに出て良い成績を取るのが目標です!」(玉山義規)
OP級Bクラス優勝は、ヨットは今年で3年目、お兄ちゃんがやってるのをみて始めたという苗床隆之介選手(小3)。普段は新門司の北九州ジュニアで活動しています。「本当に優勝なの? うれしい!」とひとこと
ダブルハンドクラス優勝はアジア大会女子代表の田中美紗樹/高野芹奈(高2・B&G兵庫ジュニア海洋クラブ)。470級全日本、470級ナショナルチーム選考、420級全日本(総合5位、女子1位)、和歌山合宿、そして光ニューイヤーレガッタと年末年始もヨットに乗りまくっています。「きょうは風が安定しなかったので、大学生にも勝てるチャンスがあると思いましたが残念です。(招待選手の兄・田中航輝に)勝ちたかった…」(田中)。「去年からスタートが課題です。去年の大会と比べてちょっとは成長したと思います。でも1対1の勝負の場面で負けたりしているので、もっと力をつけます」(高野)。また、ふたりは2015年に入ってすでに6回も沈しているとのこと。「今年は沈の回数をノートに付けてます!」とヨット馬鹿丸出しの女子高生でした
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