マッチレース銅メダル!アジア大会最終日
10月1日、韓国仁川アジア大会マッチレース最終日は、スタート時間を9時30分に早めて始まりました。マッチレース日本のセミファイナルの対戦相手は韓国。国内外の大会で対戦していて、お互いに手の内をよく知る相手です。ラウンドロビンで2勝していますが、470級出身で韓国マッチレース界ナンバーワン、パク・ガンウを甘く見ることはできません。(BHM編集部)
ベストオブ5(3勝勝ち抜け)で競われたセミファイナル。韓国に2対1でリーチを掛けた日本ですが、韓国に追い風が吹きました。photo by Junichi Hirai
一方のセミファイナルはシンガポール対マレーシア。こちらは格上のシンガポールが3連勝を決めて、早々とファイナル進出を決めました。風は軽風から微風へ。レース海面は弱々しいパフが点々としています。
セミファイナルの日本対韓国戦は、もつれにもつれました。2勝1敗、日本が王手をかけた第4戦では、うまくパフを捉えながら日本が先行。2上まで先行していましたが、上マークで追いつかれ、先に回航するかに見えた日本は突然ラフィングします。
「これはジェネカーを使ったマッチレースの特徴で、テールツーノーズで回航した場合、どうしても後続艇が有利になる。先行艇の動きを見て戦術を組み立てられるし、ベアウェイセットなら即ジャイブでインをつける。ここは後続にもラフィングさせ、ある程度離した段階でベア〜回航〜ジェネカーアップの作戦でした。でも、一瞬の隙に韓国にインを取られて回航されてしまった」(坂本)
韓国はそのまま逃げ切り、逆転勝利を決めて2勝2敗のタイに。続く第5戦でも同じような展開になります。スタートで韓国を抑えてスタートした日本は、セパレートするもののパフをつかんで先行。一度は3〜5艇身の差をつける場面もありましたが、2上マークで再び追いつかれ、日本がベアウエイする間に即ジャイブを決めて、韓国はフレッシュエアをつかみます。
日本は遅れてジャイブして、ストレートラインのジェネカー・スピード勝負となりましたが、先にジャイブして若干前に出ている韓国の船足が伸びて万事休す。日本は韓国に敗れ、ファイナル進出を逃しました。
セミファイナル第5戦目の最終レグ、フィニッシュ直前。韓国は日本を振り切りファイナル進出を決めました。photo by Junichi Hirai
ファイナルはシンガポール対韓国となり、ベストオブ3の戦いでシンガポールが2連勝し、金メダルを獲得しました。シンガポールのスキッパー、SOH選手はレーザー級出身の26歳。アジアのなかでは若手ながらも、今後アジアや世界のマッチレースに出場していきたい、とのこと。このアジア大会では予選1敗、準決勝・決勝で負けなしで圧倒していただけに今後の活躍が期待されます。
3位決定戦となった日本対マレーシアは、風がかなり落ちた微風戦となりましたが、冷静にパフの階段をつかんで2連勝。日本は銅メダルを獲得しました。
午後4時からおこなわれた表彰セレモニーは、予定の2時間をフルに使ってメダルセレモニーがおこなわれました。日本が獲得したメダルは、銀3つ、銅1つ。獲得したメダル数を比べるとアジアのなかで多いほうではありません。金メダル最大獲得国は、韓国の4個。続いてシンガポール、中国が3個。参加種目の数が違うので、メダル数で比較するのは正確ではありませんが、日本は上位国を追う立場にあることは確かです。
第17回 アジア大会 国別メダル獲得数
タイ 9個
シンガポール 7個
中国 7個
韓国 6個
香港 5個
日本 4個
マレーシア 3個
インド1個
次回アジア大会は、2018年インドネシア・ジャカルタで開催されます。その時、日本のセーリングはどこまで成長しているでしょうか。願わくは、目下急成長中のアジアの強豪国と対等に戦い、メダルを獲得する「強い日本」になってほしいと思います。
470級男子。1位韓国(中央)、2位土居一斗/今村公彦(右)、3位中国。photo by Junichi Hirai
レーザーラジアル級。1位中国、2位土居愛実、3位タイ。photo by Junichi Hirai
マッチレース銅メダルのシエスタチーム(坂本、岡本、和田、今井)。photo by Junichi Hirai
表彰セレモニーでチームメイトを称える日本チーム。photo by Juncihi Hirai
420級男子。1位マレーシア、2位小泉維吹/松尾虎太郎、3位シンガポール。いまどきの選手は壇上で自分撮りするのです。photo by Juncihi Hirai
仁川アジア大会 最終成績
470級男子 参加6カ国
1. KIM Changju / KIM Jihoon KOR 24.0p
2. 土居一斗/今村公彦 JPN 25.0p
3. LAN Hao / WANG Chao CHN 35.0p
4. THAMSOONTORN Navee / BUTMARASRI Nut THA 35.0p
5. KU ZAMIL Ku Anas Bin / MAZELAN Mohamad Hafizzudin Bin MAS 39.0p
6. BALLADARES Ridgely / DIMAPILIS Whok PHI 59.0p
レーザーラジアル級女子 参加8艇
1. ZHANG Dongshuang CHN 17.0p
2. 土居愛実 JPN 22.0p
3. CHANYIM Kamolwan THA 36.0p
4. YIN Yueling Elizabeth SIN 51.0p
5. HAMID Nur Amirah Binti MAS 54.0p
6. LEE Gyeongjin KOR 56.0p
420級男子 参加9カ国
1. NORIZAN Mohamad Faizal Bin / ABDUL AZIZ Ahmad Syukri Bin MAS 17.0p
2. 小泉維吹/松尾虎太郎 JPN 23.0p
3. LOH Jia Yi / YEO Jonathan SIN 36.0p
4. TSE Sui Lun / CHIK Ho Yin HKG 38.0p
5. JADKLAY Jirawat / PHETSIRI Sarawut THA 61.0p
6. DUTTA Upamanyu Gautama IND 62.0p
420級女子 参加6カ国
1. LIM Min Kimberly / SIEW Kiah Hui Savannah SIN 18.0
2. JAMIL Nuraisyah Binti / SALLAHUDDIN Umi Norwahida Binti MAS 23.0p
3. LEE Nakyung / CHOI Seoeun KOR 29.0p
4. 田中美紗樹/高野芹奈 JPN 39.0p
5. JIANG Xinyu / SHEN Xinyu CHN 53.0p
6. CORREA Diya Anna / ARSIWALLA Zara Khuzaima IND 60.0p
RS:X級男子 参加9カ国
1. WANG Aichen CHN 17.0p
2. LEUNG Ho Tsun Andy HKG 30.0p
3. BOONSAWAD Ek THA 31.0p
4. LEE Taehoon KOR 33.0p
5. 富澤 慎 JPN 47.0p
6. CHANG Hao TPE 71.0p
マッチレース 参加9カ国
1. シンガポール
2. 韓国
3. 日本
4. マレーシア
※正確な成績は大会公式サイトで確認してください。
◎17th Asian Games INCHON2014
http://www.incheon2014ag.org/
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