仁川アジア大会、日本3種目銀メダル獲得!
9月30日、韓国仁川アジア大会7日目、フリートレース最終日。晴れ渡るワンサンマリーナ沖は風弱く、朝一出艇しましたが、海面が鏡のように風がなくなり一旦ハーバーバック。午後から吹いてきた6ノット前後の軽風で2レースおこなわれました。(BHM編集部)
420級男子最終レースの小泉/松尾。ライバル・マレーシアを抑えてトップフィニッシュを決めました。photo by Junichi Hirai
金メダルの期待が掛かる470級男子は、2位韓国とのマッチレースとなり、スタートから抑え合いが始まりました。ボートスピードに自信ある日本ですが、ワンブローの読み違いで韓国に先行され、カバーされる展開で第12レースを4位。韓国はトップフィニッシュを決めて逆転を許してしまいます。
最終レースの日本は先行しますが、韓国の順位を下げたい日本が(メダル争いに関係のない)マレーシアを誘導してわざと先行させ、韓国を抑えなながらレースをコントロールします。ダウンウインドでマレーシアを抜けばタイブレイクで逆転の筋書きですが、フィニッシュラインまでマレーシアに追い付くことができず2位フィニッシュ。着順3位の韓国はわずか1点差で金メダルを獲得。日本は銀メダルとなりました。
470級男子の土居/今村。大きくベンドするブローに翻弄されました。韓国に逆転を許し2位に。photo by Junichi Hirai
また、1点差で中国を追うレーザーラジアル級は、ここでも中国の執拗なカバーリングを解くことができず、2レースとも先行を許し、銀メダルとなりました。
「悔しいです。中国のカバーがきつく、タッキングマッチになり負けました。ただ、一緒に走ってみて、差があるといえばそうではなく、ダウンウインドではこちらの方がスピードもあった。自分が劣っているというわけではないと思う。違いは細かい部分。攻める時に思い切り攻める勇気。行きたい海面に迷わず向かう勇気。そういう所が足りない。経験を積んで乗り越えていきたい」(土居愛実)
レーザーラジアル級銀メダルの土居愛実。photo by Junichi Hirai
420級男子。抜群のボートスピードを誇るマレーシアの勢いは止まらず。小泉/松尾は最終12レースでトップフィニッシュを飾りましたが、マレーシアとの得点差は埋められず銀メダルとなりました。
「(シフティーな海面で)順位が大きく変わるし、走っていて苦しかった。マレーシアには走り勝つことはできなかった。でも、自分たちが大きなミスをしたとかではなく、いま自分たちができることを最大限に発揮できました。それは良かったと思います」(小泉)
日本は、470級男子、レーザーラジアル級、420級男子の3つの銀メダルを獲得しました。レース直後は悔しい思いでいっぱいの選手たちですが、成長著しいアジア上位選手との戦いは見応えのあるものでした。日本がアジアでトップレベルのセーリング力を持っていることに違いはありません。銀メダル獲得おめでとう!
手の届く位置に金メダルがあっただけに、日本選手の悔しさは計り知れません。しかし、それが現時点の実力でもあります。特に470級の韓国は、地元開催ゆえに日本より何倍ものプレッシャーがかかっていたはずです。それをはねのける力を最終レースで発揮したライバルを褒めるべきでしょう。
また、ラウンドロビンが続くマッチレースは36フライトをすべて消化し、日本は2位通過を果たしました。予選通過は、シンガポール、日本、韓国、マレーシアで、明日はこの4カ国によりセミファイナル、ファイナルを戦うことになります。
明日10月1日はマッチレース最終日となります。マッチレースジャパンを応援しましょう!レースの様子は大会サイトのトラッキングで観戦できます。
◎アジア大会セーリング特設サイト(トラッキング有)
http://ag.ksaf.org/
最終日も1-1位で金メダルを獲得したラジアル級のZHANG Dongshuang。photo by Junichi Hirai
RS:X級男子は世界でもトップレベルの中国のWANG Aichenが圧勝しました。photo by Junichi Hirai
マッチレース代表のシエスタチーム(和田、今井、坂本、岡本)。マッチレースは明日最終日です。phtoo by Junichi Hirai
420級女子の田中/高野は総合4位。「ヨットが大好き。ずっと乗っていたい」と話す彼女たちは高校2年生。今後の活躍に期待です。photo by Junichi Hirai
レーザー級は日本のオリンピックウィークで優勝したこともあるハー・ジーメン(韓国)が金メダルです。photo by Junichi Hirai
RS:X級の富澤 慎は総合5位に。苦しい戦いが続きました。photo by Junichi Hirai
仁川アジア大会 7日目成績
470級男子 参加6カ国 12レースまで
1. KIM Changju / KIM Jihoon KOR 24.0p
2. 土居一斗/今村公彦 JPN 25.0p
3. LAN Hao / WANG Chao CHN 35.0p
4. THAMSOONTORN Navee / BUTMARASRI Nut THA 35.0p
5. KU ZAMIL Ku Anas Bin / MAZELAN Mohamad Hafizzudin Bin MAS 39.0p
6. BALLADARES Ridgely / DIMAPILIS Whok PHI 59.0p
レーザーラジアル級女子 参加8艇 12レースまで
1. ZHANG Dongshuang CHN 17.0p
2. 土居愛実 JPN 22.0p
3. CHANYIM Kamolwan THA 36.0p
4. YIN Yueling Elizabeth SIN 51.0p
5. HAMID Nur Amirah Binti MAS 54.0p
6. LEE Gyeongjin KOR 56.0p
420級男子 参加9カ国 12レースまで
1. NORIZAN Mohamad Faizal Bin / ABDUL AZIZ Ahmad Syukri Bin MAS 17.0p
2. 小泉維吹/松尾虎太郎 JPN 23.0p
3. LOH Jia Yi / YEO Jonathan SIN 36.0p
4. TSE Sui Lun / CHIK Ho Yin HKG 38.0p
5. JADKLAY Jirawat / PHETSIRI Sarawut THA 61.0p
6. DUTTA Upamanyu Gautama IND 62.0p
420級女子 参加6カ国 12レースまで
1. LIM Min Kimberly / SIEW Kiah Hui Savannah SIN 18.0
2. JAMIL Nuraisyah Binti / SALLAHUDDIN Umi Norwahida Binti MAS 23.0p
3. LEE Nakyung / CHOI Seoeun KOR 29.0p
4. 田中美紗樹/高野芹奈 JPN 39.0p
5. JIANG Xinyu / SHEN Xinyu CHN 53.0p
6. CORREA Diya Anna / ARSIWALLA Zara Khuzaima IND 60.0p
RS:X級男子 参加9カ国 12レースまで
1. WANG Aichen CHN 17.0p
2. LEUNG Ho Tsun Andy HKG 30.0p
3. BOONSAWAD Ek THA 31.0p
4. LEE Taehoon KOR 33.0p
5. 富澤 慎 JPN 47.0p
6. CHANG Hao TPE 71.0p
マッチレース 参加9カ国 予選36フライトまで
シンガポール 16勝1敗
日本 12勝3敗
韓国 11勝5敗
マレーシア 10勝6敗
※正確な成績は大会公式サイトで確認してください。
※6レース以上で1レースの成績がカットされます。
◎17th Asian Games INCHON2014
http://www.incheon2014ag.org/
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