サンタンデールISAFワールド取材遠征記
スペイン・サンタンデールの取材遠征も終盤を迎えました。メディアルームは海洋学校の一室があてがわれ、そこに約100名のレポーター、フォトグラファーが仕事しています。朝9時から夜12時までメディアルームでは必ずだれかが作業しています。(BHM編集部)
ずぶ濡れ、潮だらけのフォトグラファーチーム。この日は、スペイン、ポルトガル、イタリア、ギリシア、オーストラリアの多国籍チームでした。photo by Ricardo
バルクヘッドマガジンがISAFワールドを取材するのはこれで3回目になります。どの大会も世界最大のトップセーラーが集まるイベントらしく盛大で、コンペティティブな内容です。
海外の大会を取材する時は、いまでも緊張します。今回、日本人フォトグラファーはひとりです。スペイン人がいちばん多く、その次にヨーロッパ諸国。イギリス、オランダ、フランス、デンマークからはチームを組んで取材に来ています。アジアからはだれも来ていません。
こうした状況には慣れていますが、多くのことが、話せないスペイン語で進んでいくのは大変です。あとで「いまなんて言ったの?」と確認しないと、撮影の流れに置いていかれていくからです。
朝8時にホテルを出て、20分歩いてハーバーのカフェで朝食。9時にメディアセンターがオープンして撮影機材の準備。10時にプレスボートで海に出てレースが終わるまで撮影しています。遅い時は19時まで海にいたこともありました。そこから原稿書きと写真セレクト、現像を始め、すべての作業を終わるのは24時。そんな毎日ですが、サンタンデールの海で撮影するのはとても楽しく、世界のトップフォトグラファーと一緒に仕事をするのはとても勉強になります。
大きな大会とはいえ、メディア対応はドタバタです。前回のパースISAFワールドもそうでしたが、大会の最初はだれもどうなっていくのかわからないので、みなで意見を出し合って(文句ともいう)、徐々に自分が仕事のしやすい環境を作っていきます。大会も終わりに近づいて、バルクヘッドマガジンもようやく慣れてきた感じがします。残念。
長期間にわたって毎日記事を発信していると、みんな興味を持って読んでくれているかな? と思うことがあります。
この10年間、バルクヘッドマガジンは、オリンピックを目指す選手に焦点をあてて取材してきました。その理由は、彼らの後輩にあたる若い世代がセーリングに興味を持ち続けていてほしいから。日本を代表する選手は、学生セーラーのあこがれであって欲しいし、刺激を与え続けて欲しいと考えているからです。
今回、470級メダルレースに出場する松永鉄也、吉田雄悟、土居一斗、今村公彦、吉田 愛、吉岡美帆は、学連出身のセーラーです。いまも昔も国内では学生セーリングが盛り上がっています。彼らも学生時代はインカレという舞台で活躍してきましたが、そこから「世界で戦いたい。オリンピックに出たい」という強い気持ちで海外へ出て行きました。
世界のハードルは言うまでもなく高いものです。しかし、470男子メダルレースに出場する国のなかで、2チーム出場しているのは日本だけ。オリンピックよりも艇数が多く、レベルの高い世界選手権でここまで登ってきた日本は、すばらしいことだと思います。
そんな彼らも大学時代は、良くも悪くも学連セーラーでした。大学という枠のなかで戦っていたし、セーリングのスキルもいまとでは雲泥の差がありました。いまインカレに夢中になっている学生セーラーのみなさん、オリンピックを目指すような選手は遠い存在ではありません。たったひとつの決断で、ひとつ上のステージにあがる可能性があるのです。そう、きっかけは気持ちひとつだけでいいのかもしれません。
サンタンデールはちょうどお昼。これからメダルレースがはじまります。メダルレースに出場する日本選手を応援しましょう!
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