現地時間9月12日、スペイン・サンタンデールで「ISAFセーリングワールド・チャンピオンシップ」（ISAFワールド）が開幕します。この大会は、ほぼ4年に一度開催される世界最大級のセーリングイベントです。艇種はリオ五輪で採用される10種目で、今年は五輪の出場国権利が掛かる重要な大会になっています。（BHM編集部）

BHM編集長は飛行機、バスを乗り継いでサンタンデールへ到着しました。Tシャツ短パンで快適な気温。乾いた風が吹いています。photo by Junichi Hirai

　サンタンデールは、スペイン北方のカンタブリア州にあり、大西洋と接するビスケー湾に面しています。ビスケー湾はフランスとスペインが囲む巨大な湾なので、大きく見ればフランス西部の対岸にあたります。古い城下町、港町で、町の中心には石畳の道と古い建物が連なり、長い長い歴史を想像させます。

　ここで22日までおこなわれる大会がISAFワールドです。この大会はオリンピックに向かうための重要な大会です。ここで、ざっとリオ五輪までの道のりについて、お勉強しましょう。

　リオ五輪は2016年8月に開催されます。セーリング競技は10種目あり、出場できるのは1種目につき1カ国。出場艇数は種目によって異なります。

◎リオ五輪セーリング競技種目と国数（=艇数）
470級男子：26カ国（艇）
470級女子：20カ国
49er級：20カ国
49er級FX：20カ国
レーザー級：46カ国
レーザーラジアル級：37カ国
RS:X級男子：36カ国
RS:X級女子：26カ国
フィン級：23カ国
ナクラ17級：20カ国

ISAFが発表したリオ五輪の出場国、艇数、選手数、出場権利取得大会の一覧表（分かりにくいですね）。権利を取れなくても二次、三次があるのですが、当然メダルを狙うようなトップセーラーは本大会で権利を取得します

　オリンピックは少数精鋭でおこなわれるので、世界選手権に比べて非常に少ない艇数のヨットレースです。このうち開催国のブラジルには、全種目に無条件で出場権利が与えられます。

　オリンピックに出場するにはいくつかのハードルを越えなければなりません。その第一関門が、このISAFワールド。この大会の上位国にリオ五輪の出場権利（五輪出場艇数の50%）が与えられます。例えば、470級男子の場合、五輪出場国が26カ国なので、本大会の上位13カ国に出場権利が与えられます。

　この大会に出場するのは日本を代表するナショナルチーム、また五輪を目指す選手たちです。

ISAFワールドに出場する日本選手
470級男子
土居一斗／今村公彦
松永鉄也／吉田雄悟
市野直毅／外薗潤平
飯束潮吹／八山慎司

470級女子
吉田 愛／吉岡美帆
松下 結／堤 優華

49er級
牧野幸雄／高橋賢次

49er級FX
波多江慶／大熊典子

レーザー級
安田真之助
南里研二
谷口斉謙

レーザーラジアル級
土居愛実
蛭田香名子
冨部柚三子
長谷川哲子

RS:X級男子
富澤 慎
板庇雄馬
倉持大也

RS:X級女子
須長由季
大西富士子
小嶺恵美
伊勢田愛

ナクラ17級
後藤浩紀／田畑和歌子

フィン級：23カ国
日本選手の出場なし

　レース初日は9月12日。レーザー級、レーザーラジアル級からはじまります。バルクヘッドマガジンは現地からレポートしますので、みなさん、おたのしみに！

◎Santander 2014 ISAF Sailing World
http://www.santander2014.com/

港で見つけた海に飛び込む銅像と、後ろにはジェットを使って水面から浮いてパフォーマンスする乗り物が見えます。これ、なんていう名前なんでしょうか。photo by Junichi Hirai

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