全日本女子インカレ 展望と解説 スナイプ級
いま日本のセーリング界で女子パワーが炸裂しています。ヨット部の主力選手が女子である大学は少なくありません。その女子学生日本一を決めるのが「全日本学生女子ヨット選手権」(女子インカレ)です。今回は470級に続いて、スナイプ級・総合を紹介します。さあ、今年はだれが栄冠を勝ち取るのでしょうか?(BHM編集部)
9月21日に始まる全日本女子インカレ。写真は春に開催された関東女子インカレより。photo by M.Hada
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生ちゃん
昨年のスナイプ級では、大会七冠女王・持田由美子(日本大・4年)が、ついに全日本女子インカレのタイトルを手にしました。
彼女は大会史上5人目の連覇を懸けて今大会へ臨むことになる。今年も女子大会では負けなしであり、先日の全日本個人戦でも女子スキッパー唯一の6位入賞と一歩抜けた存在です。果たして対抗できるチームがあるかどうか? がポイントとなるでしょう。
外道さんはどうお考えでしょうか?
スナイプ級で2人目の連覇へ挑む持田由美子/上田育美(日本大)。photo by M.Hada
外道無量院
スナイプは日本大の持田由美子/上田育美(4年・磯辺/1年・宮古商業)の2連覇濃厚だね。今年は470に比べて有力チームのレギュラークラスのスキッパーが少ない。
全日本インカレで日大同様に優勝や上位入賞が可能なチームに限定すると慶應義塾大の阿部七海(3年・酒田西)、関西学院大の三好紀子(4年・県芦屋)、鹿屋体育大の平野真末(4年・邑久)くらいじゃないか?
あと、法政大の根本彩加(2年・磯辺)もそこそこに実績はあるが、持田艇に歯が立つかというと…。ジュニア上がりの早稲田大の高橋友海(3年・桐蔭学園)も上手くいって入賞なら、ってところか。
このところ復活気味で上昇機運がある中央大からは、伊藤未波/関本さをり(1年・宮古/2年・真岡女子)、椎野ひろみ/木ノ本美菜都(4年・玉川学園/2年・中央大学)の2チームや昨年、全日本インカレでクラス優勝した明海大から出てくる橋本杏奈/千葉真由子(1年・霞ヶ浦/3年・気仙沼向洋)は生ちゃん、どうだろうか?
生ちゃん
昨年インターハイデュエットで優勝した伊藤未波や、ソロ4位の橋本杏奈はそれぞれ実力があり、上位候補となりうる存在ではありますが、どうもスナイプの艇の特性に苦戦しているのかな? まだまだ実力を出し切れていないと私は思います。
夏場でどれだけ成長しているかがポイントですが、さすがに持田に対抗するのは難しいと言わざるを得ないでしょう。
外道無量院
あと大穴なら関西大の花島瑞紀/浅田静香(2年・羽咋工業/2年・膳所)。花島はレギュラースキッパーだし、関西学院大の三好艇とは好勝負する力はあるはずだ。実は個選でも出稿したあと、林宏亮(関西大)に印を打たなかった事が気になって仕方なかったので。(笑)
生ちゃん
確かに、花島は一昨年のインターハイデュエット覇者だし、可能性は十分ありますよね。 また、争覇圏とまではいかないが、全日本個人戦出場の学習院大、渡津安日花/坂井仁美(4年・学習院女子/2年・清泉女学院)は大健闘であり、ノンセレクの選手がどこまで上位に絡めるかにも期待したいと思います。
外道無量院スナイプまとめ
◎・・・・・持田由美子/上田育美(日本大)
〇・・・・・平野真末/仲山景・仲山好(鹿屋体育大)
△・・・・・阿部七海/玉田玲奈・窪田明莉(慶應義塾大)
△・・・・・三好紀子/山口茜(関西学院大)
△・・・・・花島瑞紀/浅田静香(関西大)
△・・・・・根本彩加/石川紗葉子(法政大)
△・・・・・橋本杏奈/千葉真由子(明海大)
△・・・・・高橋友海/溝口芽・上野玲海(早稲田大)
女子インカレでは3本の優勝旗と最優秀選手賞旗が用意されています。豪華。photo by 生ちゃん
日大・持田艇の優勝は固いとみて単穴はなし。女子インカレのスナイプでは史上2人目の連覇は濃厚と見た。対抗は何度やっても勝てない関東勢よりは未知の魅力で平野/仲山(鹿屋体育大)をとった。
関東2番手の地位は不動の阿部/玉田・窪田(慶應義塾大)、関西水域で凌ぎを削る関関のレギュラースキッパーの乗る三好/山口(関西学院大)、花島/浅田(関西大)、そして関東勢の根本/石川(法政大)、橋本/千葉(明海大)高橋/溝口(早稲田大)の順とした。
生ちゃんのスナイプ級まとめ
◎・・・・・持田由美子/上田育美(日本大)
〇・・・・・阿部七海/玉田玲奈・窪田明莉(慶應義塾大)
▲・・・・・平野真末/仲山景・仲山好(鹿屋体育大)
△・・・・・三好紀子/山口茜(関西学院大)
△・・・・・花島瑞紀/浅田静香(関西大)
△・・・・・根本彩加/石川紗葉子(法政大)
△・・・・・橋本杏奈/千葉真由子(明海大)
△・・・・・高橋友海/溝口芽(早稲田大)
特注・・・・渡津安日花/坂井仁美(学習院大)
持田以外に本命をつけたらさすがに怒られてしまいます(笑)。それだけ力が飛び抜けており、優勝しなくてはならない一戦となるはず。もし苦戦するとすれば強風域のみであるが、それを差し引いたとしても、優勝は揺るがないでしょう。持田を破る可能性があるとしたら、2人のクルーを登録し、風域によって交代すると思われる阿部が唯一の逆転候補。
『全日本女子インカレ 展望と解説 総合』
生ちゃん
昨年は日大が関西学院大の4連覇を阻止し、女子インカレ最多となる5回目の優勝となった『総合』。470・スナイプ各クラス上位1艇ずつの合計で争われるが、今年はどうなるだろうか?
普通に考えれば、スナイプでのアドバンテージが大きい日大が中心になるような気がしますが、外道さんはどうお考えですか?
外道無量院
確かにスナイプ・持田艇で日大が絶対的に有利な立場に立っているのは間違いない。ただ、初めての大舞台となる470・新谷/中山が力を発揮できるとは限らないのも不安材料としてはあるのも事実。また、捨てレースがない事から一発の「英語」でガラっと状況が変わる事もある。
そういったケースまで考慮して考えると、両クラスにバランスが取れている関西学院大、慶應義塾大、明海大と、470でクラス優勝できた場合の早稲田大あたりまではチャンスがあるか?
また、この全日本女子インカレが始まって以来、上位常連だった立命館大、法政大も両クラスにベストの布陣で臨んでくる。男子を含む正規チームの低迷を打開する起爆剤として、爆発してくれることを期待して注目してみたい。
外道無量院総合まとめ
◎・・・・・日本大
〇・・・・・関西学院大
▲・・・・・慶應義塾大
△・・・・・明海大
△・・・・・早稲田大
注・・・・・立命館大、法政大
生ちゃんの総合まとめ
◎・・・・・日本大
〇・・・・・早稲田大
▲・・・・・慶應義塾大
△・・・・・関西学院大
△・・・・・明海大
注・・・・・法政大・甲南大
生ちゃん
470級が混戦模様であり、優勝得点の数値も大きくなりそうなことから、スナイプのアドバンテージがありそうな日本大が連覇濃厚とみましたが、470で苦戦した場合、早稲田・慶應・関西学院・明海までが優勝を狙える候補となるでしょう。
この4校が勝つためには、スナイプで持田に引き離されないか? が重要なポイント。本来ならもう少し上位に来てもおかしくないメンバーの法政大や、吉泉艇の活躍が見込まれる甲南大には注目してみたいと思います。
外道無量院
2人揃ってスナイプと総合は同じ本命になってしまったが、日大の女子インカレに取り組む姿勢は昔から立派だし、納得の意見一致ですね。
それでは、天候に恵まれて良い大会になる事、そして何よりも参加選手各位の健闘と幸運を祈る。
生ちゃんお手製のエントリーリストと(書き込み前の)成績表。すでに準備万端です!
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