若手選手、台頭の予感!オータムマッチ
2013年オータムマッチは、11月16日、17日の2日間、愛知県・日産マリーナ東海をベースに開催された。集まった選手は8チーム。日本を代表するマッチレーサー坂本亘をはじめ、博多からは先のJ/24全日本選手権準優勝の近藤慶治、地元愛知県からは荒川友紀彦、ベテラン加藤琢也が志摩ヨットクラブの代表として挑戦する。これだけでも話題としては十分だが、今回のオータムマッチの一番の見どころは、4チームの若手チームが揃ったことだろう。(文・写真/今津浩平 オータムマッチ実行委員長)
日産マリーナ東海で2日間開催されたオータムマッチ。写真は優勝のシエスタです
まずは、今年のアジアパシフィック学生マッチ優勝で、一躍、マッチレース若手ナンバー1の座に駆け上がった市川航平。かたや、学連を経ずにキールボートの世界に飛び込んだ吉田工作は、昨年の初代大学マッチのチャンピオンでもあり、意地にかけても、ここで負けてはいられない。
また、今年の大学マッチで準優勝に輝いた関西大学を卒業したばかりの葛城拓未も早めに現地入りして練習に余念がない。さらに、今回参加スキッパーの中で紅一点は、濱口未(みなみ)。今春、近畿大学を卒業した後、紀州ヨット少年団の練習に参加して学生時代の腕にさらなる磨きがかかっている。2013年オータムマッチは、みどころ満載、激戦必至のエキサイティングな大会となった。
大会は2日間。ぽかぽか陽気の晴天の下、土曜日は軽風、そして日曜日は微風の中で10フライトのラウンドロビン(総当たり)と決勝1フライトにて覇権が競われた。その結果、オータムマッチを制したのは、大本命の坂本亘。危なげのない戦いぶりでラウンドロビンを7戦全勝。二宮杯に続き、今年度二度目のJYMA公式戦の優勝を勝ち取った。
準優勝は5勝で近藤慶治。さすがにJ/24全日本準優勝の実力は侮れない。実に久しぶりのマッチレース参戦だったにもかかわらず、わずか2敗にて準優勝を勝ち取った力量は、見事としか言いようがない。
が、しかし、最も手に汗握るマッチを披露してくれたのは、吉田工作と市川航平の2人だった。ラウンドロビンの直接対決では、全く譲らない真っ向勝負。プレスタートからフィニッシュするまで、終始、艇体を接するかのような、ぎりぎりの接戦を繰り広げた。
フィニッシュラインの手前ほんの50メートル手前で仕掛け合う両艇の攻撃も実に見事。ここはスターボード艇とポート艇のきわどいコース変更が交錯して、一瞬、時が凍りついたが、アンパイアの判定は市川にペナルティ。吉田工作に軍配が上がった。
この2人は、3位決定戦でも直接対決することとなった。残念ながらこのマッチは微風下での戦いになったためにどうしてもセパレートする場面が多く、エキサイティングさにはやや欠けたが、スタートでリードした市川と逆転して勝利した吉田のマッチは見応え十分なものだった。
今回のオータムマッチは、彼らに代表される若い世代の溢れる才能と輝ける将来性を見せつける大きな舞台になったと言える。
若手セーラーの激しいマッチが注目を集めたオータムマッチ。全員集合です
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