開幕直前!トランスパックを勉強しよう (2)
7月8日、アメリカ・ロサンゼルスをスタートするトランスパックヨットレース。目指すは2225マイル離れたハワイ・ホノルルです。この大会に日本から6チームが出場します。バルクヘッドマガジンでは、この大会を総力をあげて盛り上げていきます。(BHM編集部)
これまでトランスパックに出場した日本艇
今年のトランスパックには、日本から〈ビーコム〉〈クレセント3〉〈ゲフィオン〉〈貴帆〉〈KLCベンガル7〉〈テンクォーター〉の6チームが出場します。これはトランスパックの歴史のなかで過去最高の数です。
編集部がトランスパックを知ったのは、〈コンテッサ〉の艇長、石原慎太郎さんの著書『風についての記憶』という自伝的小説でした。読んだのが、20年も前のことで、うろ覚えなのですが、内容に「レース途中で航海計器が壊れ、自分の位置がはっきり分からずに困った。ラジオを持って立ち、スピーカーから声の聞こえる方向がハワイだと決め、そちらに向かったらホノルルに着いた」というくだりがあり、あらゆる意味で衝撃を覚えました(所々間違えていたらすみません)。
さて、これまでどんな日本艇がトランスパックに参加してきたのでしょうか? いちばん古い記録は、1961年に参加した日本丸と海王丸(ともに日本の大型帆船で特別参加したようです)。それ以降、日本のヨットレース史に残る数々の名艇が出場しています。
1961年 日本丸、海王丸
1963年 コンテッサIII
1965年 コンテッサIII、チタII
1969年 チタIII
1973年 コンテッサIII
1975年 都鳥III、ディックチタ、ビンドフェンペデル
1977年 月光V
1979年 都鳥III、ノミIII、カレラ
1983年 摩利支天
1985年 摩利支天、スーパーサンバード
1987年 摩利支天、ロシナンテ
1989年 摩利支天、ロシナンテ
1991年 ロシナンテ、タキオン
1993年 月光VIII
1995年 ハツ
2001年 ベンガルII、バロネッサV
2003年 ベンガルII
2005年 ビーコム、ベンガルII
2007年 タキオンIII、ベンガル7、夢ひょうたん
2009年 ベンガル7、タキオンIII、レグラス
2011年 ベンガル7
2009年にはディズニー制作の「モーニングライト」という映画が公開されました。公募により若いセーラーが集まり、練習を重ねて2007年トランスパックに挑むという映画です。私がボートマネージャーを務めるエスメラルダチームで、昨年まで一緒に乗っていたジェシーという若者も出演していました
いちばん速い船、いちばん遅い船
100年以上続くトランスパックのなかで、さまざまな記録が生まれました。最も速い船は、現在活動を停止してしまった〈Alfa Romeo〉の5日14時間。確かベン・エインズリーが乗艇していたと記憶しています。また、BHM的注目は、1939年に〈Viking Childe〉(42ftケッチ)が記録したデイラン0マイル。この船は、7日間で7マイルというガッカリ記録もあり、その年は23日23時間でフィニッシュしています。〈Viking Childe〉はトランスパック史上最も遅い船として記録されています。
モノハル最短記録:
5日14時間36分20秒。〈Alfa Romeo〉 (Reichel/Pugh100), 2009年
マルチハル最短記録:
5日9時間18分26秒。〈Explorer〉 (86ft カタマラン), 1997年
最も遅い記録:
23日23時間55分4秒。〈Viking Childe〉 (42ft ケッチ), 1939年
全出場艇(第44回まで):1700艇
最高エントリー数:80艇(1979年)
最低エントリー数:2艇(1932年)
最大艇:161フィート〈Goodwill〉, 1953年、1959年
最小艇:25フィート〈Vapor〉, 1999年
最も古い艇:船令73年〈Alsumar〉(70ft S&S ヨール)、船齢68年〈Odyssey〉 (58ft ヨール)。共に2005年
最高おじいちゃんチーム:平均68.3歳(66〜72歳)
最年少チーム:平均19.8歳(17〜23歳)
デイラン最高:393マイル(2005年、Morning Glory)
デイラン最低:0マイル(1939年、Viking Childe。同艇は7日間で7マイルという記録もあります)
最も近いフィニッシュ時間差:4秒(1955年、KawameeとMarie Amelie)
艇・最高出場回数:14回(1973〜2007年、Ragtime)
個人・最高出場回数:22回(Thad Jonesさん)
最年少出場選手:11歳35日(Larry Folsom Jrさん)、11歳42日(Samuel (Shark) Kahnさん)
参考資料:チームベンガル・トランスパック読本、Transpacific Yacht Club
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