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目指せ大西洋横断!「ミニトランザット」第1レグスタート

 9月21日、フランス西部の港町レ・サーブル・ドロンヌで開幕した大西洋横断ヨットレース「ミニトランザット」。早朝の雨から一転、晴れ渡る空の下、90艇のミニがスタートしました。(BHM編集部)

ラ・パルマ島へ向けてレ・サーブル・ドロンヌをスタート。写真はDMG MORI セーリングアカデミーから出場する國米 創

 これほどまで盛り上がる外洋ヨットレースはフランスならではの光景です。さん橋には大勢の観客や選手たちの仲間が訪れ、歩くのにも人をかき分けて進まなければなりません。出航時には至る所で歓声が湧き起こり、選手を送り出す歌声も聞こえてきます。

 日本から出場する國米 創、中山寛樹、高原奈穂は、緊張を隠しきれず、前日までとは違った面持ちです。選手たちは準備を終えると、あらかじめ決められている出航時間までは、家族や仲間、応援に来てくれた人たちと別れを交わしました。

「目標はひとつだけ。ゴールすることです。前半は風が40ノット、ガストで45ノットまで上がる予報です。スペイン西端のフィニステレ岬までは風が強いけれど、そこからだんだん落ちてくる。そこを越えてからが勝負だと思っています。守りと攻めを使い分けて安全に走りたい。昨日はよく眠れました。この緊張感はやはりいつもと違います。ここまでやってきた、という気持ちがあります。やっとここまで来たので、しっかり走り抜けたいです」(國米 創 DMG MORI セーリングアカデミー)

 スタート時の風は5ノット程度。海上にも応援するボートが数多く見られるのは、予定通り日曜日にスタートすることになったからでしょう。スタートが延期されることも多いミニですが、今回は低気圧を避けるためにウエイポイントがひとつ追加され、大回りして大西洋に出て行くルートに変更されました。 

 15時30分、90艇のミニは、カナリア諸島ラ・パルマ島へ向けて出発。ラ・パルマ島まで約10日の航海になる予定です。

さん橋の人混み。荒天により延期されることもあるミニトランザットですが、今回は予定通りにスタートしました。日曜日とあって、陸上も、海上も人やボートであふれていました
日本から約20人のスポンサーや応援団が見守る中、出航する高原奈穂。えも言われぬ緊張感を漂わせていましたが「元気に行ってきます!」と一言
「2年間やってきた集大成なので、準備してきたことを全部出し切りたい。レース自体も楽しみたいし、自分の限界に挑戦したい」(中山寛樹)
DMG MORI セーリングアカデミーの応援に白石康次郎さんが駆けつけ、出航前の選手たちにアドバイスを伝えました
15時30分にレ・サーブル・ドロンヌをスタート。初日夜からの強風をいかに乗り切るのかがポイントになりそうです。レースの様子はトラッキング(欄外)で確認できます

◎ミニトランザット2025のコース
第1レグ
日程:2025年9月21日スタート
スタート:レ・サーブル・ドロンヌ(仏)
フィニッシュ:カナリア諸島 サンタ・クルス・デ・ラ・パルマ
距離:1350マイル
第2レグ
日程:2025年10月25日スタート
スタート:カナリア諸島 サンタ・クルス・デ・ラ・パルマ
フィニッシュ:カリブ海グアドループ・サンフランソワ
距離:2700マイル

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