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日本医科大学が団体・個人二連覇を飾る!関東医科歯科学生2025

 8月12日〜14日、江の島ヨットハーバーで「第53回関東医科歯科学生ヨットレース」(通称:医科歯科大会)が開催されました。この大会は、8月6日〜10日に行われた東日本医科学生総合体育大会ヨット競技(通称:東医体)に続いて行われるもので、オープン艇としての出場が許されているため大学ごとの艇数制限がないこと、医学科以外の医療系学生も参加できることが特長です。(レポート/下村有眞・大会実行委員長、写真/羽田 誠)

江の島で開催された「第53回関東医科歯科学生ヨットレース」。医科歯科大会は医療系学生のヨットレースであり、次年度東医体の前哨戦としての役割もあります

 今年度の医科歯科大会には、直前の東医体で入賞した学生から初めてレースに挑む学生までが集まり、医療系学生ならではの熱い戦いが繰り広げられました。大会期間中は7ノット前後の軽風を中心とするコンディションでした。時折風待ちもありましたが、最終的には予定された6レースを全て実施できました。大きな事故やトラブルもなく、各校の持ち味が発揮されるシリーズとなりました。

軽風域の中、全6レースが行われました

【第1レース】
 第1レースは6〜7ノットの微風域で安定した東風の中レースが行われ、東医体優勝校、日本医科大学のエース、島田・星合ペア(JPN4846)がその実力を発揮しました。ラインの傾きを判断し、スタートからリードを保ち、首位で1上マークを回航。その後2位と差をつけトップホーンを鳴らしました。2位争いで抜け出したのは横浜市立大学のエース、吉良・井野ペア(JPN4785)でした。団体戦では、東医体優勝校の日本医科大学が上位2艇が1位-7位といずれも好位置でフィニッシュし、優位に立ちました。

【第2レース】
 第2レースも6ノット前後で安定した東風で行われました。このレースは、慶應義塾大学・日本歯科大学のミックスペア、阿部・小林ペア(JPN4890)が実力を発揮しました。卓越したボートスピードで着実に順位を上げていき、トップでフィニッシュしました。東北大学の深谷・山崎ペア(JPN4625)も安定した走りと冷静なコース判断でトップに食らいつき2位となりました。

【第3レース】
 第3レースも6.5ノット前後の東風のもとでスタートしましたが、レース中に風が大きく振れ南西からの強い風が入ってきたためN旗を掲揚し中止となり、その後8ノット前後の南西の風で再スタートしました。

 このレースでは1上レグで有利海面だった右海面を走った艇団がトップを走りました。その中でも慶應義塾大学・日本歯科大学の阿部・小林ペア(JPN4890)が首位をキープしました。2位でフィニッシュしたのは日本医科大学の松田・小向ペア(JPN4810)でした。他艇と絶妙な距離感をキープして1上マークから2位をキープし、2位で逃げ切りフィニッシュしました。

 団体戦では、千葉大学が3位-13位、東北大学が7位-10位といずれも好位置でフィニッシュし、団体成績を大きく押し上げました。しかし、このレースでも日本医科大学は2位-8位と好成績で、2位とのリードを広げました。

【第4レース】
 第4レースも8ノット前後の安定した南風でレースが行われました。このレースでは、東北大学の深谷・山崎ペア(JPN4625)が安定した走りと風の変化を捉えたコース選択で2位と大きな差をつけトップフィニッシュしました。2位でフィニッシュしたのは千葉大学のエース、伊藤・大貫ペア(JPN4903)でした。ボートスピードと適切なポジショニングで1上マークから粘り強く2位を守り抜きました。

 1日目は、日本医科大学が2位と大きく差をつけて団体1位をキープしました。それに続いて2位が千葉大学、そして3位の東北大学が僅差で追う形となり、レースが終了しました。

【第5レース】
 2日目は朝は風が南にまわらず、風向風速ともに安定していなかったため陸上でAP旗を掲揚して風待ち。南の安定した風が入ってからD旗を掲揚しました。

 第5レースは8.5ノット前後の落ち着いた南風でレースが行われました。第5レースは、慶應義塾大学の渡辺・野口ペア(JPN4840)が、卓越したボートスピードと着実なコースで逆転しトップホーンを鳴らしました。東北大学のエース、青木・中谷ペア(JPN4828)も巧みな位置取りと後半の粘りで大逆転し、2位でフィニッシュしました。

 団体戦では、日本医科大学が3位-8位と安定して走り、団体優勝へと近づきました。千葉大学も7位-12位と好位置をキープした他、順天堂大学が4位-9位と追い上げました。

【第6レース】
 第6レースも8.5ノット前後の南風の中レースが行われました。第6レースでは、慶應義塾大学・日本歯科大学の阿部・小林ペア(JPN4890)が安定した走りと好位置を押さえる走りで逆転し、トップフィニッシュしました。2位でフィニッシュしたのは日本医科大学の松田・小向ペア(JPN4810)でした。冷静な走りで2位を守り抜きました。

  団体戦では、日本医科大学が2位-3位と最後まで隙を見せず着実に団体優勝の座を手にしました。最終レースでは東京慈恵会医科大学が6位-12位と、順天堂大学が8位-13位と健闘し、前日までのトップ校との差を大きく縮めました。

日本医科大学 島田・星合ペア。2年連続医科歯科大会個人戦優勝を果たしたエースです
慶應義塾大学は安定感あるボートスピードを見せました
東北大学のエース 青木・黒川ペア
千葉大学のエース 伊藤・井上ペア
横浜市立大学のエース 吉良・井野ペア
東北大学のホープ 深谷・山崎ペア
日本医科大学の期待の新星 松田・小向ペア
2日目に圧倒的な追い上げを見せた順天堂大学 妻木・森田ペア
東邦大学のエース 小向・西澤ペア

◎東医体に続き日本医科大が団体優勝

 以上6レースをもって、今年度の医科歯科大会は終了しました。団体戦では、全6レースを通じて日本医科大学の上位2艇が安定感ある強さを見せました。一方で、慶應義塾大学の見せたボートスピード、千葉大学や東北大学が見せた団体力、順天堂大学や東京慈恵会医科大学が最後に見せた粘り強さは、大会を大いに盛り上げました。

団体二連覇を果たした日本医科大学

 医科歯科大会は新人戦のような色合いを持ちながらも、東医体を補完する位置づけとして重要性を増しており、レース全体のレベルも年々高まってきています。今年も引退を迎える選手、新たに初レースに挑んだ選手、様々な思いが交錯する大会となりました。

 本大会は次年度東医体へのステップとして、また医療系学生セーラーの成長の場として大きな意味を持つことを改めて示しました。

第53回関東医科歯科学生ヨットレース本戦 成績


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