全日本インカレ5連覇を達成した早稲田大リーダー、監督コメント
11月1〜4日まで江の島で開催された「第89回全日本学生ヨット選手権」。早稲田大の完全優勝だけでなく、総合・スナイプ5連覇という記録が生まれました。最強のチームを作り上げた早稲田大4年生、小松一憲コーチ、関口功志監督のコメントを紹介します。(BHM編集部)
飯田 澪(4年・470リーダー)
初日、(衝突で)船に穴が空いてしまい、チームは1つ英語(DNF)を取り、帰着後にクルーがケガをしてしまうトラブルがありました。インカレらしい厳しいスタートになりました。2日目、3日目は、自分たちがやってきたことを出し切ってレースしました。全体を振り返ると良いレースではなかったかもしれないけれど、手堅いレースができたことが結果につながったと思います。470の4年は私と高田の2人だけです。後輩たちの支えもあって良いチームを作れたと思います。最高にうれしいです。
服部陸太(4年・スナイプリーダー)
今年は笑顔を絶やさないチーム作りを心がけてきました。常にアップデートして進化を続けることを1年間意識してきました。スナイプは、吉川(3年)、重松(2年)という後輩スキッパーに助けられました。彼らは自分にないものを持っています。そして、その下の後輩たちも成長しています。今年進化してきたことを後輩にバトンタッチできたことで、自分の役割を果たせたと思います。本当にうれしいです。※「進化」は早稲田大の今年の部訓です
大野誠真(4年・主将)
主将として最終レースまでプレッシャーを感じていました。初日から3日目まで毎日帰りのえい航で涙を流していました。自分でも分からないいろんな意味があったんだと思います。もう一歩行けたんじゃないかとか、自分はまだまだだ、という気持ちもありました。最後の最後まで成長できたと思います。優勝できてうれしいです。それと、ほっとした気持ちです。
小松一憲コーチ
(5連覇を達成した気持ちは)痛快です。今年は選手たちがプレッシャーにならないように5連覇の言葉を出さないようにしていました。連覇は結果であり、密かに達成されるものですから。今年から他校に呼びかけて早稲田主催のフリートレースを始めました。多い時には50、60艇が集まり、全部で67レースやりました。関東水域全体でヨットレースが上手くなったと思います。成績をきちんと出し、リコールもしっかり取る。みんなが緊張感を持って参加してくれました。みんながヨットレースを上手くなり、レベルをあげて、自分たちも成長する。これからの練習の形になるのではないでしょうか。
関口功志監督
470は苦しい展開が多かったです。結果としてうまく挽回できました。今回苦しい展開になることは事前に予想していました。今回は7レースぐらいおこなわれるだろう。それには微風戦が含まれるだろう、と。そうなると苦しい場面が必ずやってくる。この場面をどう対処できるかがポイントでした。選手たちは、悪くても落ち着いて戦うことができたと思います。スナイプは正直に言うと自分もスナイプセーラーなので、部員から学んでいる部分も大きい(笑)。選手たちと一緒に細かい部分まで議論しています。(5連覇を達成して)できすぎていると感じています。自分は監督として11回、その前にコーチで7回、合計18回のインカレを終えました。明日からまたリセットして来年のインカレに向けてはじまります。毎年同じことを繰り返しています。積み上げてきたジェンガをリセットしてスタートするような気持ちです。
- バルクヘッドマガジン全日本インカレフォトギャラリーhttps://junhirai.photoshelter.com/gallery-collection/2024/C0000t5L8l.5KeKo