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【パリ五輪】マルセイユ沖、岡田・吉岡は総合3位へ順位を落とす

 8月4日、パリ五輪8日目。オリンピックは後半戦に突入し、最後の種目、カイト男女/フォーミュラカイトが始まりました。注目の470級は12時過ぎから沖の海面で2レースおこなわれ、岡田奎樹/吉岡美帆は14-12位で総合3位へ順位を下げました。(BHM編集部)

前日までトップにいた岡田/吉岡は3位へ順位を下げました。第5レースの岡田は悔しい表情でフィニッシュ(写真)。3位ですが上位との得点差はわずかです

 前日のミストラルが過ぎ去り、気温が下がり過ごしやすくなったマルセイユ。海上は風が予想よりも弱まり、470級は6〜8ノットの風で始まりました。

 岡田/吉岡はスタートで遅れをとってしまい、不利な風のシフトも入り、なかなか追い上げることができません。調子をあげたのは、オーストリア、スペイン。両チームとも世界選手権を制した経験のある実力選手だけに成績を手堅くまとめてきています。

 470級は3日間が終わって、上位に名を連ねているのは、予想通りのチームです。得点差は近く、岡田/吉岡が得点を重ねたことで、どのチームが抜け出すか、それとも最後まで僅差の戦いになるのか、展開は読めなくなってきました。

 予選の残り2日間は軽風が予想されています。軽風ならまだ良いですが、微風の戦いになるとひと吹きのブローで順位が入れ替わってしまいます。

 また、強風に強いオーストリア、スウェーデンが、軽風で持ち堪えたばかりでなく、本日の微軽風戦でトップを取る結果を残したことは、苦手風域の対策をしてきたと見て良いでしょう。そして、いちばん怖いのは、彼らが波に乗っているということ。岡田/吉岡は、チャンスをつかみ波を取り戻す必要があります。

 いずれにしても470級の後半戦から目が離せません。大会9日目の470級(レース4日目)は、午後3時30分(日本時間22時30分)から岸寄りの海面でおこなわれる予定です。

岡田奎樹コメント
「今日のレース、何が具体的に悪かったのか、どこの選択が悪かったのか、まだちょっと整理できていないですが、(吉岡選手との)コミュニケーションは少なかったですね。
 明日に向けてやらなければいけないのは切り替えること。気持ち的にすごく引きずり下ろされたという感覚が強いので、そういう考え方のケアと、明日からどういう戦いをしていくか、というのをもうちょっと踏み込んで決めておくべきですね。
 明日は軽風でしょうから、戦い方を先に決めて、しっかりやりきる方向性でやらないといけません。スピード自体は問題ないと思います。きょうはコースの組み立てがちょっと違ったのかなぁと思います」

吉岡美帆
「(現在暫定トップの)オーストリアのララとは、女子 470 級でリオまで戦った経験があります。どんな選手かというと、負けん気が強いです。負けず嫌いで、けっこう絡んでいくタイプだと思います。今日はうねりだけが残っていたので、バランスを取るのがけっこう難しくて、自分もバランスをとるので一杯一杯になっちゃって、まわりが見えていなかったです。そこは反省すべきところです」

飯束潮吹コメント
「フォイリングコンディションで波があると、技術的な差が顕著に出てしまいます。波がある海面のフォイリングが一番難しいです。今日は苦しいレースでした。苦しいレースでしたが、全力は出しています。順位もある程度決まってきているので、しっかり攻めたレースをしてもうちょっと前に食い込めるようなオリンピックにしたいなと思います」

西田カピーリア桜良
「今日はタックがちょっと多かったです。ナクラの場合、艇の性質もあるのでトップを走る選手ほどタックが少ないです。今日はシフティなコンディションということもありましたが、それでも多かったと思います。明日からの風はたぶん得意風域なので、自分たちの MAX 良い走りをしたら前に行けると思います。自分たちの力を信じてやっていきます」
 
◎パリ五輪成績
470 参加19艇 6R終了時
1 AUT Lara Vadlau / Lukas Maehr 17p
2 ESP Jordi Xammar Hernandez / Nora Brugman Cabot 22p
3 岡田奎樹/吉岡美帆 23p

ナクラ17 参加19艇 6R終了時
1 ITA Ruggero Tita / Caterina Banti 5p
2 NZL Micah Wilkinson / Erica Dawson 15p
3 ARG Mateo Majdalani / Eugenia Bosco 21p
19 飯束潮吹/西田カピーリア桜良 85p

49erFX 参加20艇 最終成績
1 NED Odile Van Aanholt / Annette Duetz
2 SWE Vilma Bobeck / Rebecca Netzler
3 FRA Sarah Steyaert / Charline Picon
17 田中美紗樹/永松瀬羅

iQFOiL男子 参加24艇 最終成績
1 ISR Tom Reuveny
2 AUS Grae Morris
3 NED Luuc van Opzeeland
18 富澤 慎

iQFOiL女子 参加24艇 最終成績
1 ITA Marta Maggetti
2 ISR Sharon Kantor
3 GBR Emma Wilson

49er 参加20艇 最終成績
1 ESP Diego Botin le Chever / Florian Trittel Paul
2 NZL Isaac McHardie / William McKenzie
3 USA Ian Barrows / Hans Henken

ナクラの海面は夕方近くになって一瞬吹き上がりました。飯束潮吹/西田カピーリア桜良は後位置から前にでられず総合18位です
6レースを終えてオールトップという驚くべき成績を重ねているイタリア(Ruggero Tita / Caterina Banti)。Ruggero Tita はルナロッサに所属しています
スペインのJordi Xammar / Nora Brugman Cabotは1位こそ取っていませんが、安定した着順で上位に入ってきます
2回のトップで総合1位に立ったオーストリア。もともと強風で走る印象ですが、軽風でも前を走ります。いちばん波に乗っているチームです
パリ五輪最終種目のiQFOiLがスタートしました。iQFOiLは岸寄りの海面で4レースおこなわれました
優勝候補筆頭のMaximilian Maeder(SGP)は圧倒的なスピードを持つ選手です。初日は3位で終えました
カイトは30ノット以上で走り抜けていきます。常に危険が伴う種目で、撮影は一区画からしかできないため困難を極めます
パリ五輪セーリング競技スケジュール
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