パリ五輪日本代表内定、岡田奎樹・吉岡美帆。バルクヘッドマガジン編集長インタビュー
編集長:日本代表選考となった470世界選手権、そしてこのプリンセスソフィア杯を振り返ってどんな感想ですか?
岡田奎樹:チームを結成して今年で遠征3年目になります。これまで戦ってきた中で、他のチームに負けたことはなかったので、シンプルにレースすれば負けないという気持ちはありました。あとは、その目標値をしっかり定めてやることで、結果として緊張を下げてくれるし、それほど慌てることがなくなるので、その辺の目標設定の仕方はちゃんとできたと思います。
編集長:吉岡選手も同じように考えていましたか?
吉岡美帆:今まで通りやれば勝てるっていう気持ちはありましたが、やっぱり選考となると緊張しました。
編集長:岡田・吉岡チームは金メダル獲得という明確な目標を掲げ活動してきました。自分たちのパフォーマンスは、金メダルを取るために今どのぐらいの状態だと考えていますか?
岡田:チームワークに関しては90〜100%あると思っています。あとちょっとした道具の使い方だったり、細かい個人でやらなきゃいけない作業など、まだまだあります。
編集長:個人でやらなきゃいけないというのは、スキッパー、クルーが、それぞれやらなくてはいけないことがあるということですか?
岡田:そうです。オリンピック本番は艇数が少ない19艇なので、割と今回のような感じじゃなくてスピード勝負とかになりがちです。だから、必要なのはスピード、直線のスピードになってくると考えています。
編集長:五輪本番まで4カ月の間にもっとスピードを上げたい?
岡田:そうですね。オリンピックはレーシング(コース戦術)の重要度が下がります。ダウンウインドのスピード、アップウインドのスピードの両方をよくすることが必要だと考えています。
編集長:吉岡選手は、これまでの発言の中で男子クルーに比べて劣る部分があると言っていますが、クルーとしての完成度はどのように考えていますか?
吉岡:もちろん今までやってきた中で成長はしてきていると思うけれど、今回の大会でも競り負ける部分はあったので、細かいテクニックとか体の使い方とか、もうちょっと研究していかなきゃいけないと思っています。
編集長:以前、岡田選手と話した時に、東京五輪では、守りの部分が強すぎて、攻めるタイミングがちょっと遅かったと発言していましたが、レガッタの作り方とか、頭の中で(東京と違う)変化を思い描いている?
岡田:希望はスピードがある程度速く「先行逃げ切り」のパターンです。ちゃんとスタートして行けたら一番ハッピーですけど、みんなも上手になっているし、スピードも速くなるので、そうはいきません。あとはその辺を4カ月の間にどういう感じになりそうか、(他国と)手合わせしながらやっていくことになります。
編集長:ズバリ、ライバルとなるのはどの国でしょうか?
岡田:確実に上位に来るのは、スペインとフランスかなと思っています。風が吹いたらイギリスもドイツも良くなる。あとオーストリアも勢いが良くて、“ドン”と行くレースをするので、その辺りが上位に来るのかなと思ってます。
編集長:ありがとうございました。五輪代表内定、おめでとうございます。
◎2024 パリ五輪種目
開催地:フランス・マルセイユ
大会期間:7月28〜8月9日
種目:
男子1人乗りディンギー/ILCA 7 (41カ国)
女子1人乗りディンギー/ILCA 6 (41カ国)
男女ミックス2人乗りディンギー/470 (19カ国)
男子スキフ/49er (20カ国)
女子スキフ/49erFX (20カ国)
男子カイトボード/フィーミュラカイト (20カ国)
女子カイトボード/フィーミュラカイト (20カ国)
男子ウインドサーフィン/iQFOiL (24カ国)
女子ウインドサーフィン/iQFOiL (24カ国)
男女ミックスマルチハル/ナクラ17 (19カ国)
- 53 Trofeo Princesa Sofía Mallorca(公式)https://www.trofeoprincesasofia.org/en/default/races/race