3月10日、愛知県豊川市・三河みとマリーナで開催された「セイル・オン 第12回JYMA選抜大学対抗＆U25マッチレース」最終日。3日連続の強風コンディションで予選ラウンドロビンがおこなわれた後、決勝、3位決定戦がおこなわれ、〈水の王者〉（慶應大・磯村麟之介ヘルム）が、〈Meijo univ.j/24 class〉（名城大・玉田航大ヘルム）を2-0で下し優勝を飾りました。（BHM編集部）

　15ノット程度の風ではじまった大会３日目。しかし、２フライト終わる頃には北西風が吹き上がり、前日と同様サバイバルコンディションに。ラウンドロビンはノースピンで進められ、全チームが５マッチ終えた時点で順位決定戦に移りました。

　決勝は、ラウンドロビンで４勝した慶應大と現役ヨット部員がほとんどの名城大です。大学ヨットの頂点を狙って活動する慶應大と、地元枠で出場した大学からヨットを始めた選手ばかりの名城大現役チームが決勝で戦うというのも、セーリング経験を問わない大学＆U25マッチらしい魅力です。

　２勝先勝でおこなわれた決勝第１戦は、慶應大が名城大を抑えて１勝。気合十分の慶應大に対して、物静かに淡々と戦う名城大は負けていません。第２戦はスタートで風下位置から慶應大にペナルティを取り、名城大が先行。完全に有利な展開でレースが進行しますが、、、

　最終ダウンウインドレグで名城大のジャイブミスをついた慶應大が風下側に入り、そのまま権利を持ってコース外へと連れ出します。コースを離れた慶應大はクイックにタック（ペナルティを解消）して名城大をかわすと、リーチングでフィニッシュラインへ。劇的な逆転劇で〈水の王者〉慶應大が優勝を飾りました。第１回大会から出場している慶應大は本大会初優勝です。

「ペナルティをもらった時点でチャンスがある所で、解消するしかないと思っていた。上マーク回航でみんなでがんばってアンヒールさせて風下を取れたのが良かったです。（この大会を振り返って）初日はひとり人数が足りなくて、それでも強風で耐えて走り、その分、きょうは余裕を持って走れました。自分たちはヨット部の活動のなかでマッチレースも取り入れています。そういった部分もよかったです」（磯村麟之介）

　強風の三河湾でおこなわれた第12回大学＆U25マッチ。終わってみれば、キールボートのたのしさ、マッチレースのむずかしさを少し感じた選手たちのキラキラした目が印象的でした。

　また、本大会にはキールボートに興味を持ったセーラーをキールボートの世界へつなげる、をするという意図もあります。ここにはキールボート、クルーザーレースに興味を持ったセーラーがいます。キールボートチームのみなさんも、ぜひこのイベントに参加、ご協力いただければと思います。

　来年も大学＆U25マッチは開催されます。次回はどこのチームが活躍するでしょうか？　大学ヨット部のみなさん、25歳以下のみなさん、ぜひ挑戦してください。

◎第12回 大学対抗＆U25マッチ 成績
1 磯村麟之介〈水の王者〉（慶應大）
2 玉田航大〈Meijo univ.j/24 class〉（名城大）
3 林 玄〈ぴちぴちの冠学生〉（関西学院大）
4 鈴木義弘〈Team HIKARI〉（山口光高校出身）
5 菅澤龍佑〈陸の王者〉（慶應大）
6 大石駿水〈Natsumi〉（同志社大ミックス）
7 吉田駿之介〈TTMT〉（東工大）
8 工藤海翔〈Team Nudge〉（関西つながりの仲間）
9 八鍬佑樹〈GRADs〉（東工大）
10 石戸大智〈Grabmans〉（横国大）
11 合原輔祐太〈神戸大学〉
12 山田美桜〈オフショアセーラーズ〉（神戸大+東京大）

◎大学対抗＆U25マッチ 歴代優勝チーム
2024年 第12回大会優勝 水の王者（慶應大）
2023年 第11回大会優勝 Hope（JSAFホープ育成プログラム）
2022年 第10回大会優勝 宇田川丸（混成）
2020年 第9回大会優勝 Snipe Lover（混成）
2019年 第8回大会優勝 ドリームチーム（日本大学/慶應大/早稲田大学）
2018年 第7回大会優勝 Connery／九州大学OB
2017年 第6回大会優勝 関東同盟（混成）
2016年 第5回大会優勝 シャンディーガフ／同志社大学
2015年 第4回大会優勝 月光ボーイズ 準優勝:九州大学
2014年 第3回大会優勝 同志社大学
2013年 第2回大会優勝 和歌山大学
2012年 第1回大会優勝 Yoshida Sailing Team（混成）

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