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大西洋横断ミニトランザット・スタートまで2日。バルクヘッドマガジン・フォトレポート

 フランス西部レ・サーブル・ドロンヌでスタートする大西洋横断ヨットレース「ミニトランザット」の取材に来ています。スタートは9月24日14時(日本時間21時)。バルクヘッドマガジンでは、この大会の様子、出場するDMG MORI セーリングアカデミー所属の三瓶笙暉古選手、ロール・ギャレー選手の様子を写真とともにお伝えします。(BHM編集部)

レ・サーブル・ドロンヌは単独無寄港無補給世界一周ヨットレース「ヴァンデ・グローブ」のスタート地として知られています。2年に一度開催される大西洋横断ミニトランザットは外洋レースの登竜門というべきヨットレースです
ミニトランザットのコース図。第1レグはレ・サーブル・ドロンヌからスペイン・ラ・パルマ島まで1350マイル、第2レグはラ・パルマ島からカリブ海グアドループまで2700マイルを走ります
さん橋にはミニトランザットに出場する90艇が横抱きでぎっしり並んでいます。各選手は準備に余念なく、9月12日にハーバー入りしてそれ以降は安全検査やブリーフィングがおこなわれるので、海に出ては行けないルールになっています
大西洋横断に挑戦する三瓶笙暉古(フェデリコ・27歳)。岩名地 正(1999年)、鈴木晶友(2019年)に続いて日本人3人目となる挑戦です。約二週間前に現地入りしてスタート準備を進めてきました
三瓶と同じくDMG MORI セーリングアカデミーに所属するロール・ギャレー(29歳)。2選手は31艇が出場するプロトタイプに出場します。事前レースで優勝歴もある彼女は優勝候補にあげられています
ミニトランザット・ビレッジの入り口。荷物検査はありますが、だれでも無料で入場できます。テントは大会スポンサーや関係団体のパビリオン。週末になると大勢の人が訪れます
船の前では出場選手がスポンサーや応援してくれるサポーター、一般の人たちを集めてお披露目会が催されていました。こうした応援者への対応が次の挑戦につながります
カラフルなイラストがペイントされた船も出場艇です。記録や順位を競う選手がいれば、この大会を人生のキャンペーンとして捉えている選手もいます。今年の出場選手の平均年齢は33歳。17カ国の男性76名、女性14名が出場します
三瓶選手の食料と医療バッグ。第1レグは1350マイルなので10日間/1日3食で30食分を用意。お米、おかずなどレトルトやドライフーズがほとんどで、日本から購入してきたやきとりの缶詰、カップ麺も準備しました。初日、2日目は直前に購入したフレッシュな食べ物を用意しています。水は1日6リットルを用意(大会規定)
医療バッグにはルールで搭載しなければならない荷物がぎっしり。海上で歯の治療をおこなうデンタルセットもありました。説明書を読むと詰め物を作れる用意もあり、どんな歯も治療できそうです。もちろん医療道具は海の上でおこる事故を想定したもので、この大会に出場する選手は全員サバイバルトレーニング(5年間有効)を受講しています
全長6.5mのキャビンは決して広くはなく、〈DMG MORI SAILING ACADEMY〉は中央にカンティングキールがあるので、さらに移動は不便です。食料バッグはマスト近くのスペースにまとめて配置します
ミニトランザットではスマホはもちろんインマルサットなどの衛星通信は禁止されています。写真は航海の相棒となる短波ラジオ。とはいえこちらは天気予報を聞くためのもので娯楽ではありません。三瓶選手はウォークマンに入れた音楽(あいみょん、サザン、ブルーハーツ)と小説(宮沢賢治、夏目漱石、三島由紀夫)を楽しみにしているとのこと
こちらは遭難時に持ち出すグラップバッグ。これと水タンクを持ってライフラフト(救命いかだ)に乗り込みます。バッグの中にはハンディVHF、ナイフ、サバイバルフード、鏡、防水ライト、防水フラッシュライト、ハンドフレア、スモークシグナル、サバイバルブランケット、サイリウム3本、シーマーカー、日焼け止め2個が入っています。使うことありませんように
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