2025年最終戦、伊藤園クリスマスマッチ。村越俊介が優勝!
12月13日、14日の2日間、2025年伊藤園マッチレースシリーズのファイナルとなる「伊藤園マッチレース・チャンピオンシップ・クリスマスマッチ」が、葉山マリーナで開催された。本大会はワールドセーリング・マッチレーシング・グレード4に認定された公式大会である。(レポート/村瀬敏彦、写真/樋口良彦)

◎熱気に包まれた2025年シリーズ
2025年の伊藤園マッチレースシリーズは、第1戦MR-1から第4戦MR-4まで、いずれの大会もエントリー開始から数秒で定員を超える申し込みが殺到するなど、終始高い注目と熱気に包まれたシリーズとなった。
また、有志選手たちの呼びかけにより、合同オープン参加型のマッチレース・トレーニングが企画され、各MR開催前月には定期的に計5回実施されるなど、多くのチームが積極的にスキルアップへ取り組んだ一年でもあった。
◎年間上位6チームによる事実上のチャンピオンシップ
本クリスマスマッチは、年間シリーズでの獲得ポイント上位者が主催者から招待される事実上のシリーズ・チャンピオンシップである。
招待されたのは、村越スキッパー、日置スキッパー、加藤スキッパー、高山スキッパー、上松スキッパー、渡邊スキッパーの6チーム。いずれも国内トップレベルの実力者が揃い、ハイレベルな戦いが期待された。
◎Day 1 拮抗のシングルラウンドロビン
大会初日は、極寒の曇天の下でスタート。寒さこそ厳しかったものの、セーリングコンディション自体は良好で、逗子海岸特有の気まぐれな風のシフトとブローの中、シングルラウンドロビン全マッチが予定通り実施された。結果は、上位3チームが同点・同率首位という三つ巴の大混戦となった。
タイブレークの結果、
1位:日置賢人スキッパー
2位:高山達矢スキッパー
3位:村越俊介スキッパー
となり、11月に香港マッチレースへの海外遠征を経験した日置スキッパーが、わずかな差でリードを奪う展開となった。
(以下、ファーストステージ結果)
4位:加藤琢也スキッパー
5位:上松 勲スキッパー
6位:渡邊康晴スキッパー
◎Day 2 逆転を制した村越スキッパー
大会2日目は、雨と毛嵐による視界不良のため、一時ハーバー待機からのスタートとなった。前線通過による暴風雨をハーバーでやり過ごした後、小雨が残る中でセミファイナルとファイナルが実施された。
この難しいコンディションの中、巧みなボートハンドリングで艇を完全にコントロールし、高い完成度の戦術で激しいドッグファイトを演じた村越スキッパーが、セミファイナル・ファイナルともに全勝。見事な逆転劇で、シリーズ最終戦を制する優勝を飾った。

◎マッチレースの魅力を再確認した2日間。そして2026年へ向けて
この2日間、艇上でハードワークを続けるクルーたちをよそに、プレスタートでマニューバリングを繰り広げる2艇のヨットは、まるでワルツを踊るカップルのような優雅さを見せていた。
マッチレースは、高度な駆け引きと緊張感の中に美しさを併せ持つ競技であることを、改めて観る者に強く印象づけた大会となった。
2026年はさらにマッチレースが盛り上がりを見せる兆しがある。すでに海外選手たちからも、日本の大会へ参加したいという声が聞かれ始めており、国内だけで年間8大会以上のマッチレースが開催されている日本に、今後ますます海外からの注目が集まっていくことだろう。

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